わたしが子どもだったころ (ケストナー少年文学全集 (7))

著者 :
制作 : ワルター・トリヤー  高橋 健二 
  • 岩波書店
3.97
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本棚登録 : 92
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150575

感想・レビュー・書評

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  • 「飛ぶ教室」や「ふたりのロッテ」のドイツ人作家ケストナーの自伝。両親が革細工店を営んでいたこと、旅行嫌いだったこと、ドレスデンという美しい街で暮らしていたときの喜びなど、彼の人格を作ったあれこれを知ることができる作品。「レンガのように重い本はいらない」とか、「読むことのできるものは第二の一対の目(新しい世界)を持つ。ただ、そのため第一の一対の目(現実の世界)をそこなわぬように注意しなければならない」とか、「戦争がはじまった。わたしの子ども時代はおわった」とか、読んでいて彼の本音が聞こえるのが嬉しい。

  • ケストナーの自伝的作品。両親の祖先のことから書かれていて驚いたのですが、両親のバックボーンをしっかりと記すことによって、その両親から生まれて愛された自分のことを描いています。
    母の愛とたくましいばかりの活力、そしてそれを受け取る側の心情はケストナーの他の作品に色濃く投影されているのでしょう。何か大きな事件が起こる訳でなく(時代背景として大きな波がありますが)淡々と書かれているかに見えて、ユーモアとペーソスがふんだんに散りばめられていて面白かったです。またレムケによる挿絵がなんとも素敵なんです。作品世界を広げてくれます。

  • なんと言ってもお母さんのパワフルさ、ケストナーへの愛情、そして胸に秘めた悲しみ。天才ケストナーはお母さんの汗と涙の結晶でした。
    これを読んでからエミールシリーズを読むとまた印象が違いそう。

  • ケストナーの自伝的作品。今までの物語に比べると話が分散していてちょっととっつきにくい。でもそこをただの昔話を語るだけにすませないのがやっぱりケストナーのすごいところ。

  • 資料番号:020190484
    請求記号:943ケ

  • 図書館より。

    ずいぶん長いこと借りていたけどようやく読了。
    ケストナーは、教職課程のときに先生に薦められた「飛ぶ教室」でとても読みごたえを感じたので、これも読んでみようというかんじで手に取った。

    子ども時代の思い出を中心に語っているが、最初のほうは自分の先祖や父、母のなれそめや幼少時代あたりからかなり克明に書いている。
    そのうえ、子供時代の話をしているのに、途中でどんどん脇道にそれて、ひとつの話題のなかで、おとなになってからの話や、関係のない話もごたごたとまぜてくるので、正直丹念に読んでいかないと、すっきりと筋があたまにはいってこない。
    何か面白いことが起こるわけでもなくひたすら日常のはなしなので、やや冗長でもある。

    以上のことから、どうも本書は子供向け(児童文学)とされてはいるが、実際には、本をそれほど読まない子なら中学生から、ある程度やさしめの児童書も読みつけて読書スキルのある子でようやく高学年から読んで理解できる、と見られる。

    でも、飛ぶ教室のときもそうであったように、
    実にケストナーの語りには含蓄がある。
    えらそうなことを机上論で語るのではない。
    ケストナーがしみじみと人生や、運命や、世界や、時間や、人間のことについて語るとき、
    そこには自分自身や世界、自然にまじめに真摯に向き合い、対話し、繰り返し考え続けた、地味ではあるがとても説得力のある言葉が並ぶ。
    その言葉に、もうとっくに大人になっているわたしでさえ(だからこそ?)胸をうたれる。

    特に、記憶と思い出についての描写がとても気に入った。
    記憶はモノのように、頭の中の引き出しに収まっていて、
    思い出は、まどろむ生き物のように、からだのあちこちにいるという。
    思い出は時々目を覚まして、勝手にうごいたり、ほかの思い出を揺り起こしたりする、それがからだのあちこちで起こるのだ、という考え方は、とても腑に落ちる。思い出がよみがえることで、身体のあちらこちらがシクシクしたり、ワクワクしたりするのは、そのせいか、と。



    追記:
    「月光航海」
    「卵まだら」
    「軽やき」
    なんていう単語たちにただようかわいらしさ!

  • ケストナーさんの豊かな心、母への愛、それにユーモアたっぷりの文章がだいすきです」

  • クリスマスのエピソードが悲しい。エーリッヒはもう少し反抗してもよかったんじゃないか。

  • 2011年4月16日第16回ブッククラブ : (感想)ケストナーとお母さんの愛情が強い/強すぎ/母の期待や念は大きく ケストナーもそれに応える/これだけ関わって関係が良好なんて珍しい/大変なことがあってもユーモアを持って生きているところに感心した/ケストナーもお母さんも実行力があり 賢い頭の良い人/子どもの頃好きだったお菓子の話が出てきた みなさん好きだったお菓子は?/『飛ぶ教室』の最後クリスマスの場面で家族揃って最高に幸せな様子が描かれているが この本を読むとケストナーにとってクリスマスは「うまくやれるかどうか」不安でドキドキの最悪日だったことがわかる/だから願いも強く最高に幸せな場面が書けたのではないか/両親は不和で冷ややかな関係 息子には溢れんばかりの愛情を注ぐ ケストナーの心痛は大きかった/コードン著『ケストナー』にケストナーの本当の父は医者のツィンマーマン博士とあって驚いた 『飛ぶ教室』にも登場するお医者さんだった/兵役に行く前に母から知らされ 子ども時代には知らされていなかったらしい/このことはケストナーの死後公表された/母を守る 結びつきの強さを感じさせる (後記)もっぱら話は母と子の関係に集中した。

  • 図書館で借りたのですがそのうちケストナー全集は買おう、と決意しました。でも大型図書なので場所がなあ…
    読むのにえらく時間がかかりました。

    大型本なので持ち運びに不向きな為、なかなか読み進められなかったこともありますがお話が色々な処に行ったり来たりして難しい…。それにしても始業式に三角の袋にお菓子を詰めて持ち歩くってどういうことなんだろう…
    それと作中ほんもののコーヒーと書いてあるのですがニセモノのコーヒーってなんだろう…。
    文化と世代が違うとその時当たり前のことがわからなくなるものだなあ、なんて思いながら読みました。

    それでもケストナーとお母さんの愛と友情はいつの世も変わらないものだろうと思います。ちょっとお父さんが可哀そうな面もありますけど…(笑)

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