- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001164077
作品紹介・あらすじ
マヤは、毒舌だけれど繊細な、美術を専門に学ぶ高校生。うっかりミスで親指の先を切り落としたことをきっかけに、離れて暮らす母親が失踪したことがわかる。母親は風変わりな人で、マヤとの関係も独特なものだった。けれど、突然いなくなるなんてなにかおかしい。マヤはひとりで行方を探そうとするが…。スウェーデンのアウグスト賞受賞!ユーモアたっぷりに、痛みも希望も描きだす力作。
感想・レビュー・書評
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中学時代に出会った本。図書室に入れてもらえたので再読。
端的に言えば最高。
昔は理解できなかったマヤの気持ちとか『大人っぽい』描写とかが理解できて前読んだ時より遥かに感動したし夢中になってしまった。
マヤの危なっかしい感じ、寂しい気持ちとか本当に共感そのもので……
走ったり、倒れ込んだり、シャワー浴びたり、大袈裟なくらいの描写なんだけどそのおかげで彼女のどうしようもない、むしゃくしゃする感情の流れが胸が痛いくらいに伝わってきた。
なんかちょっと性に奔放っていうか、寂しさを埋める方向に走りそうな感じとか分かる。
なんでこんな寂しいんでしょうね。
皮肉っぽいけど繊細、クールに振る舞って心を武装してるけど本当は……ってね。
それこそ『倒れて血を流し』ちゃいたいくらいなんだよな。
私もマヤと同じくらいの年齢だし家族の色々とか共感する部分もあって刺さった。
読み応えもあって本当に良い作品だった。
変わらずヴァルテルが好き(エッチなので)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ティーンの痛みをよく書き出している作品
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高校生のマヤは父親と二人暮らし。離れて暮す母親は、大学で教えている。美術を専攻しているマヤは、彫塑の時間に母親の誕生日プレゼントにしようと思っていた本棚を作ろうとして電動ノコで左手の親指の先を切り落としてしまう。落ち込む気持ちのまま、週末を一緒に過ごす母親の家へ向かうが、母親は姿を消していた。マヤは、父親にも内緒で母親の行方を追う。
北欧らしい奔放なマヤの生き方。高校生らしい危うさを秘めながらも、よりどころを求める気持ちがひしひしと伝わってくる。