咬ませ犬 スポーツノンフィクション (同時代ライブラリー)

  • 岩波書店 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784002602967

みんなの感想まとめ

テーマは、スポーツ界での無名の英雄たちの物語であり、深い取材に基づくノンフィクションです。著者は、拳闘やプロ野球、競馬、ラグビー、登山など、一般には知られざる選手たちのプロ精神を巧みに描き出しています...

感想・レビュー・書評

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  • しっかりとした取材に基づくノンフィクション。基本的には中央公論などの雑誌記事をまとめたもののようである。掲載雑誌からみても、非常に筆力の強い文章で書かれた記事で、単純にインタビューをつなぎ合わせたような記事とは異なる。
    競馬と野球以外の3種目は深くは知らない世界ではあるが、きっちりとした取材の経過とともに読み進めていくことになるので、イメージが膨らみやすい。こういう人が書くからこそ、日の当らない人物についての記述でも頭に入る。
    ネット記事全盛の昨今はこういう重いノンフィクションはおそらくページビューを稼げないので流行らないと思われ、ある意味20世紀的ノンフィクションなのかな、とも思う。

  • 後藤正治が「掛値なしのプロ」と思う5人についてのノンフィクション。
    拳闘、プロ野球、競馬、ラグビー、登山。その分野のファンでなければ(ファンであっても)知らない人物を取り上げています。
    氏の筆が実に巧みで、華々しい成功譚のない人生の根底に流れているプロ精神をくみ上げる手腕は素晴らしいものでした。
    寡黙そうな彼らの、おそらく言葉にしようのない思いをさらりとした手触りで表現しながら、どこか一か所にドンと響く部分を潜ませている。
    清潔な林の空気を思わせる涼やかな後味でいて軽くない。
    時代を越えて読ませる一冊だと思います。

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著者プロフィール

1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。

2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。

他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)、『拗ね者たらん 本田靖春 人と作品』(講談社.2018)などがある。

「2021年 『拠るべなき時代に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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