トムは真夜中の庭で (岩波世界児童文学集)

  • 岩波書店 (2003年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (357ページ) / ISBN・EAN: 9784001157253

作品紹介・あらすじ

トムは真夜中に古時計が13も時を打つのを聞き、昼間はなかったはずの庭園に誘いだされて、ヴィクトリア時代の少女と友だちになります。歴史と幻想が織りなす傑作ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 時計が13回鳴る真夜中、少年トムは、もはや存在しないはずの庭園に迷い込む。
    叔父さんの家で退屈な隔離生活を送っていた少年の前に、突然開かれる不思議な世界。
    今は改築されてしまった古い屋敷に、かつてあった美しい庭が、月明かりの下でそっと姿を現す。
    この小説の魅力は、時を越えた冒険でありながら、どこか懐かしい庭の風景を描いている点にある。
    木登りができる大きな樫の木、実をつける果樹、すべり台になった温室の屋根。
    庭は季節とともに移ろい、冬には氷のスケートリンクになり、春には花が咲き乱れる。
    少年は、まるで本の頁をめくるように、庭に刻まれた時間の物語を一夜ごとに読み進めていく。
    物語を彩るのは、不思議な少女ハティとの出会い。
    彼女にとってもトムは「幽霊」のような存在で、二人の時間は不思議なずれ方をしている。
    でも、夢か現実かわからない境目のような庭で、二人は確かな友情を育んでいく。
    イギリス児童文学の傑作とされるこの作品は、ふしぎな冒険物語でありながら、時間と記憶について静かに考えさせる深い物語でもある。
    時計が13回目の音を鳴らすとき、それは魔法の時間の始まりを告げる合図なのかもしれない。
    結末の展開は、読む人の心をそっと揺さぶる。
    大人になることは避けられない。
    でも、心の中の大切な庭は、いつまでも美しいまま、私たちの記憶に咲き続ける。
    そんな優しい真実を、この物語は教えてくれる。

  • 所持。

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