- Amazon.co.jp ・本 (1534ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002041629
感想・レビュー・書評
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半年かけてやっと5巻読み終わった。ある講演会で「ハリー・ポッター」は二流で、こちらが一流の児童文学であるという話を聞いて読み始めた。(だいたい権威に弱いのだ。)「ハリー・・・」がどうだかは読んでいないので分からない。映画を見る限りではおもしろいと思うが、それはたぶん娯楽としてのおもしろさで(それで何が悪いと言われればそれまでだけど)、「ゲド・・・」の方が文学としてはきっと上なんだろうと思う。上下なんてどうでもいいのだけど。それで自分で読んでみてどうだったか。確かにおもしろい。かなり長期にわたって読んでいたにもかかわらず、一つ一つの場面が思い出される。最後の方では、まだ終わらないでほしいと思えるくらいだった。(こんな風に思える本はそう多くはない。)人によっては少し退屈に感じるかも知れない。特に第2巻などは、いつになったら場面が変わるのかと思うほど先に進まない。しかも主人公のゲドが現れない。僕は個人的には第3巻が一番おもしろかった。特にいかだに乗って生活している人々との出会いのあたり。自分がそんな生活をすることになったら、なんて想像すると身がすくむのだけど。それから最後に生と死の世界の間をさまようところ。ハラハラドキドキさせられる。この5冊の本は著者が何十年にもわたって書き続けてきたものです。おそらく著者はこの期間の世の中のいろいろな動きを見て、さらにさらにと突き動かされるように書いてこられたのではないかと想像します。その思いをぜひ読みとっていきたいものです。単行本しかないので、私は全部図書館で借りて読みました。(その後、単行本のセットを購入。そして、さらにその後、ソフトカバーも登場。それまで、買うのを待てばよかった。かさばってしょうがない。何のために買ったか。子どもに読ませるため。しかし子どもは読まない・・・)