ベルリン1945 はじめての春(上) (岩波少年文庫 625)

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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001146257

作品紹介・あらすじ

繰り返される空襲とその後の市街戦により、街は容赦なく破壊された。生き残った人びとは新しい生き方を模索するが、長く続いたナチの支配と戦争は、街にも人の心にも深い傷を残しており……。ドイツの敗戦とその後の混乱を、ナチ体制下で育った少女エンネの目線でつづり、それぞれの人生の変転を描く。大河群像劇完結編。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/769670

  • _それでも人生はつづく。逃げ隠れしようとしても無理だ_

    転換期三部作、ついに完結です。

    小説を読んでいて、目を覆いたくなるような、というのもおかしな表現だけど、実際に、一瞬瞼を閉じてしまうことが幾度もあった。

    ゲープハルト一家との付き合いも30年近くに及んできたので?感情移入しないでは読めない。
    可愛かったあの子が、、、
    えっ、あの人が?そんなばかな、、、
    と序盤からさまざまな衝撃の連続。

    敗戦の色濃くなってきた1945年のベルリン。米英軍からの爆撃は普通の市民を容赦なく巻き込みます。
    終戦を迎えても、瓦礫の街で生き延びるのは容易なことではなく、ヒトラーを信じた自分を責め続ける人、自由になっても、収容所での地獄の日々から本当の意味で解放されない人、ソ連兵の襲撃に怯えて暮らす人…
    簡単に平和は訪れません。

    今作は、第1部で主人公だったヘレの娘エンネの目線で語られます。
    前作『〜1933』にて反抗勢力として両親が投獄され、祖父母の元で育った彼女は12歳。父母との再会は果たされるのか。再会しても、その溝を埋めていけるのか…。

    あとがきにもありますが、ドイツはこの後、ベルリンの壁の時代を迎えるのですよね。

    ほんやり生きている自分について、考えすぎてぼんやりしています。
    わたし、これからどうやって生きて行ったらいいんだろう。
    ってほどに。

  • 943-K-3-1
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著者プロフィール

著者 クラウス・コルドン(1943~)
ドイツのベルリン生まれ。旧東ドイツの東ベルリンで育つ。大学で経済学を学び、貿易商としてアフリカやアジア(特にインド)をよく訪れた。1972年、亡命を試みて失敗し、拘留される。73年に西ドイツ政府によって釈放され、その後、西ベルリンに移住。1977年、作家としてデビューし、児童書やYA作品を数多く手がける。本書でドイツ児童文学賞を受賞。代表作に『ベルリン1919 赤い水兵』『ベルリン1933 壁を背にして』『ベルリン1945 はじめての春』の〈ベルリン3部作〉などがある。

「2022年 『エーリッヒ・ケストナー こわれた時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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