古事記 古典を読む (同時代ライブラリー)

  • 岩波書店 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (294ページ) / ISBN・EAN: 9784002602646

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  • 本書の冒頭でとりあげられるのは、日本人は箸を使い捨てにするというエピソードです。ここから著者は、スサノヲが出雲の国に降り立ったときに川を流れる箸を見て、上流にひとが暮らしていると知ったことや、オオモノヌシが蛇に姿を変えたことに驚いたヤマトトトビモモソヒメが箸で陰を突いたことに話をひろげていき、神話から現代にいたるまで人びとの精神の奥底に息づいてきたアルカイックな思考に沈潜していきます。

    こうした著者の議論のスタイルは、柳田国男と折口信夫の対談に触れているところで明瞭に示されています。この対談では、民俗学によって「記紀」以前のアルカイックな思考をさぐろうとする企図が、民俗学の二大巨頭によって語られています。著者はこうした民俗学的な手法にもとづいて古代の精神をさぐろうとする試みにならいつつ、現代にまでのこる「大歳の祖霊迎え」の習俗に、大化の改新の前年に起こった「青虫教」のエピソードをかさねて、古代の思考のありかたが現代にまでつながっていることを示唆しています。

    さらに著者の議論は、イザナミがカグツチを生んだエピソードから、古代の火に対する信仰のありかたへと文学的な想像力を飛翔させたり、あるいはアマテラスとスサノヲのウケヒによって誕生した三女神の信仰が、玄界灘の孤島である沖ノ島に生きつづけてきたことを紹介したりと、『古事記』のテクストを縦横にめぐって展開されていきます。

    民俗学や人類学の手法によって『古事記』を解釈する試みとして、興味深く読みました。



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    【要約】


    【ノート】

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著者プロフィール

益田勝実(ますだ・かつみ)
1923~2010年。山口県生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。元・法政大学文学部教授。国文学のみならず民俗学や歴史学の方法を駆使し、卓越した想像力をもってこの列島に息づく精神的古層を明らかにした、類まれなる研究者。著書に『益田勝実の仕事』(毎日出版文化賞受賞)『説話文学と絵巻』『秘儀の島』『記紀歌謡』『古事記』など。

「2015年 『火山列島の思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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