サンドイッチクラブ

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 366
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001160246

作品紹介・あらすじ

■著者からのメッセージ22 読者のみなさまへ2 わたしたちはとてもむずかしい時代を生きています。2 きっと、いつの時代も思うようにならないことばかりで、生きていくってむずかしいことなんだと思います。2 宿命、社会、自然災害・・・・・・。そういった大きなものの前では、人は波打ちぎわの砂の城のようにもろくて弱い。2 それでも、今よりも良い未来を信じてチャレンジする。2 サンドイッチクラブは〈挑戦の練習場〉です。2 あなたも秘密のクラブ活動に参加してみませんか。22 長江優子22

感想・レビュー・書評

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  • ある日主人公はヒカルと言う人に会いました。2人とも戦争が大嫌いでした。なので2人はいつか大統領になると約束しました。僕も戦争が嫌いなので止めたいです。

  • 今時の小学生はYouTubeに動画配信したりスマホで調べ物をしたりするんだな〜と、自分の小学生時代とのギャップを楽しみながら読了。
    北朝鮮からミサイルが頻繁に飛んできても何も感じない平和ボケしてる私たちに警告を鳴らしてるような場面も今の時代を解いているようで考えさせられる。
    お金があれば選択肢は広がるがそれが幸せとは限らない。小学生の思春期に片足突っ込んだ微妙な心情も面白かった。

  • 第67回(2021年度)青少年読書感想文課題図書 
    小学校高学年の部

    内容:「珠子はダブル塾通いをする小学6年生。ぼんやりむかえた夏休みに、無心に砂像を作るヒカルと出会う。強烈な個性をもち、成績もトップクラスのヒカルは「戦争をなくすためにアメリカの大統領になる」という。家庭環境も性格も異なるふたりの少女が、たがいを受け入れ、まっすぐに世界と向きあっていく姿をさわやかに描く。」

    「珠子は砂像作りをするヒカルと出会い、ひみつのクラブ活動に参加することになりましたそこで2人はある対決をすることになります。」

  • 登場人物の子どもたちと世界との距離感が好き。
    ともすれば遠くなりがちや外国や地球と自分たちが関係していることに気づいていく。
    子どもたちの繊細な悩みをばかにすることなく描き、それでも最後は前を向く、未来への姿勢は読者へのエールにも思える。児童文学の向日性。
    ストーリーも意外性があっておもしろくて読みやすいし、課題図書だったのも納得…
    砂像アーティスト、初めて知りました。よかった。

  • 2023.1.19読了。
    傑作。人物の造形も物語の構成も文章のセンスも素晴らしい(個人的な好みにドンピシャ)。優れて現代的で教育的でもある。少なくとも親が子どもに読んでほしい本としてはパーフェクト。小学5、6年生に読んでもらいたい。

    印象的なフレーズ
    「時間は未来に向かって流れ、重力はすべての足を地球につなぎとめてくれる。」

    これからポンデケージョを見る度に思い出すことになるだろう作品。

  • 2022.12.12 読了

    珠子は中学受験を目指す小学6年生。ふとしたことから受験塾トップの成績を誇るヒカルと出会い、一緒に砂像造りに挑戦することとなる。

    現代児童文学ですが 勉強の悩みや戦争、ミサイルなど内容としては重めかな。

    「チャンスが目の前にあるのに、素通りしようとしている。そんなのもったいないよ。
    目覚めたらなりたい自分に変われるよ。」

  • Audible

  • サンドイッチを作る話かと思いきや全然違った。サンドアートのチーム名がサンドイッチクラブ。タマコ=タマゴみたいなごろあわせ。

  • 当時小学生だった娘に薦められて読んだ本ですが、とても良かったです。
    中学受験など次の「現実」と対峙せざるを得ない小学6年生たちがリアルに想像でき、正に本の中で動き出すくらい瑞々しい物語でした。
    話自体はとても単純というか素直ですが、その中に様々な要素が非常にうまく盛り込まれていて感嘆しました。
    小学校高学年のお子さんには是非読んでもらいたい一冊です。

  • 表紙をめくったカバーのそでに書かれた「砂かけババア」「黄金のシャベルを奪還する」という言葉に、いったいなんの話なのだろうと思って、ワクワクした気持ちで手にとった。

    ミサイルが落ちてくるかもしれない、そんな数々の不安に取り憑かれていて、情緒が不安定なヒカルが心配だ。
    意欲がないと自分の将来にもやもやしている珠子。
    二人が互いの存在に助けられていく。

    「お金はチャンスなんだよ。夢をかなえたり、自分を変えたりするチャンスはお金があるから得られんだよ」
    「世の中、いつなにがおこるかわからないんだよ。チャンスを簡単に逃す人は、永遠にほしいものが手に入らないんだから」

    世界にはばたくリーダーとなれ、という目標にする学校。「リーダーに向いていない」「将来なにになりたいか決まっていない」という珠子に、進路説明会の面接官は、学校は「あなたが将来の進路について考えるための、きっかけの種をたくさん用意しています」と話す。どの種を育てても自由、咲いた花の大きさも色も関係ないという。「芽が枯れても、心まで枯れない人、新たな芽を育てようとするする人。そういう人になってもらえるように、生徒たちをサポートしていく」。

    「『どんな人に変わっても、ハムちゃんはハムちゃんだから』って言ってくれたこと」「うれしかったな。」

    こらから中学生になろうとする子どもたち。
    不安がいっぱいななかで、自分ができること、自分がやりたいことを探してみようという姿に励まされる。


    目的がないと一度は受験することをやめた珠子は、自分で考えて受験することを選ぶ。自分で決めることって大切。考えて決めるまで珠子に任せた両親も素敵だ。



    出版社HP
    https://www.iwanami.co.jp/book/b509944.html

    保坂俊彦
    http://www.t-hosaka.com/

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著者プロフィール

1971年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。構成作家として主にNHK Eテレの子ども番組の制作に携わる。2006年、「タイドプール」で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作にてデビュー。21年、『サンドイッチクラブ』(岩波書店)で第68回産経児童出版文化賞〔フジテレビ賞〕を受賞。ほかの作品に『ハンナの記憶 I may forgive you』『木曜日は曲がりくねった先にある』『百年後、ぼくらはここにいないけど』(以上、講談社)、「NHK オトナヘノベル」シリーズ(共著、金の星社)などがある。

「2022年 『ぼくのちぃぱっぱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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