モンテ・クリスト伯 7冊美装ケースセット (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (2972ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002011332

作品紹介・あらすじ

二百年の長い間,世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳.無実の罪によって投獄された若者ダンテスは,十四年間の忍耐と努力ののち脱出に成功,モンテ・クリスト島の宝を手に入れて報恩と復讐の計画を着々進めてゆく.この波瀾に富んだ物語は世界大衆文学史上に不朽の名をとどめている.一八四一―四五年.

感想・レビュー・書評

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  • 生きてきて他人に嫌な目に遭わされた人ことがない人は少ないと思うが、それに対して復讐をした人も少ないのではないだろうか。この小説は無実の罪で14年も投獄された主人公ダンテスがシャトー・ディフから脱獄し、モンテ・クリスト島の莫大な財宝を活用して自分を陥れた4人の人間たちに復讐するまでを描いた話なのだが、その過程を細かく追うことで非常に(物語的にも物理的にも)厚みのある話になっている。

    読む前はなぜここまで長いのかと思っていたが、復讐の方法は背中から一発撃って終わりにするような単純なものではなく、隠していた過去の罪を世間に公表させたり、因縁の相手の妻を唆して家族を毒殺させてじわじわといたぶるなど綿密な計画と長い準備が必要なためだった。このために脱獄してから誰が自分を陥れたかを調査し、協力者を集め、身分を偽って社交界に入り込み、因縁の相手の弱みを握り、関係者を都合のいいように動かすために唆すなどの描写がとても長く、脱獄してから復讐の相手が倒れるまでに文庫本3冊ほどを費やしている。それでも定期的に盛り上がるポイントを挟んでいるので、読んでいてダレることはほとんどなかった。最後まで読んでダンテスの復讐がどうなったかを見届けたときは簡単に読み終わる本では得ることができない大きな達成感を感じた。これだけ長い本だとなかなか読もうという気持ちにならないので、今読んでよかったと思う。

    印象に残った点をいくつかあげると、
    ・読みにくいほどではないが言葉遣いが時代がかっていて、改訳することの意味を感じた。

    ・因縁の相手はほぼ全員ダンテスのことを忘れていて、変装が完璧だったとはいえ本人を目の前にしても言われるまでまったく思い出さないのが妙に現実味があった。また誰も彼もがダンテスのいいように操られるのが滑稽でもあった。

    ・フェルナンは最終的に自殺したが、裏切った相手はダンテス以外にも多くいることが示唆されており、他にを恨みを買っている人間が多々いる中でダンテスひとりが具体的な復讐に打って出てきたところで自殺までするほどだろうかと思った。

    ・フェルナンと結婚した元婚約者のメルセデスに対しても事情を何も知らなかった相手に少し薄情ではないかと感じてしまった。メルセデスは憎悪、貪欲、利己心よりも恐怖のためにダンテスの元を離れたというので自分を責めているが、前者3つの方が邪悪で情状酌量の余地はあると思うのだが

  • 冊数に尻込みする方も多いと思うのですが、心配ご無用です。
    ただ単純に、面白い。実によくできたエンターテイメントです。
    気づけば読むのが止まらなくなってることでしょう。

  • コロナの騒ぎが本格的になってきた不安から目をそらすようにして、ひたすら読みふけった記憶。
    娯楽性の強い、大変、スピーディーな作品で、特に「どうやって復讐するんだろうか……」という、ドキドキ感もあって、一気に読み終えてしまった。
    あと、どう言語化して良いのかわからないけども、なろう小説の原型のようなものを感じた(無実の罪で幽閉された俺が億万長者になってにっくい相手に復讐しまくる話)……。

  • 復讐はいつでも甘美なものだ。

  • 幼い頃『岩窟王』の名で知られた夢と冒険の小説です。しかし、復讐とは果たして神にとって許されるものでしょうか。幼い日とは異なる視点からこの作品を見ることができました。

  • 復讐をテーマにした世界文学の最高峰。

  • 実際にはバラで買って読みました。

    人生のどん底まで落ちた男の復讐劇。
    結婚式の最中に濡れ衣で捕まり刑務所へ、脱獄したら濡れ衣着せた人間達が裕福な暮らしを送っていたら復讐したくもなります。

    最後まで読んだ感動は今でも忘れません。

  • かなり昔の作品ですが全く古臭さを感じない名作。全7巻と長いですがめまぐるしく物語が展開するので飽きることなく読み進められます。一生に一度は読んで欲しい作品。

  • 期待してなかったがすごく良かった。

  • この中でもとりわけ私が好きなのは

    ヴィルフォールがベネデッドの裁判の帰り道

    馬車の中で「蛇と虎の夫婦だった」と思いあたり
    エロイーズを許し、共に生きていこうと思い至る所です。

    (まあ、それは叶わないのですが…)


    罪の自覚、それに惹かれるのでしょうか。



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    この小説には三人のヒロインが出てきます。

    そのうちの一人、エデを取引したエメラルド。
    それと同じエメラルドで作らせたピルケースが

    イスタンブールに行った時、宮殿に飾られていました。


    デュマはこれをきっと観た事があったんだなぁ…と感銘を受けました。

    (エデを買ったのもイスタンブールですしね)


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    非常に面白い物語です。
    デュマの小説はどれも面白いです。三銃士も、王妃マルゴも。

    (面白すぎるので感想らしい感想は書けそうにありません)

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著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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