ドン・キホーテ 全6冊 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (2546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002010588

感想・レビュー・書評

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  • 最終章の急転直下的クロージングを除くと、このキャラ設定は現代ではアウトですよね。というのも、今風にいうと、この御仁は世間の人から一定の保護というか目配りやら気配りが必要な人でかつ老害を振りまいていますよね、残念ながら。そういう人をみんなで寄ってたかったおちょくるのは、はい、アウト!その観点とは別に、騎士道精神物語をパロディってるようですが、武士道精神をパロディる本とかもあって然るべきかなあ。そんなのあると三島みたいなのがマジギレしそうですけど。
    ーーーーー
    騎士道本を読み過ぎて妄想にとらわれ、古ぼけた甲胄に身を固め、やせ馬ロシナンテに跨って旅に出る。その時代錯誤と肉体的脆弱さで、行く先々で嘲笑の的となるが…。登場する誰も彼もがとめどもなく饒舌な、セルバンテスの代表作。その名も高きドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャとその従士サンチョ・パンサ、例によって思い込みで漕刑囚たちを救ったあげく、逆に彼らに袋だたきにされ、身ぐるみはがれる散々な目に。主従はお上の手の者の目を逃れ、シエラ・モレーナの山中に。一六、七世紀スペインの片田舎で、意気軒昂たるドン・キホーテが「冒険」を演じているとき、そこには、実は何ひとつ非日常的なことは起こっていない。彼の狂気が、けだるく弛緩した田舎の現実を勇壮な「現実」に変え、目覚ましい「冒険」を現出させる。「後篇」では、ドン・キホーテの狂気は大きく様変わりする。もはや彼は、自らの狂気に欺かれることはない。旅篭は城ではなく旅篭に見え、田舎娘は粗野で醜い娘でしかない。ここにいるのは、現実との相克に悩み思案する、懐疑的なドン・キホーテである。鷹狩りの一団の中でひときわあでやかな貴婦人が、挨拶に向ったサンチョ・パンサに言う。「あなたの御主人というのは、いま出版されている物語の主人公で、ドゥルシネーア・デル・トポーソとかいう方を思い姫にしていらっしゃる騎士ではありませんこと」。物語も終盤にさしかかり、ドン・キホーテ主従は、当時実在のロケ・ギナール率いる盗賊団と出会い、さらにガレー船とトルコの海賊との交戦を目撃することになる。さて、待望の本物の冒険に遭遇したわがドン・キホーテの活躍は…。

  • 5億部以上の売上で単一書籍においては世界で最も売れた不朽の名作。

    騎士道物語を読みすぎて現実と空想が入り混じり、狂気的な行動を繰り返すドンキホーテと愉快なお供サンチョのコンビは最高に面白い。
    当時の人がこの本を読んでゲラゲラ笑っていたのは現在も読まれる何よりの証拠だろう。

  • 集英社版 世界文学全集3

    初めて最初から終わりまで読んだ。
    約500年前に書かれたものとは思えない風刺、今に通ずる。
    ほとんど狂人なんだけど、憎めない。
    信念の貫き具合は尊敬する。

  • 何もせずにぐーたら生きてる人より、おじいさんのように自分の心を満たすために行動してる人の方がとても尊敬できる。

  • 大長編です。しかも本筋に関係なさそうな話も出てきます。基本的には喜劇ですが、ラストには泣かせ処も。はたして、ドン・キホーテは狂人であったのか、人間の理想と高貴さを彼の中に見た思いがしました。

  • これをよみながら、いまや私もドン・キホーテさながらの魔法にかかり、幻想に生きていることを認めなければなりません。床屋や神父の幻想なんてクソ食らえ。

  • 死ぬ間際まで自分を騎士と思い込む精神障害の主人公。魔法は存在し塔は巨人である。世間の人は面白がり、読者にとっても面白い。死ぬ間際に正気になり、それまでの約束事を遺言として果たす。根は賢く良い人。称えられながら(馬鹿にしている訳でない)死ぬ。

  • 全ての、趣味が悪いオタクが読むべき大傑作。

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著者プロフィール

Miguel de Cervantes Saavedra(1547 – 1616)

「2012年 『新訳 ドン・キホーテ【後編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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