動物会議 (ケストナー少年文学全集 (8))

著者 :
制作 : ワルター・トリヤー  高橋 健二 
  • 岩波書店
3.73
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本棚登録 : 56
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150582

感想・レビュー・書評

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  • これだ。これが私の読みたかった、私が求めていたケストナー。子どもに寄り添いアイロニーを込めた物語。世界の平和を願い、争いを起こし国境を作る大人たちへの、大いなる皮肉。表題作は世界がこうであれば幸せなのに、と思わずにいられない。オチまで秀逸。後半には詩が収められているが翻訳のせいなのか詩というより短編のような感じ。

  • 単純に、絵本としてのワクワクや優しさが感じられて、好きだなー!
    会議に参加するため、絵本の中の動物達までが本から抜け出してきたり、子どもたちが動物と遊んでいたり!
    夢がいっぱ〜い。いいなぁ。好きだなぁ。ケストナーさん。

    そして。このお話は平和への想いがつめられた、社会的な内容でもある。人間に辟易した動物たちが、子どもたちの平和のために動き出すというもの。考えさせられるものたくさん。
    多くの人に触れて欲しい作品だな。

  • 絵本版http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4001100428と読み比べ。
    他に「腕ながアルツール」と「魔法をかけられた電話」収録。

    動物会議は訳の違いが楽しい。こちらのほうがやや詳しい。
    あちらで(多分ページの都合で)削られていたのは世界情勢の部分。
    大事なところをけっこう削っちゃってたんだな。
    演説部分は特に、こちらのほうがよい。
    条約も、あっちだとそれはどうなんだと思ったけれど、こちらならわかる。
    でも子供のころに読んだらきっとあっちのほうが好きだったと思う。

    残り二編は教訓風味の詩。(でも普通の物語に見える)
    道徳だけど、「動物をいじめちゃだめ」みたいな、イデオロギーによらない倫理。
    教育のための本なのに、どことなくレオポルド・ショヴォーのナンセンスみたいな空気がある。


    冒頭に”子どもと 識者のための本 / イェラ・レプマンの着想にしたがって”とある。
    「子供の本は世界の架け橋」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4772190376
    から引用

     『動物会議』も、ビーダーシュタイン・ハウスで誕生しました。このテーマは私の頭から離れませんでした。失敗に終わった会議の数は、月ごとに増える一方でした。憶えておくのに苦労するほどです。この先、どれだけ多くの不調に終わる会議が待っているのか、わからないのが幸い、というべきでした。
     なぜ人は、今もって、理性によって政治を行うことができないのでしょうか? この美しい星、地球が、自分たちのものだというのに、人間がなにをはじめるのかといえば、戦争です! 子どもたちは、くり返し、戦争で撃ち殺される危険にさらされるのです! おそらく、ここで一度、動物たちにご登場いただいて、その本能と人間の理性とを対峙させてみてはどうでしょうか。ここまで考えたとき、私は、エーリヒ・ケストナーのところに行きました。
     「では、それは、おとなの本、もしくは、おとなの本と呼ばれるものだね?」と、ケストナーは尋ねました。
      「そうでもあり、そうでもなしです。子どもたちの向こうにいる、おとなにまで届けなければなりません。」
     「簡単なことではないね。子どもは、しばしばおとなの本に手を伸ばすが、その逆はまれだからね。」
     「でも、今回はそうなるはずよ。このテーマは、みんなに関係がありますもの。」
     「そうだね」とケストナーはいいました。「まったく、その通りだ。」(p124-125)

    動物たちが「人間はあれだけいろいろできるのに、何をはじめるかといったら戦争だ」と嘆くくだりに“彼女は、いや、彼はいいました”とあるのを見ると、レオポルトはレップマンなのかもしれない。

  • 平和と戦争についてと同時に、今の環境問題にもあてはまるような社会派小説。
    高橋健二氏の翻訳が秀逸。
    同タイトルのカラー絵本もあるが、翻訳者が違う。

  •  ぼくたちだって鳥だよ。でも飛べない……。ペンギンが小さな声で泣き、ライチョウは羽の間に顔を埋める。このシーンが一番好きです。すごくいい。

  • さいごに、アリが動物会議に間に合わなくて、とった行動は…

  • 人間の子どもたちの将来を憂う動物たちが、人間の大人たち(各国のお偉いさんたち)に、戦争をやめるよう働きかけるお話。人間は、これまでの二つの大戦と、数え切れないほどの中戦、小戦で、たくさんの大切なものを失ってきたのに、どうしてまだ戦争をやめることができないのだろう。その愚かさにそろそろ気付いてもいいはずなのに、どうして止めることができないのだろう。世界中の子どもたちのために、戦争をしないという決断をするということは、そんなに難しいことなのだろうか。たくさんの人々が平和を願っているにもかかわらず、どうしてその願いは力を持つことができないのだろう。[2005.1.4]

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