- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001156416
作品紹介・あらすじ
中学校入学を目前に、父の故郷、長岡にひとり旅をすることになった哲夫。行きの列車の中から次々と不思議なことが起こります。哲夫は同い年の少女みどりとともに、自分たちを取り巻く大人の様々な過去に向きあうことになりますが…。冬から春へと移りゆく長岡を舞台に、子どもから大人へと成長していく少年の繊細な心を描く、感動のタイム・ファンタジー。「カンバの冒険シリーズ」の作者による清冽な、少年の成長の物語。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
哲夫が父の故郷の長岡でタイムトリップする。
-
「小学校最後の春休み、父の故郷をひとりで訪れた哲夫は、あるはずのない古い邸や、見るはずのない人々に出会い、不思議な体験をする。冬から春へと移り行く長岡を舞台に、自分をとりまく大人たちの過去と向き合い、大人への一歩を踏み出す少年の姿をみずみずしく絵h額、感動の長編タイム・ファンタジー。」
『冒険者たち』『ガンバとカワウソの冒険』の著者。長岡は斎藤さんの故郷。 -
勢いで、斎藤惇夫の「哲夫の春休み」を読み終えてしまう。
12歳の少年、哲夫が自分の父の故郷である新潟県長岡市に一人旅をする物語。
信濃川が印象的に描写されています。
あとがきで、哲夫とは誰なのか初めてわかり、著者にとって時を超えた「行きて帰りし物語」"There and back story"であることがわかり、深く感動をしました。 -
一つの物語を乗り越えた。森を抜け、山を越え、裂け目を覗き込み、海へ出た。幸せになるために生きているのではない、の一言が強烈だった。では、なんのために生きるのか。その物語の本質が継承されていく。その後の人生の意味が全く変わってしまう経験がある。でも、それは悪いことではないのだ。
-
2014年4月6日
-
小学校最後の春休み、哲夫は列車を乗りついで、新潟の長岡までひとり旅をすることになった。車内で一緒になった中年の女性順子(なおこ)と話すうち、哲夫は見るはずのない光景を見るようになる。現在と過去が交錯する時のなか、父の故郷で哲夫が体験した不思議なできごと、そのわけとは……
-
著者の斉藤敦夫さん自身の「幼な物語」が、もっともっと語られると良かったのに・・・と、思います。
-
小学校を卒業したばかりの哲夫は、父の故郷である長岡に旅に出る。
初めての一人旅に不安と期待で胸をふくらませる哲夫。
途中で目的地を同じくするおばさんとも知り合い、旅は順調に見えたが電車の中でとても不思議なものを見てしまい…
児童書の至宝『冒険者たち』の著者による28年ぶりの作品。
作者の経験をもとにしたファンタジーで、人のつながりと家族関係を描く。
『トムは真夜中の庭で』を彷彿させる内容。
美しい文章で情景を描き出し、メッセージも強く心に残る。
ただ、説明が冗長で分かりにくい印象を受ける。
文体は古め。
主人公は小学生だが、中学生〜大人向けの児童書である。