- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001156348
作品紹介・あらすじ
クリスマス前夜、強欲で気むずかしいスクルージの前に現れた3人の幽霊たちは、過去・現在・未来を見せてくれたのですが…。クリスマス・ストーリーの最高傑作が愛蔵版に。
感想・レビュー・書評
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この時期が来ると読みたくなる作品。ケチで冷酷なスクルージが幽霊と出会うことで改心し、別人のように変わるのだ。仕事仲間であったマーレイが現れ、「これからおまえを三人の幽霊が訪れることになろう」と伝える。その三人の幽霊と共にスクルージは自分に係わる過去、現在、未来を目にする。打ちのめされ、今までの考えや生き方を改めるのだ。
イギリスのクリスマスの歴史、作者のチャールズ・ディケンズの功績など、訳者の脇明子さんのあとがきをとても興味深く読んだ。洋書のようなおしゃれなスタイルも素敵だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書界のために脇明子訳と村山英太郎訳を再読しました。
今回感じたのは書き出しの魅力!
私は書き出しが1番好きかも(笑)読書会ではいろんな訳があつまり、ここだけでも訳者ごとに読み比べて、やはり私は脇明子さんが好きでしたー!長く親しんできたのは村山英太郎訳なのですが、脇明子さんのを読んだら、もう戻れない。
引用
_つまり、マーレイ氏が死んだことは、ドアに打った飾り釘が死んでいるのとおなじくらい、たしかなことだったのです。
もっとも、まちがいなく死んでいるものの見本に、どうしてドアの飾り釘なんかを持ち出すのかと聞かれたって、私にもそんなことはわかりゃしません。私だったら、金物のうちでいちばん死んでいるものは何かと聞かれたら、棺桶の釘だと答えるでしょう。しかし、決まり文句というのは昔の人たちの知恵の産物であって、私などが浅はかにそれをいじりまわしたりしたら、それこそ世も末というものです。ですから、ここはひとつお許しをねがって、さっきの言葉をくりかえさせていただきましょう。すなわち、マーレイ氏が死んだことは、ドアの釘が死んでいるのとおなじくらい、たしかなことだったのです。_
いやぁ、シャレてる!村上春樹か!
それになんか、春樹さんではなく、書き出しとしてどこかで読んだことあるなぁ。。この書き出し真似している作家さんたち多いのかしらん?
村岡花子さんの、本当に最初の部分もいいですけどねぇ。
_第一にマーレイは生きていないりそれについてはいささかの疑いもない。_
いささかの…いいですねぇ文豪感ありますわー。
そしてラストの、ほんと締めの文章もかっこいいし、翻訳ごとに読み比べるのが楽しい!
_幽霊(スピリッツ)たちとのおつきあいは、これきりおしまいでした。そしてスクルージは、このときからというもの、ウイスキーやジンのような強いお酒(スピリッツ)とも縁をきり、禁酒主義を守るようになりました。
… ティム坊やの唱えていた言葉で、結びといたしましょう。
神さまのお恵みが、みーんなにぜんぶにありますように!_
いやぁ、素敵。韻を踏んじゃってる✨
ここはとくに訳の違いが顕著でした。やっぱり、脇明子さんが素敵で親切でした。
さて、内容といえば、皆さんご存知のように、ケチで酷い金の亡者であるスクルージが幽霊に導かれ、過去、現在、未来の自分の姿を見て、クリスマスの夜に改心するお話ですが、さらーっと読むと、んなアホな!そんなに簡単に改心するもんかねと、眉唾なのですが。。
実はこの物語の肝は、2番目の幽霊が見せた、「人間の子どもたち」でしょうか。
_この男の子は『無知』という。女の子は『欠乏』という。この二人と、その同類たちには、よくよく気をつけることだ。とりわけこの男の子にな。この子の額は『破滅』と記されているのが見える。それを消さない限り、この子たちのたどる道はそれしか無いのだ_
子どもに例えるのが怖いですねぇ。恐ろしい顔をした子どもたちなんです。エドワード・ゴーリーの描く世界を彷彿とさせます。
スクルージは、成功者に見えるけれど、その成功の影に自分のしてきたことを知らない、見ようとしないという無知さ、欠乏、貧困にいる子どもたちを見ぬ振りしてきた生き方。そんなものを知らしめようと、幽霊がやってきたわけです。
何故こんなに簡単に一晩でスクルージは人が変わってしまったのか、想像してみたのですが、
結論としては、スクルージの中に、まだ改心することができそうな余地があったのだろうと、それは、共同経営者だった、たぶん、唯一の友人だった、マーレイにしか分からないのではないかしら。
マーレイの愛が、そうさせたのでは?
という結論でなんとなく気持ちよく終わりました。
この時代のイギリスのお話には必ず産業革命の裏側、闇の部分が見えますねー。挿絵からも伝わる、この時代の人々の生活の様子が興味をそそります。
サンタもツリーもない、英国式のクリスマス。ガチョウも七面鳥も、焼くのはパン屋の貸しかまど。
ホカホカに湯気の出た鶏を持ってパン屋から出て来る人々の挿絵、すごくいい,
(貸しかまどと安息日の話しも面白い。)
それから、やっぱり甥っ子のフレッドの人間性もすばらしく。。
一見すると分かりやすく、単純なおはなしを、上手く書いているんですねぇ。
皆さんと語り合うことで、この本の良さを噛みしめました。
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クリスマスにむけて追加。
岩波書店の愛蔵版は装丁が美しいです。
名高いディケンズの古典ですが、意外と読みやすいので是非。 -
いいですねー!
『クリスマスキャロル』はこんなハードカバー&匣入りでなくては!
少しだけ入っているイラストも雰囲気がぴったりです。
子どもに媚びず、上品。
文字の色も真っ黒ではないのです
わずかに紺色?
脇明子さんの訳も嫌みなく、かつ読みやすくていいです。
あー誰かにあげたくなる。 -
実際に読んだ本は真っ白な装丁が美しいほぼ正方形。手元において置きたくなる本。
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クリスマス前には読もうと思っていた1冊!愛蔵版で函入り、装丁が素敵!以前読んだことあると思うけど、毎年クリスマスには読みたいな~と思った。警戒心強いスクルージってなんだか自分のようだと思えて(ただし文無し)、何が大切なものなのか思い出すきっかけになるような。子どもの頃、今はなきレーザーディスクでよく観た、『ミッキーのクリスマスキャロル』がちらつかないでもなかったけれど、そこは名作、しっかり堪能することができました。→そして買っちゃった。また読もう♪♪
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スクルージがクリスマスの幽霊と旅をして考えを改める。
あとがきに、クリスマスの風習が廃れてきていた時代に書かれたものとあった。児童書も時代を風刺するものが描かれている。
訳だからかもしれないけど、言い回しが回りくどい気がする。 -
27年度 (5-1)
ブックトーク 5分 -
♪クリスマスキャロルが流れる頃には君と僕の答えもきっと 出ているだろう♪
英国文学名作。很有好言!「親切な心の宿る場所、額」、「彼には私を幸福にも不幸にもするだけの力があるのです。彼のやり方次第で、私の仕事は軽くも重くもなり、楽しみにも苦しみにもなるのです。彼のその力、言葉とか顔つき一つ一つは些細なことで、数えて合計をだすことはできないのです。だけど、それによって与えられる幸せは、金貨を積んでも買えないくらい大きいのです。」「彼は彼女と出会って以来、彼女がおさめた数々の成功の中でも、これは最大の成功に違いないと宣言した。」