- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001156317
作品紹介・あらすじ
裕福に暮らす少年チトは、おやゆびを押しつけると、みどりを芽生えさせ、花をさかせることのできる不思議な"みどりのゆび"をもつ少年です。ある日、お父さんが兵器を作る人だったことを知ったチトは一大決心をし、こっそりお父さんの兵器工場へもぐりこみます…。40年以上愛されてきた平和と希望の物語の愛蔵版。
感想・レビュー・書評
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愛蔵版「みどりのゆび」
モーリス・ドリュオン作
ジャクリーヌ・デュエーム絵
安東次男訳
平和と希望の物語。今の時代に、子どもたちに読んで欲しい一冊になります。
チトは大きなピカピカの家に生まれた、幸せな子どもでした。家が裕福なのは軍事工場を経営していたからです。
学校へ行くようになったチトは何故か算数の授業を受けていると眠くなってしまい、辞めさせられてしまいます。両親は新しい教育方法として、机ではなく実際に観察して学ばせることにしました。
庭師のムスターシュじいさんとの出会いにより、自ら持つ不思議なチカラ、親指で緑を咲かせることができる、みどりのゆびを持っている事を知ります。
兵器を作ることで、悲しい思いをする人が増えていくことに気づくチト。
自ら考え、正しいと思うことに従って行動していく小さなチトと、チトを導いてあげるムスターシュじいさん。
純粋で、心優しいチト。
最後は何度読んでも、涙してしまいます。
ムスターシュじいさんとチトの空に浮かぶ挿画が大好きです。
世界が緑の花でいっぱいになりますように。
大切な一冊です。 -
今年は児童文学を愛する多くの人がこの本のことを思い出しましたね。どこかの国の大統領たち送り付けてやりたい。。
岩波文庫で読んでいたのですが、書店で素敵な愛蔵版を手に取った瞬間に恋に落ちました。
箱の裏面もすてきだし、本はみどりの布の表紙に型押しで『TISTOU』とタイトルが。
イラストには美しい色がつけられ、原書通りのフランス語が残っています。
読書会のお題になりましたが、みんなが大好きになってしまった本でした。
チトは、何不自由なく裕福な家庭で育ちました。両親は美しいものが大好きな、美しい人たち。チトへの愛にあふれています。
学校に馴染めなかったチトのことも理解してくれました。
『あれはほかのこどもとおなじではないんだからな!』と。
チトは学校には行かず、ムスターシュおじさんの元で、庭の授業を受け、
かみなりおじさんからは社会を学びます。
そうしてみどりのゆび を開花させてゆくのですが…
大好きな、やさしい両親が兵器商人で、敵対するふたつの国へ戦争に使う武器を売っているという現実に直面します。
チトは両親への革命をおこしたなぁ。。
子馬の哲学者ジムナスティックがいいですね。
いつもクールな助言をくれます。
「死ぬのに戦争はひつようじゃない。」
ドキッとしました。
ラストはジムナスティックに泣きました -
最後の、チトはなんだったでしょうの場面でびっくりしたので皆読んでみてください。
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児童文学をあまり読んでこなかったので大人になって初めて読んだものが多いが、その中でこれはもっとも感動した作品だった。
とても純粋に描かれている主人公の少年だが、鋭い観察力や賢さ。物語をすすめている解説者と合わせて大人になっても感心して考えさせられる物語りになっている。 -
礎になってくれる人がいるから、独りでだって生きていける。
本当の意味で人に成るのは多分、誰かの礎になりたいと願った時。 -
再読。
ウクライナとロシアの戦争が始まった時に真っ先に頭に浮かんだ本でした。今も続く戦争。
チトがいてくれたなら・・・ -
小さいときにこの話のアニメを見ました。とても感動して、その後、本を読みました。
ふしぎなゆびをもっていたらどうしますか?
K.T.先生 -
長岡絵里佳先生 おすすめ
65【教養】953.7-A
★ブックリストのコメント
植物を咲かせることができる不思議な指を持つ少年チト。彼は、大人たちの考え方や社会のあり方に、どうして?と素直な疑問をぶつけます。疑問を持つことの大切さや原点を見つめ直すきっかけになるような児童文学作品。