銀のシギ (ファージョン作品集 6)

制作 : E・H・シェパード  石井 桃子 
  • 岩波書店 (1975年11月26日発売)
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  • 本棚登録 :65
  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001150865

銀のシギ (ファージョン作品集 6)の感想・レビュー・書評

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  • 英国の昔話『トム・ティット・トット』を読んだときは軽い衝撃を受けた。
    ぐうたらで怠け者の主人公の女の子。
    その見事なダメっぷりはそのままで、何故か難事を切り抜けて幸せになる。
    それでいいの?という展開に、笑ったり呆れたり嫌気がさしたり(笑)。
    思えば、他国の昔話にはこの類が相当多い。
    手段など一切問わず、ただのし上がった者勝ち。
    まぁ、古来から日本はそれで外交に苦労してきたんだよね、と妙に納得したりもする。

    ところが、そんな英国の昔話も、ファージョンの手にかかるとこんなに面白くなる。
    主人公の女の子はやはり食いしん坊のままだけど(笑)、こちらは憎めない純粋さと
    優しさを持ち合わせている。
    そんな女の子の名前は「ドル」。
    「ボル」と言う名の妹がいて、こちらはとても好奇心旺盛で勇気凛々、行動力抜群。
    昔話では偶然「小鬼」の名前を知ることになっているが、こちらでは妹の「ボル」の
    勇気ある行動でそれをつきとめる。
    姉の方の「ドル」も、ただタナボタを待つぼんやりした性格ではない。
    ふたり姉妹の生き生きとしたお話になっていて、そこに姉妹の男のきょうだいたちや
    王様の乳母や召使、特に王様の際立った性格が本当に面白くて飽きさせない。
    小さなエピソードをいくつも重ね、それらがみんなユーモラスでテンポが良く、とても楽しい。
    そして「ボル」の冒険部分ではやはりワクワクさせられる。
    たとえお話の中で、勇気のある賢い女の子は思わず応援してしまう。

    ところで、タイトルになっている「銀のシギ」は?
    これがなんとも不思議な登場の仕方で、別れの場面もそうなのだ。
    タイトルになるくらいだから、人間の言葉を喋ったり、ここぞというときに姉妹を
    助けて、事と次第によってはふたりを乗せて飛んだりもするかと思いきや、そんな
    ことは起こらない。
    たぶん、何かしら理解してはいるのだろうな、という存在で、シギはシギのまま。
    しかしその使い方が非常にうまくて、何となく「ボル」の心を支え続けるのだ。
    しかも、このシギの登場するところは詩情豊かで美しい。

    もともとは戯曲としてファージョンは書いたものらしい。
    日本でアニメにしてもじゅうぶん面白さが伝わると思うが、どうだろう。
    ごちゃ混ぜチャンプルーのような魅力があるが、底に流れるものは力を合わせて
    難局を乗り切る姉妹の話。
    あ、でもアニメにしたら石井桃子さんの美しい日本語が伝わらないか。
    じゃ、このままで(笑)。

  • 近くの図書館においてあって、10年以上誰も借りていないけど、祖母が買ってくれた思い出の本。勇気を出して借りてきた。

    幻想的で美しいシギと月の世界、どたばたと騒がしい王様や家臣たち、こざかしい悪魔の存在感、末の妹の行動力、美しいハーモニーになって、生きてることへの喜びが伝わってくる気がする。

  • 持ってるのは阿部知二さんの訳だけど、なかったので。
    小さな頃「ねり粉だんご」にどんなにモチモチしてるのかと夢はせました。
    違う人の訳で「ダンプリング」だったとき、夢の食欲消えました。

  • 「ブックリサイクル」でGET

  • 物語もいいけど挿絵が好き。

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