- Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001151299
感想・レビュー・書評
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その何月号かは忘れたが、「母の友」の『子どもと一緒に笑った本』の中の一冊として紹介されていたのも納得の絵本で、おそらく、ドラえもんに登場するのび太くんだったら、間違いなく欲しがりそうな、必要最小限の動きだけで、後は機械が色々とやってくれる、ひみつ道具ならぬ、電気仕掛けの全自動式ハウスが登場します。
その家に住む「トミー・ナマケンボ」は、寝ることに至上の喜びを感じるような無精者で、その日の朝も太陽の光で窓敷居が温まると、彼の寝ているベッドが動き出し、最初は真上に上がり、そこから徐々に傾いて行くと、まるで懐かしのお笑いどっきり番組を彷彿とさせるような、布団から滑り落ちて、そのまま風呂に飛び込む彼の姿が見られます。
その風呂もただ入っているだけで洗ってくれた後はまた傾いて、お湯もろとも床に開いた穴から、下の乾燥室へと流されると描写されているけれど、私には落とされているようにしか見えない、やや雑な扱いが面白い。
その乾燥室では「うきわ式ささえベルト」なるものが、トミーを真っ直ぐ立たせてくれる中、四方八方からの温風で乾かした後、今度はそのまま歯を磨いて髪の毛を梳かしてくれるが、この時点で既に彼はくたびれたそうで、どれだけものぐさなんだよ、君は(笑)
その後、彼はまた落とされるのだが、今度は落ちていくだけで着替えができるという、お笑いのネタのような現実味の薄い絵が却って面白く、下へ落ちていきながら、パンツ、ズボン、靴下、靴の中へ、ぴったりとおさまっていくのは確かに凄いとは思うが、傍目には何かの実験台にされているように見えなくもない姿に、どこか滑稽さを感じさせるものがあります。
そのまま車付きの台で食堂に移動しながら、うまい具合に上から落ちてきた服が頭に被さって着替えが完了したら、いよいよ食事タイムとなるが、これがまた雑すぎて・・・まるで人間へのそれでは無いような与え方に、トミーよ、本当にそれでいいのか!? と、思わず言いたくなってしまう。
その気になれば、何だって自分の好きなようにできてこそ、生きる楽しさというのはあると思うのに、まるでそれら全てを他人に委ねるような姿に、自我というものを全く感じさせないトミーの生き方は、私だったら窮屈で嫌だなと感じてしまい、食事にしたって、いつも同じメニューじゃなくて、たまには違うものを食べたくなったり、食事の仕方にしても、自分でそのペースや順番を決められるからこそ、日常生活にもささやかな喜びがあるのだと思うし、着る服だって自分で選びたいし、自分の体くらい自分で洗えよと思った、そこには自分のやりたいことをやっているようで、実は自分のこと労ってないなと感じさせるものが・・・って、ごめんなさい、子どもと一緒に笑った本でしたね。
その最大の笑い所なんですけど、実はこの後に待っていて、まあ一通りざっと見ているから、これは子どもにとっては面白いですよね。無意識に最初と比較しているのだから。
その様子をゲラゲラ笑って面白かったなでもいいんですけど、このようなお話の終わり方の場合、のび太くんならば大抵泣いてしまうところを(もちろん彼にも良いところはありますよ)、トミーはちょっと違った。そこにまだ可能性があるような気がして、最後の彼の言葉に子どもたちが何を感じるのか、とても楽しみです。 -
ものぐさでやりすぎなところに大ウケ。
食べる量とか、自動装置の技術とか、筋肉衰えるとか、色々あり得なくて気になるけど、そんなことを気にするのはナンセンス。
せこいことをしていても、結局は自分に返ってくるんだよ、ということ。 -
2023.7.13 3-1 ち
11分くらい -
絵のタッチが可愛い。
ものぐさな、トミー・ナマケンボの暮らしを描いた絵本。名前からしてもぅすでに、ものぐさ笑
もぅ、やりすぎ…と呆れちゃうほど。
楽は楽だと思うけど、、ほんとにそれ楽?
と心配になるほど。
これを読んでいて彼の生活をいいな~とは思えず。逆に自分で出来ることの有り難さを感じた。。
でも最後は、ハプニングを経て自分の力でやらないと痛い目をみることを学び、心を入れかえたトミー・ナマケンボ。
最後の一行には、
彼の本心からの叫びを感じました。笑
読んでいる間、
うそぉ〜、え〜、あーあ、ほらー、だよね、、そりゃそーなるよ〜と、心の中の叫びが最後まで止まない一冊でした。
面白かったです。笑 -
トミーはとっても”ものぐさ”な男の子。
だから勝手にお風呂に入れてくれたり、ご飯を食べさせてくれる電気じかけの家に住んでいるよ。
ところが、停電が起こったからもう大変!
機械が暴走して大変なことに…!?
こんなお家にあなたは住みたい…?笑 -
人間の未来を暗示しているような。機械が壊れてめちゃめちゃになってしまうところでは、笑いながら、一度動かしたら止められない原発のようにも感じられた。
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小学生の頃、学校の図書館で借り、何度も何度も読んだ思い出の本。30年の時を超え、再会。1977年に日本で出版された本ですが、現代を生きる我々に警鐘を鳴らすかの内容… 驚きました。
娘はこれを読んで、何か思うところがあったようです(笑) -
「学校から家までベルトコンベヤーがあるといいのに」とブツブツ文句言うものぐさ子どもたちに。トミーが大変なことになる後半がバカウケ。
すべてオートメーション化していると応用がきかない、電力頼みの生活の危うさ…大人にもなかなか味わい深い。 -
大笑いするぐらいおもしろかった!
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少しは動かないと、
絶対ふっとっちゃうー!!!!
コメントありがとうございます(^^)
羨ましいですか(^_^;)
実際の絵で見てみると、また印象が変わるかもしれません...
コメントありがとうございます(^^)
羨ましいですか(^_^;)
実際の絵で見てみると、また印象が変わるかもしれませんので、機会があれば、是非。
それから、最後は気になりますよね。
「母の友」のこういったテーマで紹介されていたくらいなので、フィクションとして割り切れれば単純に笑って楽しめるのですが、現実的な視点で見ると、人間と機械の決定的な違いを思い知ったりと、ある意味、人間の方が万能なのかもしれないと感じさせてくれました。
今も誰か自動的に風呂入れて髪乾かして布団に転がしてくれないか‥と思いつつウダウダしてます。絵を見たらギョッとするんでしょうね笑...
今も誰か自動的に風呂入れて髪乾かして布団に転がしてくれないか‥と思いつつウダウダしてます。絵を見たらギョッとするんでしょうね笑
母の友での紹介を覚えてないのが残念ですが、本書読んで自力でがんばる良さ?を噛み締めたいと思います。
ウダウダしたくなるお気持ち分かります!
梅雨が明けて、こうも暑くなると読書にも身が入らず、週末までの仕事の疲れも加わる...
ウダウダしたくなるお気持ち分かります!
梅雨が明けて、こうも暑くなると読書にも身が入らず、週末までの仕事の疲れも加わると、つい横になって、ウダウダダラダラしたくなります(^_^;)