魔女ランダ考―演劇的知とはなにか (同時代ライブラリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002600345

作品紹介・あらすじ

バリ島の文化に深く根をおろし、演劇の主人公として人々と共に生きている魔女ランダと、近代社会の根源的な問い直しを企てる哲学者との豊饒な出会い。死や痛みを含むから、二分法的な思考を越え我々の世界観をゆさぶる、へ。既成の知のあり方を問い、ダイナミックな組換えを追求する。

感想・レビュー・書評

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  • 「現在、人間の隠された世界の解明を目指すさまざまな学問領域、つまり精神医学、文化人類学、比較行動学、記号学などにおいて、知るものと知られるものとのいきいきとしたダイナミックな交流を生み出す感受性、直感、経験、演技性が要求されてきている。それは、理由のないことではない。そららの諸学問においてそのような諸点が前面に出てくる時、疑似科学だとか遊びだとか言われることも少なくなかったけれど、そのような無理解こそかえって新しい知の到来と方向を示していたといえよう」

    ここに演技性、つまり役割が並列に記載されているところに深みを感じる。そしてこれらを解き明かすことは自然科学のちから、もう少し広げれば計量的な手法では問題があるように思う。

    そうした場合、一番やってはならないのは疑似科学的な方法、すなわち「科学という権威を用いてそれらしく見せる」ということである。それなら開き直って、「これは遊びですよー」といってやったほうがよほど誠実に違いない。

    これらを解き明かそうとする解釈やら何やらというのは、開き直ってその「魅力」で語るからこそ強いのであって、「真実性」を押し出すことは間違いなのだ。

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著者プロフィール

1925年、東京都出身。哲学者。明治大学名誉教授。東京大学文学部卒業後、文化放送に入社。その後、明治大学法学部教授を長く務めた。西洋哲学をはじめ日本文化・言語・科学・芸術などに目を向けた現代思想に関する著書が多数あり、主要著作は『中村雄二郎著作集』(岩波書店、第1期全10巻・第2期全10巻)に収められている。山口昌男と共に1970年代初めから雑誌『現代思想』などで活躍、1984年から1994年まで「へるめす」で磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、山口昌男とともに編集同人として活躍した。

「2017年 『新 新装版 トポスの知 箱庭療法の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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