コミック密売人 (STAMP BOOKS)

制作 : 杉本 あり 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 26
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001164107

作品紹介・あらすじ

1989年ブダペスト。15歳のシャーンドルは、仲間と奇妙な商売に手を染めていた。それは秘密裏に入手したアメコミを売りさばくこと。ところがコミックを提供してくれるミクラさんが失踪し、シャーンドルの人生もまた思わぬ変転を迎える。独裁政権下のハンガリーを舞台に、思春期の少年の葛藤と成長を描く。イタリアの児童文学賞バンカレッリーノ賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は1989年のハンガリー・ブダペスト。
    15歳のシャンーンドルは、仲間と奇妙な商売に手を染めていた。それは秘密裏に入手したアメコミを売りさばくこと。
    社会主義、ソ連のもとにあったハンガリーでは、「アメコミ」は統制されるべきものであり、読むことも持つことも認められていなかった…「若者をダメにするもの」として。

    早くに亡くなった父の代わりにやってきた「新しい父」との関係をうまく築けないシャーンドルは、家に居場所を見いだせず、友人たち4人組でコミックの密売を行い、絆を深める。

    ところが、コミックを提供してくれていたミクラさんが失踪。コミックが入手できなくなり、それまでの顧客からは不満が…。さらに校長先生にコミックの密売が発覚し!?

    仲間との関係、家族との関係、ご近所さんの視線。

    様々なものに不満を抱き、現状からの逃避をめざす少年の成長物語。

  • あのときの僕と君が描いた世界。

    予想より読みやすかった。思ったほど、悲惨な話じゃなかったし。独裁政権下のハンガリーが舞台だというから、ちょっと覚悟していたけれど。

    描かれているのは思春期の葛藤。社会や大人への不信、危険の憧れ、自分の無力さと特別感の矛盾。アメコミが見せてくれたのは、信じることの大切さと、現状から飛び出す勇気。

    20年後のエピローグはちょっと陳腐かもしれないけれど、陳腐というのは尊いものだと思う。

  • 1989年、ブダベスト。ぼくはアメリカン・コミックの密売をしていた。そのころのハンガリーは社会主義国家で、西側のコミックを密売することは、相当ヤバイことだった。ある日、コミックをぼくにもってきてくれていたミクラさんが失踪し、ぼくの身の周りにも危険がせまりつつあった…。
    独裁政権のもとで、自由の国アメリカのコミックに夢中になる少年たちの弾む鼓動が聞こえてくるような物語。

  • 社会主義が続く80年代のハンガリーを舞台に15歳の少年がアメコミの密売人をするストーリーは、すごく面白いわけではないけど、両親や友人との関係性を中心に描いてる印象で気軽に読めた。

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著者プロフィール

1974年、イタリア、ピエモンテ州生まれ。児童文学作家。高校時代より短篇の創作をはじめる。15日間で書きあげた『La Strada del Guerriero(戦士の道)』で1998年にデビュー。以降、数々のベストセラーを世に送りだす。謎解き冒険ファンタジーである『ユリシーズ・ムーア』シリーズ(学研プラス)は、世界数十か国で翻訳されている。『コミック密売人』(岩波書店)で2012年度バンカレッリーノ賞受賞。
共著に本書の姉妹編『13歳までにやっておくべき50の冒険』(太郎次郎社エディタス)がある。

「2018年 『モテる大人になるための50の秘密指令』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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