13歳の沈黙 (カニグズバーグ作品集 9)

制作 : E.L. Konigsburg  小島 希里 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 84
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001155990

感想・レビュー・書評

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  • 出てすぐに原書で読んでから13年、初めて翻訳で読んだ。おもしろかったのはおぼえていたけど、筋も完ぺきに忘れておりました。
    これまでずっと12歳を描きつづけてきた作者が、初めて(たぶん)13歳を描いた作品。このあたりの1年ていうのはとても大きくて、だから初めて思春期らしい異性への恋心などがあつかわれていて興味深い。

    秘密というのは、カニグズバーグ作品のなかでは、「それを持ち、自分のことを理解してくれる少数の人と共有することによって、自分が自分らしくいられる」というポジティブな価値を持ったものとして描かれてきたけれど、ここでは秘密の危険が描かれている。ブラウンウェルを奈落の底につきおとし、言葉さえもうばってしまった秘密。でもコナーは、自分とブランウェルが似たもの同士であることに気づいていて、友人の気持ちがわかるから、粘り強く彼のもとに通い続けて、薄紙をはぐように心のバリアをとりのぞいていく。その過程がみごと。

    ところでコナーがカードの使用を思いつくきっかけとなった本のタイトルが『飛びこむ鈴と蝶々』となっているけれど、これは『潜水服は蝶の夢を見る』http://booklog.jp/item/1/4062088673でありましょう。映画にもなっています。なぜ「飛びこむ鈴」になっちゃったのかというと「diving bell *n. 【海】 潜水鐘((しよう)) 《初期の水中作業具》」のせいだと思われるけど、もし現実にある本の邦題を出さないことにしたのだとしても、せめて「潜水服と蝶」とでも訳さなければ意味の通らないところなので、ちょっと誰か気づいてほしかったなあというのが正直なところです。

  • カニグスバーグを読んで、自分で自分を守り切れなかった幼少から思春期の自分を生き直している気がする。
    とても前向きに。
    だから何度も何度も読んでしまうのかな。

  • 狭間の年齢。
    13歳。

    大人では、ない。
    でも、子どもとも言えない。

    大人の領域に立ち入り始める。
    心も、体も。

    そのすべてが絡み合い、物事をより複雑にする。

    でも、それを一本一本ほどいて、見つめなおしていくことができるのも、13歳ならではなのかもしれない。
    子どもには、それをほどくことはできないし、なによりこんがらがっていることにも気づかないかもしれない。
    そして、大人になってしまうと、こんがらがっていても、そのままにしてしまうから。

    13歳。

    ともだちはいいもんだ。

  • カニグズバーグという人は、「心」という曖昧なものを小説の中で構成し、きちっと描いていく。
    心理療法を推理小説に仕立てていくようで、感服した。
    ブランウェルの緘黙という問題を、ブランウェルの親友であるコナーが解いていくのだが、そこには親友という関係ばかりでなく、ブランウェルとその義理の妹ニッキの関係が、コナーとコナーの義理の姉のマーガレットの関係の相似形になっていて、コナーにとってもよいアドバイスを与えていくことが非常に上手く描かれていた。そして、それが同時にマーガレットの問題を解決していく糸口になっていくのである。ブランウェルの祖父母の対応、父の再婚、どれもうーんとうならせる描写で面白かった。
    引用すると、誤解を生みそうだけど、
    「あいつら東洋人がこいつら東洋人になることは決してありえないだろう。」という子どもの目から見た一文要約は見事だった。

  • 「クローディアの秘密」や「魔女ジェニファとわたし」とは違う新しいカニグズバーグを読みました。
    70歳を超えた作家とは思えず、なぜこの時代の子どもの気持ちが分かるのか(忘れないでいられのか)が凄いです。
    13歳ってやっぱり微妙な年頃なんですね。

  • ブランウェルの性格、とても好き。谷川俊太郎が紹介していたのをきっかけに読み始めた。場面緘目症の子が出てくる話かと思ったらちがった。もうちょっと翻訳がねえ…

  • 緊急通報の瞬間から、ひと言もことばを話さなくなってしまったブランウェル。いったい何があったのか。事件の真相とブランウェルの謎をつきとめるため、親友のコナーはある作戦を思いついた…。サスペンスに富む最新作。

  • 親の影響で読んでみたら結構面白かった。ちょっと説明不足のところもあったように思えるけどまずまず。

  • 一気読み。謎解きの面白さ、13歳の恥と誇りについて。
    かつてのカニグズバーグの作品のキーパーソンであった、ものわかりのよい大人(見守りつつ、教え導く)が、『ティーパーティの謎』でもそうだったように、もっと若い、自らも克服すべき課題を抱える存在として描かれるようになってきている。

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