ぞうさんレレブム (岩波の子どもの本)

  • 岩波書店 (1978年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784001151374

みんなの感想まとめ

他者と違う自分を受け入れることの大切さを描いた物語で、青いゾウのレレブムが主人公です。彼は灰色のゾウになりたいと願い、さまざまな試みを重ねる中で、自分の色を嫌悪し、悩みます。しかし、物語が進むにつれて...

感想・レビュー・書評

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  •  ビネッテ・シュレーダーの文と絵による、ウィキペディアで調べたら、1973年発表らしい本書は、これまで見てきた彼女の幻想的な美しさとは全く異なる、デザイン性の高い精巧さと、ほのぼのとしながらも大切な普遍性を兼ね備えた、絵本としての完成度はあると思いながら、戸惑いを感じたことも確かであった。

     しかし、それが却って、彼女独自のシュールな絵柄に馴染めない方にもお勧めできるといった利点もあり、その限られた色による、計算されたシンプルさに可愛らしさの合わさった、分かりやすい切り絵風の絵は、子どもへの読み聞かせとして、そこに含まれたメッセージも含めて、最適だと思う。

     象というものは、みんな灰色であることを誰もが知っている中、「レレブム」は尻尾の先まで真っ青な特別な存在ではあったが、ある日、他の仲間たちのような、灰色の普通の象になりたいと願うようになる。

     そこでレレブムは、餌を変えてはどうだろうということで、緑色のものだけを食べてみたら、灰色ではなくて緑色になってしまい、悔し紛れに、今度は白いお花を片っ端から平らげたら、今度は・・・って、分かりやすい展開ながら、ここの描写は見方によっては、シュールに思われて、絵柄は変われど、シュレーダーらしさは残っていた嬉しさがあったものの、体の色が変わる度に涙を流すレレブムには、思わず同情の念を抱いてしまう。

     しかし、たとえ体が何色であっても、唯一レレブムには変わらないものがあることを私は知り、しかもそれは決して噓を付けない、心の内の気持ちを素直に感じ取れる宝石でもあり、そこから自分を取り戻す姿には、改めて誰もがそうした見えないところに宿った、不変的で大切なものを持っていることを実感させられて、やはり見た目ではなく、大事なのは中身だよねということを教えてくれた。


     市の図書館から取り寄せて借りた本書には、訳者矢川澄子さんによる解説付きの小冊子が付属しており、それによると、この絵本を思い付いたのは、まだシュレーダーが学生時代のことだそうで、デビュー作は「お友だちのほしかったルピナスさん」であるものの、もしかしたら、真のそれはこちらかもしれないと思うと、そのシンプルさにも納得出来るものがあった。

     また、彼女の全ての作品の共通点として、幼児に父を戦争で失い、孤独なひとりっ子として育った彼女の体験がどこかで息づいているのかもしれないことがあるそうで、そういえば、上記の「ルピナスさん」も、少女が二人の新しい友だちと一緒に散歩するつもりが、いつの間にか奇想天外な冒険になる話だったなと思い返し、そんな彼女の個人的な気持ちが、もしも作品に込められていたのであるのならば、こんなに嬉しいことはないなと感じられた、それは絵本作家自身の心に秘めた思いに触れたことで、より私の心を動かされる素晴らしさである。

  • 小さくて短いお話ですけど、実は私はこの絵本に救われたことがあります。

    自分に自信が持てなくて、くよくよ悩んでいた時期。
    この小さい絵本が、「あなたはあなたでいいんだよ」と言ってくれたような気がしました。
    たとえ誰かに否定されたって、意見が違うことがあったって
    自分は自分、と思えればそれでいいんですよね。

    人間って人と違うと不安になったり、逆に自分と違う人を差別したり
    どうしてそんなに弱い生き物なんでしょうね。
    それはもともと群れで生活していた習性からなのかしら。

    レレブムも、他のゾウと違う自分の青い体の色を嫌悪していました。
    他のゾウみたいに灰色になりたい。
    あれこれ試してみるけど、最後にレレブムが気付いたことは…。

    よく小さい子が何かをねだるときに「みんなも持ってる」っていう、あれと似ているかも。
    大人になるにつれ、「みんなと違う」ことの方が
    はるかに素敵なこともあるって気がついたりするんですけどね。
    子供のうちは(精神的に、という意味も込めて)、それがわからない。
    だから群れてしまうのかな、と思います。

    言っときますけど、群れることは決して悪いことじゃないです。
    群れの秩序を守ってひとつの社会を守ることは大事なことでもあります。
    でも、その中にいてもしっかり自分を見失わないこと。
    他人も自分も否定しないこと。
    レレブムはそのことに気付いたんだと思います。(たぶん)

    時々私は自分を見失いそうになるけど、そんな時はこの絵本をそっと開きます。
    自分は自分。
    そう言い聞かせながら、私は今日も生きています。

  • かわいい絵本だなあ。色遣いも素敵。
    これは声に出して読んだり読み聞かせを聴いたりして、音を楽しみたい本。そして内容では、「違い」の大切さを学べる。

  • 青色ゾウのレレブムは灰色のゾウになりたくて…。

    【ママ評価】★★★
    とてもリズミカルな文。
    文字数を優先していると感じるくらい。
    詩のように読める。
    絵はシンプルで、単色のハッキリとした色が印象的。
    色の話なので、濃いめの色が話とリンクして印象に残りやすい気がする。
    絵は北欧のような雰囲気で素敵だけど、文がリズミカルすぎて絵やストーリーより文の音数(文字の数)が気になって仕方なかった。
    割とよくある感じのストーリーだけど、全体的に平和でハッピーエンド?なのが良かった。

    【息子評価】★★★
    反応はまあまあ。
    もう少し幼い頃はぞうさん大好きだったから、ぞうさんが出てくればある程度反応が良かったけど最近はそうでもない。
    あまり感想も言わずに終わった。
    3歳2ヶ月

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    岩波の子どもの本

    ぞうさんレレブム

    文・絵:ビネッテ・シュレーダー
    訳:矢川澄子(やがわ すみこ)

    1978/09/21-1
    1992/06/10-2.

  • 2010/12/1

  • 青いぞうのレレブムが体の色をかえようと奮闘する様子がほほえましいです。

  • 生まれたまま、あるがままが一番いいんだよねー

  • 色味の暗い本だけれど、物語の本質は深い。
    他者と違う自分の特性に悩みながら、最後には自分自身を受入れるお話。

  • 一見、暗い印象を持たれかねない絵ですが、その発色とシンプルなデザインはどこかひかれるものがあると思います。言葉の運びにはリズミカルな部分が感じられますが、欲を言えばもう少しなめらかだといいなぁと思いました。

    周りのぞうははいいろ。だけど、レレブムはあおいろのぞうです。みんなと違うのが嫌で、みどりのものをたべたり、白のものを食べたりそれはまるで自分の居場所を一生懸命探しているかのよう。

    わたしたちも普段色んな顔を持っている。家族の中でのかお、外に出た時のかお、友人と接する時のかお…。
    どれが自分にとって居心地が良いと感じられる場所か?それは、試行錯誤しながら見つけていきます。

    レレブムの色探しは、そんなわたしたちと重なる部分がある気がしました。

    最後には元通りのあおいろになったレレブム。それはきっと自分が心地よいと思える場所を見つけた冒険の旅の終着駅。

    わたしがそう感じられる色はさて何色なんでしょうか。

  • 自分が自分であることを受入れるのは
    難しいのかもしれない。
    あおいぞうがいたって
    みどりのぞうがいたって
    しろいぞうがいたっていいじゃない。

    単純な言葉、単純な絵、
    なのにとても豊かな絵本。

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著者プロフィール

絵:ビネッテ・シュレーダー(Binette Schroeder)
1939–2022年。ドイツのハンブルグ生まれ。絵本作家、画家、イラストレーター。1969年『お友だちのほしかったルピナスさん』(邦訳版1976年/岩波書店)で絵本作家としてデビューし、BIB金のりんご賞を受賞。主な邦訳作品に『こんにちはトラクター・マクスくん』『ラ・タ・タ・タム ちいさな機関車のふしぎな物語』『ぞうさんレレブム』『ラウラとふしぎなたまご』(以上すべて岩波書店)などがある。エンデとは古くからの友人で、『影の縫製機』のほかに『満月の夜の伝説』(岩波書店)などを共作している。

「2026年 『影の縫製機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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