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Amazon.co.jp ・本 (96ページ) / ISBN・EAN: 9784001155792
みんなの感想まとめ
子どもの視点から描かれる思春期の揺れ動く心情が、深く共感を呼ぶ物語です。主人公の女の子は、友達や社会との関係の中で感じる切なさや成長を通じて、優しさや逞しさを見出していきます。作品は、子ども時代の思い...
感想・レビュー・書評
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小学中・高学年向け
アメリカの田舎町の小学校。ワンダ・ペトロンスキーは、教室で一番きたなくて乱暴な男の子たちのいるような席に座っています。
ワンダはいつも同じ青いワンピースしか着ていないし、貧しい人たちの住む家から遠い道を通ってくるので靴も泥だらけだし、教科書を読むことは苦手だし、何と言っても変な名前。ペトロンスキー?
他の女の子たちは、新しい服を買ってもらったり、お母さんに縫ってもらったり、バレエを習ったりしています。
ある時、みんなでクラスメイトの新しい素敵な洋服を褒めているとワンダが言うんです。
「わたし、うちに、ドレス百まい、持ってるの。」
何を言ってるの!?女の子たちはワンダを笑います。その日からずっと女の子たちがワンダに「あなた何枚ドレスを持ってるの?靴は何足持ってるの?そんなに持ってるのに着てこないの?」とからかうのが日常になりました。
いちばんからかうのが、クラスでもお金があり頭の良いペギーです。でもペギーと仲の良いマデラインは「私も貧乏だから、私のこともそう思ってるのかな…、でもワンダがいじめられなくなったら、今度は私がいじめられるのかな…」って考えてしまいます。マデラインはペギーが大好きで仲良しですが、ワンダをからかうのは「嫌だな、やめてくれないかな」と思います。でも言い出せません…。
物語の中盤で、ワンダの持っているという「百まいのドレス」が何のことなのかが分かります。
しかしワンダと家族は都会に引っ越していきます。このときの父親からが学校に手紙を出します。
「都会なら、ポーランド人の名前をからかわれることもないでしょう」
この手紙に、ペギーや、他のクラスメイトも、「自分たちってワンダに意地悪していたの?だってワンダが嘘をついていたと思っていたんだし、ワンダは泣いていないから意地悪じゃないよね?」なんて考えます。
そしてマデラインとペギーは、なんとかワンダに気持ちを伝えたいと思います。
その気持はちゃんと通じ合います!
マデラインは、ワンダとはもう会えないけれど、この先誰かが自分の前でからかわれていたら、もう黙って見ていたりしないって誓うのでした。
大人からすれば貧困移民家庭だって分かるし、残念ながら引っ越した都会でもうまくやってるかんじもあまりせず…ただワンダの素敵なセンスがこの後彼女を助けてくれると良いと思う。
この話の物語は100年程前ではありますが、現代でも十分通じると思うんです。諸学校クラスに外国語児童がいて当たり前になりつつあるといっても、やっぱり言葉が通じないことの齟齬ってありますすよね…。
そして石井桃子さんのあとがきもとても素敵!!
外国では戦争中であっても子供向けのこのような素敵なお話が書かれていた。そして日本でも、戦時中に公開はできなくてもこのように美しいものを集めていた人達もいる。
戦争が終わり日本でも少年少女たちに素敵なお話を届けようと岩波文庫が子供向けレーベルを刊行した。
<未来をになう若い人たちに、心の糧となるような豊かな文化を、ぜひとも伝えたいと願っていました。P88>
そうそう、物語は心が豊かになる。子供にはやっぱりお話を勧めていきたいなあ。そして自分もどんどん本を読まなくちゃ。
そして本を届けてくださる皆様への感謝を改めてお伝えしたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何を今更の児童書の名作。
1954年「百まいのきもの」というタイトルで石井桃子さんの訳で出されたものを、再訳して2006年に世に出したのがこちら。
石井桃子さんはその年100歳。どのような思いを込められたか後書きで語られている。
私と同じく、子ども時代に旧訳の方を読んだという方が多いかもしれない。
時の流れで「きもの」は「ドレス」になったが、言葉の優しさと話の切実さは変わらない。
学校内で起こる虐めを、つい加担してしまった少女の目線で語っている。
虐めのターゲットは、ポーランド移民のワンダという女の子。
みすぼらしく目立たないワンダが「家に百枚のドレスがある」と発言したことで、女の子たちの執拗な虐めが始まる。
過激な表現こそないが、どんな動機で虐めが始まったか、その歪んだ理屈や心理と結末まで、丁寧に描かれている。
マデラインという主人公の女の子は、傍で見ていて何も言えず何も出来なかった自分を、ワンダが去った後で強く反省してこう決心する。
「黙って見てなんかいないこと」
一筋の希望を感じるラストだが、ことはそう簡単ではない。
虐めの張本人だったペギーという少女はあっけらかんとしているからだ。
人の心の中には、誰かを虐げて喜ぶ部分があるのだろうか。
デフォルトとしてあるのならば、ユーザーは変更して防がなければならない。
ではどうすれば?私は考えずにいられない。
教育にそれがあると信じるひとは、このような本を読んで話し合ったりするのだろう。
だが現実には、罪悪感のかけらもない人というのは存在する。
その見分け方と対処の仕方を説いた本も数多い。
「相手の身になって考えろ」と言われても、未経験のことは想像さえ出来ないものだ。
教育の最大の課題はそこかもしれない。
人を傷つける大人になってほしいなどとは、誰しも思わないだろうから。
戦後9年という頃に、このような作品が出ていたということに、あらためて驚いてしまう。
もしかしたら自分も知らずにやっていたかもしれないと、ふと自らを振り返ってしまう。
胸がざわつく話のようだが、虐められた側が手を差し伸べるラストは涙が滲むほど爽やかだ。
ちなみに、ワンダの「百枚のドレス」は本当の話で、後半綺麗な挿絵であらわれる。
児童書のカテゴリーに入るが大人にもおすすめ。
子どもたちには、マデラインのメッセージがしっかり伝わることを願う。 -
子どもの頃、大好きだった作品。
私も何枚も何枚もドレスの絵を描いたなぁ -
以前研修で図書館司書(本職の!)方が、「手紙」というテーマでブックトークをして下さった時、リストに入っていた一冊。
小学2年あたりでガマくんとカエルくんの「お手数」を国語でやるのだったか…その絡みでこのテーマを選ばれたように記憶している。
切ないながらも思春期の入り口の女子社会の現実を、ある子どもの目を通して書かれている。子どもの揺れ動く心、逞しさ、優しさを感じ、大人にありがちな固定的な見方を改めさせられるそんなお話だと思う。 -
百枚のきもの、の改訂版です。
同じ作者で挿絵で翻訳者の、内容はほぼ同じ本なので、2度読んだことになります。
しみじみした挿絵とお話でした。 -
小学4年生の時に初めて読みましたが、その何とも言えない切なさ、さみしさ、そして最後の場面のほんのりと立ち上る暖かさ、みたいなものがとても印象に残り、大人になって購入しました。
「百まいのきもの」と「百まいのドレス」両方持っていますが、挿絵が左右対称なのが面白いですね。 -
終わり方がしみじみ。追いやられた側が思いやりを差し出す。いじめられている子どもの挙動、いじめている側の子どもの心理を丁寧に描いている。好悪、善悪の感情を交えていないかのように。あと、ルイス・スロボドキンの挿絵が素晴らしい。提示のタイミングも。下手な感動作ではないが、考えさせられる良作。
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再読。
やはり一気読み。 -
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「わたし、100枚ドレスを持っているの」。いつも同じ服しか着ていない、勉強もあまりできないクラスメイトがそう言ったら、「本当?」って詰め寄りたくなる。女子あるあるの物語が、100年前に書かれていたというのに驚きました。いじめる子の親友という立場から見る「いじめ」の顛末。失敗から学んでいく姿が良いです。
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貧しく、名前がヘンだと思われている移民のワンダ。クラスの女の子が素敵なドレスを着てきた日に「100枚のドレスを持っている」と言った時から、彼女に対するいじめが始まりました。率先していじめたペギーの親友のマデラインは良くないことだとわかっていても、黙って見ていましたが、ワンダのことが気にかかっています。やがてふいにワンダは学校に来なくなりました。彼女が休む中、学校ではドレスのデザインのコンクールがひらかれ……
どの時代、どこでも起こってしまう差別・いじめについて、細やかな心理描写で描いており、共感と共に考えさせられる1冊。書かれてから時が経っていても、文化の異なる外国で書かれていても、共感を持つということは、いじめというのは厄介なことに人類的に普遍の問題だということ。でも、こうして読み継がれているということは、その問題を解決したいと希求する人々も多いということでは、と思います。
マデラインは人を傷つけた経験から「これから、何にもいわずに、そばでだまって見てなんかないこと」と言っています。現実には難しいことも多いでしょうが、やはり、この心がけが人類共通の問題を解決する第一歩。 -
誰かを傷つけると自分も傷つく。引きずる。一度してしまったことは無かったことにはできない。そういう苦い経験をして心は育っていく。
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このお話を読んで考えさせられたのは、
人を批判するより
自分がどうあるべきかということ。
自分をきちんと持っている人でいたいな。 -
同級生の好奇の目にさらされ、日々からかいを受ける移民の子ワンダ。心ならずもからかう側にまわってしまい、落ち着かない日々を過ごすマデレイン。「無意識の差別」がこの本のテーマだ(と思う)。マデレインの心情を丁寧に描いたことと、たいへん印象的な百枚のドレスのエピソードの効果で、通りいっぺんの教訓話とは違う仕上がりになっている。が、この本を教訓的にならずに子どもに手渡すのは至難の業だ。いっさい口出しをせず、感想も求めないくらいの配慮が必要だと思う。小学校中学年になれば自分で読めるだろう。が、楽しみの要素がまったくないこの本を、その年頃の子に薦めていいものかどうか、ちょっと難しいところである。中学生とか高校生のほうが読者として適切な感じがする。ラストは顔を合わせない和解。物語に一定の結末をつけながら、完全な和解でないぶん心を残し、かえって印象的だ。たいへんうまいと思ったが、そこも小さい子向けでないと思う理由のひとつであったりする。ホントは、こういう話、ちょっと苦手…。
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途中で100枚のドレスの正体というものは何かはわかるのだけれど、素敵なお話です。すごくスッキリするわけではなくなんともいえない気持ちが残るのだけれど、それも読書の醍醐味でしょう。中学年以上からかな。挿絵もよい。
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2015年、娘へのクリスマスプレゼント。サンタより。9歳5カ月。
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「だまって見てなんかいないこと」という決意。
自分が何をしたのか、
あるいは何をしなかったのかを考えること。
できてるつもりの大人は多いだろうけど、
すごく大切な事。
とくに今はそれをしっかり意識する必要がある時だと思う。 -
★★★★☆
いじめてしまった側からの視点で物語が描かれています。ある日、ふっつりと学校に来なくなった女の子。そのことに気付いたのは、彼女をからかおうと、通学路で待ち受けていた二人の女の子だけでした。
自分たちの行動を振り返り、いじめられていた子の心情を思いやり、はっきりとは書かれていませんが、赦しがあることで、読者もほっと本を閉じることができる。
人種的な差別問題を扱っています。
ルイス スロボドキンの挿絵もやさしくて、よいですね
(マッキー) -
凡そ子供だったことのある人なら、彼女らのどの小さな心の動きにも共感できるのではないだろうか。どの子も私、あなた。
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