ミオよわたしのミオ (リンドグレーン作品集 別巻 1)

  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150735

感想・レビュー・書評

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  • 繰り返しが多く、昔話調の美しいお話でした。一人の少年が、幸せと不幸を経験して強くなる。そのためには愛が必要なのですね。心が洗われるような作品。そして言葉も美しく、目に見えるようで、主人公の少年と一緒にいる気持ちになって読めました。
    中学年の少し長めのものに挑戦したい初心者さんにはおすすめです。読むのが好きな子なら低学年、2年生くらいでも読めそうです。もちろん大人が読んでも、主人公と共に成長できるように思います。

  • うつくしい物語。
    風景の描写も、でてくるこどもの気持ちも、「歩きに歩き」とかの動作の重複の言い回しも。
    こどもにやさしく、語りかけている感じがする。
    日本語訳でもこんなに美しくて、原語ではどんななんだろう。スウェーデンの言葉はぜんぜん知らない。ユムユムとかミラミスとか、名前からして不思議な響きの、おとぎばなしだなって情緒をかもしてる。

    現実世界では不幸だった主人公が、おとぎの世界に迷い込み、そこでは本当は王子であることがわかり、王である父親の深い愛情に包まれる。ことあるごとに語りかけてくれる、ミオよわたしのミオ、という言葉が少年の寂しく乾ききった心を癒しあたためる。。

    なんなんやろ、この子どもじみた展開?と思わなくもないが、子どもむけなのだ。笑
    そうして幸せに、ほんわか暮らしていた少年は、運命的に冒険に出、おそろしい敵と闘い、とらわれのこどもたちを解放する。きゅうに強い英雄になるわけでもなく、それまでとかわらない弱々しい少年のままに、なぜか木や土や岩や水に助けられ、ピンチには魔法が現れて。
    そーんなウマイ話!いかさまー!、、、なあんて腹も立たないのが不思議。予定調和的に終わるのだけど、それが安心できて幸せな余韻が心にのこる、リンドグレーンの不思議だなあ。

    何年か前に、リンドグレーンの映画を見たっけ。なんだかあれを思い出すわあ。ピッピややかまし村より、この、どこか哀しくて幸せなお話が、あの映画のリンドグレーンに重なった。

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リンドグレーンの作品

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