- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001164053
作品紹介・あらすじ
ヘイゼルは十六歳。甲状腺がんが肺に転移して以来、もう三年も酸素ボンベが手放せない生活。骨肉腫で片脚を失った少年オーガスタスと出会い、互いにひかれあうが…。死をみつめながら日々を生きる若者の姿を力強く描く、傑作青春小説。
感想・レビュー・書評
-
ジョン・グリーンさんの
『THE FAULT IN OUR STARS』
翻訳本『さよならを待つふたりのために』
金原瑞人•竹内茜訳
去年1番泣いた本。
洋書で読み、理解の浅かった部分を確認したくて
図書館で借りる。
洋書を読むと翻訳本ではどのような表現になっているのだろう?翻訳本を読むとその反対を思う。
んーつまり、勉強不足…。
翻訳者さんって素晴らしいな。
たくさんの感動を届けてくれる翻訳者さんに
最敬礼です( ̄^ ̄)ゞ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヘイゼルは16歳.甲状腺がんが肺に転移して,酸素ボンベが手放せないまま,もう三年も闘病をつづけている.骨肉腫で片足を失った少年オーガスタスと出会い,互いにひかれあうが…….生きて人を愛することのおかしみや喜びをまっすぐに描き,死をみつめながら日々を送る若者の生々しい感情をとらえた,傑作青春小説.映画「きっと、星のせいじゃない」の原作小説。
映画版とほぼストーリーは同じだが、オーガスタスにがんで亡くなったキャロライン・メイザーズという元カノがいて、ヘイゼルとよく似ていたためオーガスタスの自分に対する好意に自信がなくなり、自分のためにオーガスタスに迷惑をかけたくないというヘイゼルの葛藤、ヘイゼルの親友ケイトリンと以前のように仲良く過ごせない距離が縮まらないヘイゼルの悲しみが映画では描かれていない部分なので、映画を見た人でも楽しめる傑作青春小説です。 -
甲状腺がんが肺に転移して三年前から酸素ボンベが手放せなくなってしまった十六歳のヘイゼルと、骨肉腫で片足を切断した十七歳のアウグスタスはサポートグループで出会い、二人は互いに惹かれ合う。いつ現実のものとなるか知れない『死』の影が断続的に二人の関係に影を落とすが、同時にそれは今ある『生』を苦しいほどに輝かせる刹那でもあった。
「ヤングアダルト」なる小説のジャンルがあることを、『クロワッサン特別編集 すてきな読書』で知った。『ハリー・ポッター』シリーズや、過去に読んだフランシス・ハーディング『嘘の木』などと並んでこの本が紹介されていて、興味を持った。今回感想文を書くにあたってブクログで検索したらこの表紙の写真が出てきて(私が読んだのは可愛らしい牧歌的なイラストが描かれた単行本だった)、観たことはないけれどタイトルは聞いたことがあるこの映画の原作であることを知った。
不治の病に侵されたティーンエイジャーの男女を主人公に据えた物語で読者の涙を誘うことはおそらく容易い。でもこの作品はありきたりな御涙頂戴ものではまったくない。若き登場人物たちのエッジの効いたテンポの良い会話はユニークで痛快だし、愛する我が子を失う日がいつ来るとも知れない不安を心の奥底に常に抱えながら、できる限り穏やかに、適度な距離を努めて保って、子どもの成長を、苦悶を、逡巡を、希望を見守ろうとする親たちの姿は胸を苦しくさせる。本来ならまだその気配すら感じずにいられた『死』を日々意識せざるを得ないヘイゼルも、アウグスタスも、サポートグループの他のメンバーも、本当はもっと泣いたり喚いたり誰かに思い切り感情をぶつけたりしたいだろう。でもそうする代わりに自分たちを苦しめる病魔をネタにして、読んでいるこちらはそこまで言って大丈夫?!とハラハラしてしまうような自虐ジョークを言い合って笑う。今ある命、今自分たちにできることを最大限に謳歌して、懸命に生きようとする彼らの儚くて力強い生命力が印象に残った。 -
よくある難病ものね、なんて思ってはいけない。
自尊心を大切にした恋。相手のも。自分のも。友達のも。家族のことも。 -
YA向けブックガイドから。年齢的にはまだ大人でもないのに、突然癌の不条理に曝されて、それでも病気と向き合わなければならないリアルが、容赦なく描かれている。当たり障りなく、お涙頂戴ものに落とし込むのはさして難しくないと思われるけど、安易な悲劇に走らず、主人公たちの死生観に真摯に向かっていく展開が秀逸。
-
◆The Fault in Our Stars◆
映画「きっと、星のせいじゃない」の原作本。
ヘイゼルとオーガスタス、互いに惹かれあう10代の二人の物語。ただ、二人の出会いは若きがん患者たちの(くだらない)集会で、ヘイゼルは甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが手放せないし、オーガスタスは骨肉種で片脚を失っている。死と隣り合わせでありながら御涙頂戴ではなく、シニカルでユーモアある若者が葛藤しながら日々を生きていく姿に心が動かされます。 -
「ヘイゼルは十六歳。甲状腺がんが肺に転移して以来、もう三年も酸素ボンベが手放せない生活。骨肉腫で片脚を失った少年オーガスタスと出会い、互いにひかれあうが…。死をみつめながら日々を生きる若者の姿を力強く描く、傑作青春小説。」
『高校図書館デイズ』(成田康子著 ちくまプリマ―新書)にて女子高生がこの本について語っているのを読んで、読みたくなった。
「ヘイゼルとオーガスタスは死を覚悟して毎日を生きているという点では共通しているのだが、死との向き合い方がまったく違う。ヘイゼルは自分のことを手榴弾に例えて「いつか爆発する。だから犠牲を少しでも減らしたいの」と言い、人とのかかわりを避けて生きていこうとする。一方、オーガスタスは自分の存在を忘れられることを怖がり「おれが怖いのは、意味のある生き方も死に方もできずに終わることなんだ」と、自分がいきていたという証を残したいと考える。ー翻訳を読んだのに、あらためて英語で読みたいと思ったのは、あるサイトでこの本の引用を読み、原文の美しさに惹かれたからだ。単語のチョイスやメタファーが好きだった。たとえば、この文。
As he read, I fell in love the way you fall asleep:
slowly, and then all at once.
(物語を語るガスの声を聞いているうちに、私は恋に落ちた。眠りに落ちるように、だんだんと、そしてすとんと。)」
(『高校図書館デイズ』p50より) -
最初はなじまない言葉(漢字に原語のカタカナ表記を当てられていたり、"文字通りキリストの心臓"とか)が多くて読みづらかったけれど、3分の1過ぎあたりから一気読み。
最後まで読んだあと、もう一度読み返すと、主人公や周りの人の感情がうまく書かれている箇所がところどころにあるのに気づきました。
酸素ボンベをつけたまま車を運転するとか、ちょっと想像が難しいけれど、想像に留めておけるのが本のいいところだとも思います。
キーポイントの一つだった主人公の愛読書(の作者)についてのエピソード、そして最後の主人公とその両親(特に母親)とのエピソードがよかった。
-
甲状腺がんが肺に転移し、酸素ボンベなしの生活が送れない少女と骨肉腫のため片足を切断している少年の恋物語。お互いがんが転移しており、自分たちの命は長くはないと悟っている。映画化されているとのことだが、どういう風に仕上がっているのか主役の少年少女が気になる。