月光のコパン

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 28
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001155808

感想・レビュー・書評

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  • いきなり三毛ネコのコパンが襲われるシーンから。なぜ襲われるのか分からないまま、ファンタジー的な場面転換で話が進んで行く。私はあまり好みではないものの、これは不思議の国のアリスやくまのプーさんのような世界観で、凄いお話だと思った。こういうお話は自分で読むより、自分で読めるよりちょっと前の段階で読んでもらうととても面白い本になると思う。そもそも漢字や文字の大きさ的に高学年向けに作ってあるしね。
    でも、現在品切れのようで、図書館で出会う本になってしまっているようです。

  • まっすぐにおもしろかった。

    ぽっぺん先生の舟崎克彦さん、最新作(岩波書店,2007,01,25)。

    追われる三毛猫の冒険譚だ。そう言ってしまうとそこで終わってしまう。

    が、終わらせたくない。どうやらこのものがたりが始まる前にも様々な動物たちと出会ってきたらしい。だが、生い立ちや氏素性となると、とんと分からない。ただ、珍しいオスの三毛猫。猫は自分の意思で生きてきた(?)。

    ものがたりは辿り着いたホテルで束の間の休息を取るところから始まるが、が、休息どころかそこにクモザルの追っ手がやってくるところから急速に動き出す。

    三毛猫は実に奇妙な動物たちと出会う、"春秋貝"を諮問するラッコ。職人カモノハシ。郵便配達夫のアルマジロ。花言葉を集めるハクビシン。一匹の(記号を持つ)ミツバチをさがすヤマアラシ。養蜂家の灰色熊、そして…

    奇想天外な冒険は、奇想天外な結末を迎える。

    小学生高学年向きの本らしい。
    夢中で読んでしまった。わたしの頭の程度は小学生高学年だ。

  • 昔読んだんだけど、ちょっとした待ち時間に、ちょうどよく再読。やはり、舟崎克彦すごい、いいなあ、いいなあ。不思議の国のアリス的な、言葉を巡るイメージへのこだわりからくる、脈絡なく夢の連鎖してゆくような、自在なイメージの奔流。主体意識の反転、底なしの不定形な世界のかたち。きちんと、ほのかなブラック、恐怖を孕みながら鋭くアフォリズム、同時にすっとぼけた味わいの、独特のナンセンスファンタジー。ぽっぺん先生シリーズでホレこんだ独特の世界イメージ、これだ、これだ。夢の中の手触りのような。…芸術性の高いアニメーションになりそう。つくってほしいなあ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「独特のナンセンスファンタジー。」
      懐かしいなぁ~舟崎克彦と言えば「ぽっぺん先生」と「トンカチと花将軍」。こんな風に面白い話って日本の童話で...
      「独特のナンセンスファンタジー。」
      懐かしいなぁ~舟崎克彦と言えば「ぽっぺん先生」と「トンカチと花将軍」。こんな風に面白い話って日本の童話では他に無かったように思います(記憶が美化されている気もしますが)、、、
      「月光のコパン」読んでみようかな。。。
      2013/02/15
    • yamamomonさん
      ぽっぺん先生より少しブラックの勝った少しだけ大人びた味わいですが、あの味わい、舟崎克彦ワールド面目躍如!…ぽっぺん先生大好きだったんです。ぜ...
      ぽっぺん先生より少しブラックの勝った少しだけ大人びた味わいですが、あの味わい、舟崎克彦ワールド面目躍如!…ぽっぺん先生大好きだったんです。ぜひぜひ!
      2013/02/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぽっぺん先生大好きだったんです。」
      そうなんですねぇ~
      猫が主人公なので、近々読む予定です!
      「ぽっぺん先生大好きだったんです。」
      そうなんですねぇ~
      猫が主人公なので、近々読む予定です!
      2013/03/28
  • あっ!という間に終わってしまいました。残念。

  • 舟崎ワールド全開。
    結末が弱くて、せっかくの不思議な世界がまったく宙ぶらりんで終わってしまっているのはもったいない。

    2007/02/18

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著者プロフィール

舟崎克彦  東京都生まれ。学習院大学卒業。白百合女子大学教授。「ぽっぺん先生」物語シリーズ(岩波書店)で路傍の石文学賞、『雨の動物園』(岩波書店)で国際アンデルセン賞を受賞。作品に「日本の神話」シリーズ(あかね書房)他多数。

「2013年 『クレヨンマジック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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