五月三十五日 ケストナー少年文学全集(5)

  • 岩波書店
3.67
  • (11)
  • (10)
  • (22)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 142
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150551

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 記念すべき2005年の第1冊目。コンラート少年が、おじのリンゲルフートと麦わら帽子をかぶった黒馬とともに南洋を目指して旅するお話です。途中、なまけものの国、偉大な過去の城、さかさの国など、数多くの個性的な国々を通ります。それらの国は、ケストナーの想像の国ではあるけれど・・・ケストナーは、近い将来、世の中がどうなるかを、知っていたんじゃないかしらん。[2005.1.1]

  •  
    ── ケストナー/トリヤー・画/高橋 健二・訳
    《五月三十五日 1932‥‥ 19620616 岩波書店》少年文学全集(5)
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4001150557
     
     Kästner, Erich 18990223 Germany 19740729 75 /
     Trier, Walter 18900625 Germany 19510708 61 /ボヘミア
     
    …… 元気いっぱいの少年と子供の心を忘れないおじさんが、ローラー
    スケートを履いたお馬と一緒にいろいろな世界を冒険するお話。
     ファンタジックで愉快なお話の間にケストナーらしいユーモアと
    アイロニーも顔を覗かせています。読んでいて胸のあたりがじわりと温
    かくなるような彼の作風が好きです。
     
     《五月三十五日 Der 35. Mai oder Konrad reitet in die Südsee 1932》
    …… 原題は「五月三十五日、あるいはコンラットは南洋にでかけた」。
    意味的には“何が起きてもおかしくない日”の代名詞として使用されて
    いる。「とんでもない月曜日」(ジョーン・エイキン、1924-2004)と
    同義。日本では『スケートをはいた馬』という訳のタイトルで出版され
    ていたこともある。
     5月35日、この日は木曜日。コンラートは算数の成績が余りに良過ぎ
    た為、“出来るヤツは想像力が欠けている”と見做す担任の指導で、他
    の秀才達と共に行った事もない“南洋”について作文を書かされる事に
    なった。
     毎週木曜日、共働きの両親に代わってコンラートを学校に迎えに来る
    事になっている薬剤師の叔父リンゲルフートは、相談を受けて「二人で
    先生に見事な南洋を突きつけてやろう」と提案し考え始める。
     ローラースケートを履いた人間語を話す黒馬ネグロ・カバロに出会っ
    た二人は、一緒に南洋を目指して旅に出た。途中「なまけものの国」
    「過去の国」「さかさの国」「電気の国」などの途方もない国で驚きの
    体験を重ねる。(Wikipedia)
     
    (20200617)
     

  • 何度読んでも愉快。特にペータージーリエが好きなので、ここのくだりがもっと長くてもいいのに。
    電気の国あたりはとっくに実現しているあたり、ケストナーには先見の明があった。

  • 「ごばんじま」はつまりチェス盤ってことで、「碁が打てる」というのは、チェスが打てるということね。
    翻訳された1962年当時では、チェスって訳しても通じないだろうって思われたんだろうな。
    でも、碁盤は白黒じゃないから、囲碁を知ってる子ほど混乱しただろうな。
    挿絵があるから実際どうなってるのかはわかるけどさ。
    空想を広げるときに、どこまでナンセンスになれるかというのは、才能である気がする。
    空想の翼はよく常識に縛られてしまうから。

  • 「五月三十五日のことでした。」から始まる、ナンセンスかつ荒唐無稽な物語。自由自在な想像力を生み出すケストナーの面目躍如。
    南洋について作文を書かなければならないコンラート少年が、おじさんと馬と冒険の旅に出かける(タンスを通って出かけるのは、ナルニアのオマージュなのか?)。途中で訪れるいくつもの国は、シニカルなアイロニーが隠れている。おそらく、子どもが読む時と、大人が読むのでは、かなり印象が違うのではと思う。
    特に、子どもを苦しめる大人たちに対して、ケストナーの怒りを感じる。現代の親たちも、今一度、子どもの気持ちに立ち返って、向き合ってみてはどうだろうか。

  • 大好きなケストナーですが、ずっと読んでいなかった作品。
    とても面白かったです。
    主人公のコンラート少年は、「算数がうまい」ので作文の宿題を出されるのですが、この「算数がうまい」という訳がなぜかとても好きです。

    訳者のあとがきによると、原作では作文は手書きになっているようなので、いつか原文で読めたらいいなと思います。

    今まであまり読んでいなかった詩や警句をもっと読んでみたいです。

  • ケストナー③
    タンスを抜けると異空間に出るところはナルニア国ぽくて、いろいろな国が出てくるところは星の王子さまに通じるなと読みながら思いました。
    今まで読んだケストナーの作品より空想的な部分が多くて最初は驚きましたが、慣れてしまえばどんどん読み進められました。

  • なんというか、昔の翻訳児童書だなぁという書体が懐かしくてたまりませんでした。

  • 明るいファンタジーで、怖いことも説教臭いこともほとんどなく、気楽に読める。

    ただ、気になって仕方がなかったのは翻訳。
    50年以上前に翻訳されたから古臭いのか、それとも元々翻訳が下手なのかわからないが、とにかく現代では絶対に使われないような言い回しや、不自然でわかりにくい言葉がいっぱい出てくる。

    読みながら、つい、「ここは、こう書き直すべきだ」とか考えてしまって、ストーリーに集中できなかった。

    余程本好きで難しい言葉も気にしない子でない限り、冒険が始まる前に挫折してしまうだろう。

  • 2014【】干支の本(うま)&図書だよりで紹介

全20件中 1 - 10件を表示

ケストナーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
オトフリート=プ...
ミヒャエル・エン...
トミー=アンゲラ...
エーリヒ ケスト...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×