サンドイッチクラブ

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 366
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001160246

作品紹介・あらすじ

■著者からのメッセージ22 読者のみなさまへ2 わたしたちはとてもむずかしい時代を生きています。2 きっと、いつの時代も思うようにならないことばかりで、生きていくってむずかしいことなんだと思います。2 宿命、社会、自然災害・・・・・・。そういった大きなものの前では、人は波打ちぎわの砂の城のようにもろくて弱い。2 それでも、今よりも良い未来を信じてチャレンジする。2 サンドイッチクラブは〈挑戦の練習場〉です。2 あなたも秘密のクラブ活動に参加してみませんか。22 長江優子22

感想・レビュー・書評

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  • サンドイッチが好きな人の集まりの話かなーと思いきや、全っ然違って、進路に悩む小学生の話。
    家庭環境に恵まれ、塾にもたくさん通い、やりたいことをやらせてもらっているようにみえる珠子だが、自分の道を実は見失っている。
    今の子は、たくさんチャンスを与えてもらっているし、世界もすごく広がっているような見えるけれど、だからといって、即なりたいもの、やりたいものが分かるわけじゃない。
    そこは昭和も平成も令和も関係ないよなーと分かる。だって子供なんだから。
    環境は違っていても、いつの時代にもどこの世界にも珠子はいるのだ。
    大人はそんな子供を見守り応援してあげるだけ。
    そうやって世界は回っているのだと思う。

  • 2021年課題図書高学年。受験と砂像作り、友情、不安、希望…。経済的には恵まれてないヒカル、受験に確かな想いも無かった珠子。これ、小学生で感想書くの至難の業では??と思う。言い回しや、戦争に恐怖する心情も昭和の子みたいで、今の子にしっくりくふものかなぁ。珠子がヒカルを、ヒカルが珠子を理解しようと成長していくのは良かったが、なんせ、これ小学生には難しい気がしますー。

  • 外れ方とか、読んでて痛々しいのだけど、それでもまだコロナ前のほうがよかった気がしてきた。

  • 最後に受験を辞めたいと言ったが、またやりたいと言い
    砂像対決に負けてしまったけど、すごく上手くなって努力したら何にだってなれるんだと思いました。

  • サンドイッチクラブとは何だろうかと思ったら、砂像作りの話だった。自分の知らない分野の話は面白い。砂にも色々あるとか、作り方とか。
    主人公たちが中学受験前の6年生だったので、同じ受験生の息子を持つ親として、余計に一生懸命読んでしまった。主人公珠子は優しく素直で、人の気持ちをよく考える子だ。でも、自分の受験にはあまり意欲が持てない。これは、多くの受験生に当てはまる事だろう。珠子のようにやりたいことが見つかっていなくても、見つけるサポートをしてくれる学校に入るというのも選択肢なのだと、読んだ小学生が思ってくれるといい。
    注目すべきは珠子の友達ヒカルだ。家はあまり裕福ではなく、その状況を変えるために直談判して入塾させてもらったという強者だ。貧困から抜け出すために教育が大切だということがその年でわかっているのがすごい。そして成績もトップ。傍から見れば素晴らしい子だが、ヒカルは自分が心のどこかで人を見下していることも分かっていて、そんな自分が嫌いだ。自分を嫌だと思う気持ちはよくわかる。思春期ならば尚更だろう。そんな嫌なところも含めて、珠子がヒカルを肯定するという場面が本当に良い。
    これだけでも十分良い作品なのに、戦争についても現代人に、「本当に現代は平和なのか」と問いかけているようなところもあって、子供それぞれが色々なことを必ず何かしら感じてくれる作品だと思う。

  • 第67回(2021年度)青少年読書感想文課題図書 
    小学校高学年の部

    内容:「珠子はダブル塾通いをする小学6年生。ぼんやりむかえた夏休みに、無心に砂像を作るヒカルと出会う。強烈な個性をもち、成績もトップクラスのヒカルは「戦争をなくすためにアメリカの大統領になる」という。家庭環境も性格も異なるふたりの少女が、たがいを受け入れ、まっすぐに世界と向きあっていく姿をさわやかに描く。」

    「珠子は砂像作りをするヒカルと出会い、ひみつのクラブ活動に参加することになりましたそこで2人はある対決をすることになります。」

  • 登場人物の子どもたちと世界との距離感が好き。
    ともすれば遠くなりがちや外国や地球と自分たちが関係していることに気づいていく。
    子どもたちの繊細な悩みをばかにすることなく描き、それでも最後は前を向く、未来への姿勢は読者へのエールにも思える。児童文学の向日性。
    ストーリーも意外性があっておもしろくて読みやすいし、課題図書だったのも納得…
    砂像アーティスト、初めて知りました。よかった。

  • 2023.1.19読了。
    傑作。人物の造形も物語の構成も文章のセンスも素晴らしい(個人的な好みにドンピシャ)。優れて現代的で教育的でもある。少なくとも親が子どもに読んでほしい本としてはパーフェクト。小学5、6年生に読んでもらいたい。

    印象的なフレーズ
    「時間は未来に向かって流れ、重力はすべての足を地球につなぎとめてくれる。」

    これからポンデケージョを見る度に思い出すことになるだろう作品。

  • 2022.12.12 読了

    珠子は中学受験を目指す小学6年生。ふとしたことから受験塾トップの成績を誇るヒカルと出会い、一緒に砂像造りに挑戦することとなる。

    現代児童文学ですが 勉強の悩みや戦争、ミサイルなど内容としては重めかな。

    「チャンスが目の前にあるのに、素通りしようとしている。そんなのもったいないよ。
    目覚めたらなりたい自分に変われるよ。」

  • 無理やり戦争の話題をつめこんだ感がある。
    中学受験や、友達の貧困の問題、祖母の戦争のこと。それから砂像という斬新なモチーフ。たしかに大人が子供に読んでほしいと思う要素はいっぱいだけど、つめこみ過ぎという感じが否めなかった。
    2021年の課題図書です。

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著者プロフィール

1971年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。構成作家として主にNHK Eテレの子ども番組の制作に携わる。2006年、「タイドプール」で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作にてデビュー。21年、『サンドイッチクラブ』(岩波書店)で第68回産経児童出版文化賞〔フジテレビ賞〕を受賞。ほかの作品に『ハンナの記憶 I may forgive you』『木曜日は曲がりくねった先にある』『百年後、ぼくらはここにいないけど』(以上、講談社)、「NHK オトナヘノベル」シリーズ(共著、金の星社)などがある。

「2022年 『ぼくのちぃぱっぱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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