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Amazon.co.jp ・本 (141ページ) / ISBN・EAN: 9784001157178
作品紹介・あらすじ
ノーベル文学賞を受賞した初めてのイディシ語作家による、7編の魅力ある不思議な物語を収録。ワルシャワで育った著者が、子どもの頃に聞かされた悪魔やこびとやシュレミールをちりばめた優しく美しい物語集。
感想・レビュー・書評
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作者のシンガーは、ユダヤ系ポーランド人。
「やぎと少年」は、ユダヤの文化風習が盛り込まれた、シュレミール(まぬけ・騙されやすい・滑稽などの意味)話が、センダックの挿絵と共に7話収められている。
ユダヤ人というと、歴史上長きに渡って困難を強いられた民族、またその状況からの努力の結果IQが高くてお金持ちというイメージ…全くの偏見なんだろうけど…くらいしかなかった。
が、これは貧しくも、ユーモラスな人々の素っ頓狂な滑稽話の数々で、ユダヤの文化をもう少し知りたいなぁ…と感じさせてくれる本だった。
ここからは、この本の巻末にあった解説をかいつまんで書いておく。
この本の原作は、イディシ語(ヘブライ語の方言のようなものらしい)で書かれているそうだが、それを英訳した物を和訳したのが本作。
シンガーは、イディシ語で書いた原作の価値(独特の味わいやユーモア)は、翻訳で40%失われると語ったそうだ。
シンガーが育ったワルシャワは、当時3人に1人がユダヤ人で、ユダヤ文化の中心地だったそうだが、これは異教徒に寛容なポーランドが、14世紀以来ユダヤ人の定住を歓迎したことに由来する。
シンガーは、第二次世界大戦が始まる前の1935年、先に移住していた兄に呼び寄せられ、アメリカに渡る。後にナチスによって恐ろしい殺戮の地となり、ワルシャワは廃墟と化してしまうことを考えると、この移住は幸運だったと言えるだろう。
2020.6.17詳細をみるコメント0件をすべて表示
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