やぎと少年 (岩波世界児童文学集)

  • 岩波書店 (2003年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (141ページ) / ISBN・EAN: 9784001157178

作品紹介・あらすじ

ノーベル文学賞を受賞した初めてのイディシ語作家による、7編の魅力ある不思議な物語を収録。ワルシャワで育った著者が、子どもの頃に聞かされた悪魔やこびとやシュレミールをちりばめた優しく美しい物語集。

感想・レビュー・書評

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  • 作者のシンガーは、ユダヤ系ポーランド人。

    「やぎと少年」は、ユダヤの文化風習が盛り込まれた、シュレミール(まぬけ・騙されやすい・滑稽などの意味)話が、センダックの挿絵と共に7話収められている。

    ユダヤ人というと、歴史上長きに渡って困難を強いられた民族、またその状況からの努力の結果IQが高くてお金持ちというイメージ…全くの偏見なんだろうけど…くらいしかなかった。
    が、これは貧しくも、ユーモラスな人々の素っ頓狂な滑稽話の数々で、ユダヤの文化をもう少し知りたいなぁ…と感じさせてくれる本だった。

    ここからは、この本の巻末にあった解説をかいつまんで書いておく。

    この本の原作は、イディシ語(ヘブライ語の方言のようなものらしい)で書かれているそうだが、それを英訳した物を和訳したのが本作。
    シンガーは、イディシ語で書いた原作の価値(独特の味わいやユーモア)は、翻訳で40%失われると語ったそうだ。

    シンガーが育ったワルシャワは、当時3人に1人がユダヤ人で、ユダヤ文化の中心地だったそうだが、これは異教徒に寛容なポーランドが、14世紀以来ユダヤ人の定住を歓迎したことに由来する。

    シンガーは、第二次世界大戦が始まる前の1935年、先に移住していた兄に呼び寄せられ、アメリカに渡る。後にナチスによって恐ろしい殺戮の地となり、ワルシャワは廃墟と化してしまうことを考えると、この移住は幸運だったと言えるだろう。
    2020.6.17

  • ノーベル賞作家とは知らずに読みました。
    大変な人生を送った方なんですね。
    グリム童話に通じる昔話の言い伝えを基にお話を作ったのですよね。
    しかも、もうすぐなくなってしまうであろう文字をを使って。
    そのお話を、日本語であれ読めるのは幸せです。

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著者プロフィール

1925年大連生まれ。詩人・ロシア東欧文学者。著書に『ぼくのポーランド人生』など、訳書に『ブルーノ・シュルツ全集』、W・ゴンブロヴィッチ『ポルノグラフィア』、I・シンガー『やぎと少年』など。

「2020年 『完全な真空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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