シャーロック・ホームズの記号論―C.S.パースとホームズの比較研究 (同時代ライブラリー (209))

制作 : 富山 太佳夫 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 55
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002602097

感想・レビュー・書評

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  • 2017年10月8日に紹介されました!

  • チャールズ・パースとシャーロック・ホームズの類似点を探った本書。演繹でも帰納でもない、アブダクション。
    人間が、演繹や帰納などという機械的な思考をするはずはないと思っていた。そんなのコンピュータと同じだ。
    人間の脳は両者を同時に行えるような複雑さを持っているそれがアブダクションだ。厳密な直感とでもいうべき能力を、人間は備えている。それを再確認できた本だった。

  • 「探偵パースと記号学者ホームズ」という掴みはネタっぽいが、内容はちゃんとしたアブダクション解説になっているというのが面白い。パースの科学哲学について大まかな知識を入れておくと読みやすいかも。

  • ホームズの推理の基本は、当て推量(ヤマ勘)である。というシャーロッキアン卒倒ものの指摘を、アメリカの哲学者C.S.パースの理論と照らし合わせながら、平易に解説する論理学入門書。ワトソンの靴に赤土が付いている、という事象から導き出せる100の可能性を、ホームズはすべて検証するわけではなく、あるフィルターを通して90の可能性は捨てている。ある種のひらめきの結果。この当て推量(ヤマ勘)システムは、記号論・脳科学・行動学、その他あらゆるジャンルでいま熱いテーマなのだという。ちなみにc.s.パースという方、探偵業のようなエピソードも紹介されている。アメリカ政府から借用したティファニーの時計を盗んだ船員を、何十人の中から探し出している。そこでも重要なのが「ひらめき・ヤマ勘」。このエピソードだけでも読む価値あり。

  • シャーロック・ホームズとパースの推論に関する比較考察です。
    それはアブダクション、当て推量と言われるものです。
    記号論自体の記述は少なくて、付録の対談にある程度かなと思います。
    読みやすいです。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――○
    「われわれの思索の中に新しい暗示がきらめくのは、それまで結びつけようとは思いもしなかったことを結びつけてみようと思った瞬間である」6
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    私は学者というものは集中して研究に、つまり思索して書くことに打ち込めるのは、一日のうち二、三時間だと思います。二、三時間以上集中できると言う学者の言うことにはどこか嘘があると思います。しかしながら問題は、残りの時間をどうやって過すかということにあります。一人一人の違いが出てくるのは、ここにおいてです。150
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    大抵の場合、難解さとは知的誠実さの欠如にほかならない。難解であるというのは、見苦しいことなのだ。180
    ――――――――――――――――――――――――――――――○

  • 「尋常でないものこそ,邪魔になるどころか手がかりになる」ホームズ
    「限りなく小さなものこそ,計り知れない重要性を有するのです」
    「僕は当て推量なんかしない」ホームズ
    「しかし,我々は当て推量によって真理に達するか,全く諦めるか,どちらしかない」パース

    エスノグラファーは探偵たれ

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