蝶 (同時代ライブラリー 105)

ヘルマン・ヘッセ 岡田朝雄 フォルカーミヒェルス

• 岩波書店 (1992年3月16日発売)

作品紹介・あらすじ

美しいもの、亡びゆくものの象徴-蝶を、生涯にわたって愛しつづけたヘルマン・ヘッセ。蝶採集のときめき、異国の蝶や高山の蛾の珍品との出会い…。「華麗な恋人」蝶との熱いかかわりを綴る散文作品と、「色美しくそよ風のように飛ぶ」蝶を讃え、「きらめきながら消えてゆく」生命の神秘をうたいあげた詩。手彩色の銅版画などのカラー図版で飾る。

感想・レビュー・書評

[雲かづき童さんの感想 · 2024年10月19日]

高貴な音楽は、子供のほほえみと死の悲しみを併せ持つだとか、自然は絵であり言葉であり象形文字だとか、ヘッセが自らの感覚について内省し美しく詩的に表現する様子を愉しむことができて、たのしかった！！！

[mikiyukiさんの感想 · 2023年3月23日]

クジャクヤママユ　－いくら詫びても思い通りにはならない
マダガスカルの蛾　－いくつになってもトキメクものがあるっていい
インドの蝶　－いつでもどこに行ってもヴィクター・ヒューズがいる景色
散文に詩　ヤーコプ・ヒューブナーの手彩色の銅版画　素敵に綺麗な本

[無夜さんの感想 · 2011年5月29日]

図書館で借りました

　詩・エッセイ・小説
　キレイな言葉で、蝶を賞賛する。
　中はカラーで蝶や蛾の絵が描かれているので、この値段はいたしかたなく。。
　蛾も蝶も、あちらでは区分がないらしい。
　確かに、専門家でも区分は不可能だからね。。
　
　教科書にも載っているらしい「クジャクヤママユ」の物語。
　とにかく、あたかも恋人を褒めるがごとくに、ヘッセは蝶を語る。
　読んでいて無夜もキレイなものを書きたくなりました♪　

「　編・V・ミヒェルス　」
　とあるように、あちこちに書いたものや、物語の中の蝶に絡む部位だけこの彼によって抜粋されている。
　これを読むと、ヘッセがいかに蝶を愛で、庭仕事とか好きだったかわかる。（蝶のためにイラクサを植えたりしているから）

[soloさんの感想 · 2006年11月21日]

国語の授業はきらいだったのでこればかりずっと読んでた記憶がある。

[帽子屋さんの感想 · 2006年11月14日]

私の中で永遠に消えないあの子はまるで少年の日の思い出の蝶のよう

[etude houseさんの感想 · 2005年9月23日]

『少年の日の思い出』教科書で読んだ、美しくもろい少年の姿。

著者プロフィール

1877年ドイツの南部カルヴに生まれ、スイス・バーゼルの牧師館で育つ。「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と神学校を中退、町工場や書店で働くかたわら、独学で文学の勉強を続ける。1902年、後に『青春詩集』と増補改題された『詩集』を発表。1904年『郷愁』を書きあげ、一躍人気作家となる。同年に結婚、ライン河畔の寒村に移り、長編『車輪の下』（1906）、『春の嵐』（1910）を発表。両大戦に対しては平和主義を表明する。その間、『デミアン』（1919）、『ガラス玉遊戯』（1943）などの小説を書く。1946年、ノーベル文学賞、ゲーテ賞を受賞。1962年、85歳で死去。

「2025年 『ヘッセ詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」