オリエントの冒険 (ミス・ビアンカシリーズ 5)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001152555

感想・レビュー・書評

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  • 今回のミス・ビアンカは少し退屈していました。
    囚人友の会の活動が、どうにも自分たちの特になるようなものに傾いてきていて、本来の活動から離れてきていること、自分たちの得になる活動の方に傾いているのではないかという多少不満なのです。

    そんな時、オリエントの大使の飛行機でやって来た蛇から、王妃の気まぐれで死刑にされる少年がいることを知ります。
    今回ミス・ビアンカは個人として救出に向かいます。
    もちろんバーナードは彼女を守るためについていきます。

    この二人(正確には二匹)の関係性がとてもいい。
    お互い好意を持っていることを自覚しながら、貴族に飼われているミス・ビアンカと町ねずみのバーナードという越えることのできない階級差ゆえ、一歩を踏み出すことをしない。
    感情のままに結ばれたとしても、決して幸せになれないだろうことを二人(二匹)は知っているのだ。
    だからと言って、いいお友だち関係を続けているのは、偽善ではない。
    児童書なんだけど、ストーリーとは関係ないんだけど、いいよなあ。

    それはさておき、今回の冒険はちょっと手ごわかった。
    何しろ、死刑にされるという少年が見つからない。
    誰に聞いてもそんな人はいないという。
    しかしそれは、気まぐれな王妃から罰を与えられないよう、何かを見てもすぐ忘れるようにしないと、王宮では生きていけないのだ。

    死刑は、象に踏みつぶされるというもの。
    事実を知ったミス・ビアンカは象と話しあうために、王宮を抜け出るのだった。

    今回、気まぐれに人の命を奪うような王妃は、懲らしめられることも反省することもなかった。
    だけど、ミス・ビアンカの力になってくれた人たちのことは、きちんと逃がしてやったのだ。
    王宮の侍女たちも、囚われていると言えばそうなのだから。

    そして、死刑にされるはずだった少年と侍女頭のふたりについても、きちんと過去の冒険で知り合った人たちのところで安心して過ごせるように手配したのだった。
    凄腕だな、ミス・ビアンカ。

  • ついにイギリスを飛び出して、オリエントまで行ってしまいましたねえ。
    こういうシリーズはだんだんネタがなくなってくると突拍子もない場所に舞台を移すんですよね。前回で中だるみして読むのを考えたけど、意外と面白く読めました。思い切って場所を移したのがよかったかな。
    子どもは展開がわかっている方が安心して読めるから、こういうミスビアンカシリーズは楽しめると思います。

  • 2011.9.8〜.11
    時間がなくて、なかなか読み終わらず。シリーズの中で、これはあんまり面白くないかなあって感じだけど、それは続けて読んでるからで、これだけなら十分面白いと思う。

  • 今回の冒険では、オリエントからやってきたヘビのアリに聞いた、次の満月にゾウに踏み潰されて処刑されるラニーに使えている給仕の男の子を助けるべく、飛行機に忍び込んで飛んでいきます。回を追うごとに、ミス・ビアンカの行動力は高くなり、勇ましくなっていくような気がします。これまでの話の中でこれが一番好きかも。

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