縞模様のパジャマの少年

  • 岩波書店
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本棚登録 : 458
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001156232

感想・レビュー・書評

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  • この物語の最後の一行が非常に考えさせられる。「いま現在では。」では、将来はこんなことは絶対に起こらないのか?起こらないようにしなければならない。

  • 最初は「何が言いたいんだろうか、つまらない」の一点張り。
    同じ課題図書だった「夏から夏へ」に挫折した後だったので、
    どうしても止めることができなくて読み続けていたところ急にぐんっと背を押されたかのように面白くなりました。
    いや、面白いというよりも…続きが気になるといった感じ。
    これは長期間ベストセラーになる理由が分かった気がします。

  • 静にそしてとっても怖いお話でした。

  • 平成21年度課題図書(高校生向)〜ベルリンの豪邸に暮らすブルーのは親友にも恵まれ,何一つ不自由のない生活を送っていたが,或る日を境に生活が一変する。父親の仕事の都合でベルリンから遠く離れた廻りに家一軒ない土地へ引っ越し,フェンスを隔てた気味の悪い世界が広がっているのを見たからだった。ひとりで探検に出掛けたブルーノはフェンスの向こう側で佇む一人の少年・シュムエルと知り合い,友情が芽生えたが,母がシューヨージョの隣の生活は耐えられないと言い出し,司令官の父だけを残してベルリンに戻る相談が成された。ブルーノは別れがたい気持ちから,シュムエルの生活するフェンスの向こうへ,シュムエルの居なくなった父を捜すため,縞模様のパジャマを着て潜り込むが,笛が鳴って整列させられ,行進を強いられた〜ホロコーストの「新しい伝説」が造られそうで,嫌だ。これを書いた人は1971年生まれのアイルランド人,課題図書に選んだのは「善良で良識ある人々」。生き延びた人々が居なくなる前に新しい記憶として埋め込まれるのは堪らなく嫌だ。この本の広告欄で岩波書店は「ナルニア国物語」だの,「星の王子様」だの,「ゲド戦記」などを売ろうとしている。新しい本を売ろうとする気概はないのか!

  • 映画の方。原作とどの程度同じなのか違うのか分からないけれど。全てのネタバレ。ナチスの収容所所長の小学生ぐらいの息子が、収容者で同年代のユダヤ少年と友達になるが、息子は幼いため政治的な事情が分からない。無邪気に友達ができたと言って喜んでいる。中盤に色々とあった末、息子がユダヤ少年の行方不明になった父親(多分ガス室で殺されてしまった)を、一緒に探してあげると言って収容者用の作業着を着て扮装し、収容所に潜入したところ、ちょうど折り悪くガス室にユダヤ少年とともに送られてしまったという話。気づいて駆けつけた両親とナチス大好きな姉が、すでに時遅しと気づいて呆然としたり泣き叫んだりする様子が映されて終わる……。無垢な子どもが犠牲になる悲劇というものなのかもしれないけれど、凡庸とも言える設定だし、無力な子どもをダシにして、あるいは痛めつけて観客をビビらせるという方針も感じたし、あんまりなあという映画だった。そういうこともあったんだと言われてしまえばそうかあと言うしかないけれど。

    http://movies.nytimes.com/2008/11/07/movies/07paja.html?ref=arts

    かなり辛らつな評価。

  • 第二次世界大戦中、ベルリンの豪邸に住んでいたブルーノは父親(軍人)の仕事の都合で見知らぬ土地に家族で引っ越すことになった。
    お気に入りだった家、友達、祖父母と離ればなれになり、イヤでイヤでたまらなかった。
    新しい土地には近所に住宅も無く、有るものといえば長いフェンスと遠くに見える低い建物。
    同じ年頃の友達も居なくて、いつも見掛ける人間は家族と使用人、軍人、そしてフェンスの向こうにいる縞模様のパジャマを着た大勢の人たちだけだった。
    その人たちのことはブルーノには何も知らされておらず、大人たちに聞こうにも何故か聞いてはいけないような雰囲気だった。

    探検物語の好きなブルーノは、ある日自分も探検に出ようと考え、あの長いフェンスの端まで行ってみようと思った。
    行けども行けども果てし無く続くフェンス。
    引き返そうと思った時、遠くに黒い点が見えた。
    近づくにつれ、それが人間だと分かった。少年だった。

    ブルーノは9歳だったために、大人から社会の裏側を知らされていなかった。
    だから無邪気なブルーノは思ったことを口にし、行動したまでだった。
    作者は、子どもたちがこの物語を読んで、当時のことを調べてみようと思って欲しいと考えている。
    事実を知ることは大切だ。

    映画化されるそうです。
    ラストシーンの印象が「ライフイズビューティフル」みたいかな、と思います。
    何も知らない無邪気な少年・・・。

  • ホロコーストを扱った児童書。緊迫感がありながら子どもらしい楽しさがある前半。重苦しさが増してくる後半。そして衝撃のラスト。あまりの衝撃に、しばらく立ち直れなかった。この結末は必然だとは思うが、子どもに読ませることができるだろうか。悩む。ホロコーストについての知識が全く無い読者には意味がわからないかもしれない。とにかく忘れられない1冊ではある。

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