- 本 ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001164268
作品紹介・あらすじ
高校生のナタリーは、ドーバー海峡横断泳への挑戦を決心する。難民支援の募金活動のためだ。そのときサミーは、アフリカの独裁国家エリトリアを逃れ、命がけではるかイギリスをめざしていた。運命のいたずらが痛みを抱えたふたりを結びつける。そこに希望は生まれるのか――。カーネギー賞最終候補に選ばれた力強い詩物語。
感想・レビュー・書評
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図書館の新刊コーナーにあって
たまたま手に取った1冊
慟哭しました。
というレビューを見たけど
まさに
知らない世界の現状を知ることは
時として心の痛みを伴うけれど
同じ地球、同じ時代を生きる者として
知ることは大切なことだと思う
2人の日記のような
行動や会話、思いが交互にテンポよく進んでいく
あっという間に読了
苦しさとともに。 -
イギリスの少女と難民の少年が、一つの言葉でつながる、そして交錯し離れていく。軽いタッチで描かれているけれど、情景が目に浮かぶほど。少女の生活もリアルに描かれていて、難民を受け入れる社会の実情が見て取れました。なんとかして国を出てイギリスに、と願う少年の道のりは実に苛酷。日常的にどこかでこんな場面が繰り広げられているのかと思うと胸が痛い。そんなことを思わせてくれた本作、読んで良かったです。
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イギリスに住む高校生のナタリーは、難民支援の活動をしていた母を亡くした。アフリカのエリトリアから逃げた少年サミーは、親友とともにイギリスを目指した……。
難民問題を扱った作品は多くあるが、その中でも(比べるものではないかもしれないが)サミーの経験は過酷で、それが最後の展開に結びついていく。エリトリアの情報は日本ではほとんど聞かない気がする。ナタリーは、正しいと頭ではわかっていながら、行動に移せず悩み苦しみ罪悪感を抱え、そこに多くの読者はひじょうに共感できるのではないだろうか。イギリスでの難民受け入れに対する拒絶がこんなにも激しいのかとあらためて感じながら、日本での難民に関する関心の低さと、これからさらに強くなるかもしれないヘイトのことを考えると、ぜひ読まれてほしい作品だと思う。
難民問題について考える時、人を国で分けるのではなく、同じ人間だと考えることの大切さ。それがこの作品では「同じ星屑でできている」という言葉になっている。
原書のタイトルは The Crossing 。ナタリーとサミーの不思議なつながりは、文章でも見事に表現されている。 -
横書きで日記というかポエムのような読み物。YA~
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内容は重たいが文章が短いので億劫にならずに最後まで読める。エリトリアという国があることを初めて知った。世界には知らない問題がまだまだたくさんある。
https://x.gd/X640q
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