ペーパータウン (STAMP BOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001164022

作品紹介・あらすじ

平凡な高校生クエンティンが、物心ついたころから恋していた幼なじみ、マーゴ。ある晩を境に忽然と姿を消したマーゴのゆくえを追ううちに、クエンティンは、彼女の意外な一面を発見していく。新世代青春小説の旗手、ジョン・グリーンによるエドガー賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 9歳だった。
    マーゴとQがいつもの公園で、死んでいる男を見たのは。
    ピストルを自分の口に突っ込んで、自殺したロバート・ジョイナー。

    それは、ひとつの出来事に過ぎなかったかもしれないし、9歳の子どもたちの記憶の中では全てのきっかけだったかもしれない。

    卒業式の朝、家出したマーゴを探しに出ることに決めたQ。
    ロードムービーのような青い青いおはなし。
    エミリ・ディキンソンや、ホイットマンの詩。
    バカな友だち。

    マーゴの歯みがきとコップの下には、シルヴィア・サラスの『ベル・ジャー』と、カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』 _いざそのときになったら、手首はとても白く頼りなく、どうしてもできなかった。自分が殺したいものは、皮膚の下にも、親指の下ではねる薄青い脈の中にもなく、どこか別の、奥深く、秘密めいた、とても手の届かないところにあるように思えた_

    すごく、素敵なラストだったな。

    3年ほど積読してた本をやっと。

  • 「平凡な高校生クエンティンが、物心ついたころから恋していた幼なじみ、マーゴ。ある晩を境に忽然と姿を消したマーゴのゆくえを追ううちに、クエンティンは、彼女の意外な一面を発見していく。新世代青春小説の旗手、ジョン・グリーンによるエドガー賞受賞作。」

    ・美人で魅力的で謎めいた少女マーゴ
    ・クエンティンはごくごく平凡な男子。
    ・クエンティンは、マーゴを探すうちに、マーゴという女の子、ひいては自分のことを見つめ直すことになる。

    「「もうすぐ高校生活もなにもかもが終わる(中略)一歩離れてみんなを見ているのは嫌じゃないーこういった寂しさは気にならない。黙って話を聞いていたら、すべてが終わってしまう喜びと悲しみが胸のあたりでぐるぐると渦を巻いて、どんどんエスカレートしていく。」こうした青春時代特有の胸の疼くような感覚を描かせたら、ジョン・グリーンは今、アメリカ一、いや世界一の作家かもしれない。」(『10代のためのYAブックガイド150!2』ポプラ社 より抜粋)

  • はちゃめちゃな展開だけど、引き込まれた。

    両親からも幼なじみのマーゴの両親からも「いい子」と言われる主人公クエンティンに対し、両親も手を焼くマーゴ。

    卒業を間近に控えたアメリカの高校生、それぞれの思いも生き生きと書かれていると思う。

    ジョン・グリーンを3冊立て続けに読み、もう十分だという気持ちも。

  • SF好きの中で黒丸尚が特別な重みを持つように、海外の児童文学を読む人にとって金原瑞人・訳というのは、それなりの意味を持つ。と、私は思う。
    というわけで夏にこういう話を読みたくなると金原訳で物語を探すわけですが、なるほど現代アメリカの高校生事情から生まれる青春の形とはこうなるんだろうなぁ、と感心する本でした。
    こういうのってスクールカーストからみて負け組の奴らが頑張る話かと思いきや、主人公はプレップスで勝ち組側、とか。

  • 1番最初に読んだjg

  • 人間関係のあれこれや、現実と自分のギャップとか。もやもや思春期はどこの国でも、誰にでもある。

  • これは人気があるわ。
    同年代の子にはキュンキュン来ると思う。
    親に反発、同年代の子たちへの共感、ぎりぎりまで追いつめられる気持ち、暴走、
    最後の最後がありふれたハッピーエンドにならず、それでも前を向いた別れになるところがまたいい。
    あなたと私は違う、そのことがきちんとわかっていて、お互いを認め合う、いい。

  • アメリカ高校生の青春。プロム、卒業、仲間、恋、馬鹿騒ぎと人生がかかるような真剣さ、後半はロードノベル。白鯨とホイットマン。すごくアメリカ的な青春描写。
    まあ、あまりピンとこなかったけど力量は感じる。

  • 高校生の僕クエンティンは、幼なじみのマーゴに恋している。マーゴは学校の中心にいて、イケている奴らと付き合っている。一方クエンティンの親友はベンとレイダーの二人。イケてはいない。卒業間近にクエンティンはマーゴのミッションを手伝うことになる。内容はマーゴの取り巻きに対する決別を込めた復讐だった。
    その翌日からマーゴは姿を消してしまう。クエンティンのマーゴ探しが始まる。
    私はクエンティンのマーゴを見つけなくちゃという焦りを、滑稽に思ったり、マーゴの意志の強さに驚いたりしながら読んだ。
    途中、搜索が進展しないので中だるみに感じたが、クエンティンとベンとレイダーとレイシー(マーゴの元親友でベンの彼女)の4人が車でマーゴのところに向かう最後のくだりは、疾走感が有りまさに高校生の青春が描かれていて引き込まれて面白かった。

  • 高校生のクエンティンが突然姿を消したマーゴを捜すため、友人たちと奮闘する。出てくる登場人物たちのキャラクターが一人ひとりが魅力的に描かれている。
    ペーパータウンとは地図の盗用防止のために作られた地図上にのみ存在する場所のこと。これがキーワードになって物語は進んでいく。

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著者プロフィール

John Green

1977年,インディアナポリス生まれ.オタク的感性と高い文学性,エンターテインメント性を兼ね備え,2005年発表のデビュー作『アラスカを追いかけて』で2006年度マイケル・L・プリンツ賞受賞.『ペーパータウン』でエドガー賞ヤングアダルト部門賞受賞.『さよならを待つふたりのために』でTIME誌の2012年度の小説1位に選ばれるなど,今もっとも注目されている作家.弟のハンク・グリーンとYouTubeに動画を投稿する,Vlogbrothersの活動でも知られている.

「2019年 『どこまでも亀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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