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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784001156485
作品紹介・あらすじ
オランダに暮らすユダヤ人少女リーネケは、家族と離れ離れになり、遠い村の医者の家にあずけられた。食料不足や病気の恐怖、身元を明かさぬまま仲良くなった友だち、そして危険をおかしても守ってくれた善意の人たち。奇跡的に保管されていた父親からの愛情あふれる絵入り手紙(フルカラー)とともに、戦争の日々がよみがえる。
感想・レビュー・書評
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実話が胸に迫る。小さな女の子がどんなに不安な状況におかれていたのか…お父さんの絵入りの手紙は宝物。
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キラキラ読書クラブ、「手紙」で紹介されていたのでテーマ展示用に貸し出して読んでいます。
まず第1章で主人公リーネケの状況を知ったうえで「リーネケとおしゃべり」とされる父親からの手書きの絵入りの手紙を味わう。
アンネと違ってリーネケは生きているのである意味安心して読めるが、それでも生きづらさや戦後の彼女の波乱に満ちた人生を知ることは、平和や民族について考えるのに役立つと思い購入を決めた。
まず気に入ったのは、リーネケの「好きな部屋リスト」として紹介されるさまざまな部屋。オランダに行きたくなった。
一気に読むのではなく、少しずつ楽しみたい。
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2020.5.12
子供に、読んでもらうには良いかなって思った。
低学年むき -
まず危険極まりない状況で他者を助けるべく心と力の限り行動した人々のいたことに(いることに)たじろぐ。そして真の優しさとは何か。
過酷な状況でこれほど冷静に理性と善意により動き、また命をも掛けた人々のいたことに実在の主人公の経験よりも増して驚き、狼狽に似たものが心の中に起こる。環境は自分の名前をも変えてしまうほどに作用する。
人間たちは一体なにをやっているんだろう。オランダでの残酷の後、イスラエルに渡った主人公は看護婦として従軍したという。その後のイスラエルとパレスチナの関係を悲しく思う。
中学生の時、アンネの日記に挫折して、大人になってもやっぱり怖くて読めなかった。でもこの本をきっかけにもう少し世界はどうして争ってしまうのか考えたいと思わされた。 -
YAブックガイドから。実際の物語を小説に仕立てたもの。途中途中に挿入される父からの手紙が美麗で、そこだけ拾い読みしても楽しめるかも。ナチス絡みのユダヤ人の物語で、悲劇的結末ではないのも救われる。
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ナチス占領下のオランダ。ユダヤ人家族の末娘は、リーネケと名前を変え、医師夫婦の姪としてかくまわれることになる。カラフルでポップな手紙はすべてリーネケにあてた父の手紙。手紙を焼くことができず、危険を承知で残してくれた医師のおかげで、なんとこの9通の手紙は現存するのだという。明るさと優しさが胸にしみる。
リーネケを守ろうとする大人たちの勇気が尊い。つらい描写も比較的少なく、繊細な子どもにも届く本だと思う。巻末の「その後」の話も、豊富な写真もいい。再開できたのに戻らなかった家族の絆について、遠回しに書かれており、しみじみと戦争が憎い。 -
読むのにはなかなか苦労した。アンネと同じように、ユダヤ人であることを隠し生き抜いた人たち。様々な理由で殺されていった人たちの話も出てきて、これが歴史なんだなぁと感じました。親が子を思う深い愛も感じました。子どもを守るためとはいえ、一緒にいられないことがどれほど辛かったことか。
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ラジオで小川洋子さんが薦めておられました
何も知らずに手に取ったら
なんて愛らしい手紙、ユーモアたっぷりだね
って思ってしまいます
ナチスに追われ、ユダヤ人であることを隠して、家族と離れひっそりと
でも命がけの愛で守られて暮らす少女
父親はどんな気持ちでこれを書いたのでしょうか
奇跡的に運ばれ残された手紙
実際にあったことだと思うと……
いい本に出逢えました
≪ 名前変え その名で息詰め 前を向き ≫