西洋古典こぼればなし (同時代ライブラリー 238)

著者 :
  • 岩波書店
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002602387

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  收録文中「音読と黙読――歴史上どこまで確認できるか――」は、書物史に關心ある者にとりて必讀なり(初出の註を省けるは遺憾なれど)。
     また「二人の古典学者について」等、文獻學者A・E・ハウスマン(詩人としてではなく)に就ての所述が殊に興そそる。前著『語学者の散歩道』(研究社出版、1991)のハウスマン評と併せ讀まば更に興味増すべし。おゝ偉大なる學匠詩人ハウスマンよ……ホンマ難儀なお人やなあ。
     この愛すべき畸人と對比せられるもう一人の古典學者ギルバート・マリや、延いてはマリが傾倒せしジェーン・エレン・ハリスンらケンブリッジ・リチュアリストへの批判には專門柄傾聽すべき言あり。附記して參照を請うてゐる「悲劇の起源は祭祀か」(『現代思想』一九七三年八月號)も、讀まいでおかれうか。本邦にても福田恆存から西郷信綱まで依據せる『古代藝術と祭式』が誤謬學説なりけりと知られる。
     文體は平易にして考證癖を含みつつ自づから諧謔味を漂はすあたり、手に入ったもの。著者も自覺の上ならむ、師・田中美知太郎の著を英譯する話や「ラテン語版『クマのプーさん』など」は文體論として讀むも可なり。但し後者にて指摘せられたる通り、ラテン語はおよそ樣々なることが言ひ得るも中に言ひにくきこともあり(p.173)とせば、その傳にて同樣に、柳沼の文章は趣味あれどもこの文體にては論じ切れぬことも何かあるべし。それは何か? 

     拙文「校正癖 あるいはコレクトマニア綺譚」で參照した。
    http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/1959/GS/correct01.htm

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

筑波大学名誉教授
1926年 東京都生まれ
1949年 京都大学文学部卒業
筑波大学・大妻女子大学教授を経て1999年退職
主な著訳書
『ギリシア ローマ古代知識人群像』(岩波書店)
『西洋古典こぼればなし』(岩波書店)
『語学者の散歩道』(研究者出版)
プルタルコス『食卓歓談集』(岩波文庫)
プルタルコス『英雄伝1』(京都大学学術出版会)
アテナイオス『食卓の賢人たち』1-5(京都大学学術出版会)
『トゥキュディデスの文体の研究』(岩波書店)

「2007年 『英雄伝2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳沼重剛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×