里見八犬伝 古典を読む (同時代ライブラリー)

  • 岩波書店 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784002603285

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語の中で描かれる悪役たちの魅力に迫る分析が特徴的で、特に網干左母二郎や船虫などのキャラクターが愛情をもって考察されています。悪役の存在が物語を引き立てる様子は、他の文学作品との類似点を通じて新たな視...

感想・レビュー・書評

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  • 八犬伝本編を読み直すほどの余裕がないので関連本を再読中。こちらは分析本としては比較的ライトなので入門編に最適。悪役の網干左母二郎(あぼしさもじろう)や、船虫ら悪女の系譜に愛情ある分析。確かに八犬伝、馬琴の勧善懲悪主義を悪くいうむきの評論も多いけど、実際は悪役がとても魅力的なんだよなあ。

    そういう部分で、ダンテの「神曲」との類似点比較はなるほど!と思いました。そうなんだよね、あれも天国より地獄(煉獄)描写のほうが圧倒的に面白い。八犬伝も後半の正義の味方八犬士の大活躍みたいな部分より、悪役が跋扈する前半のほうが圧倒的に面白い。

    内田魯庵の八犬伝評からの引用が多かったんですが、これが面白そうなので読んでみたい。

  • 読本の大著「南総里見八犬伝」 著者の少年時代の読書記憶から玉梓、伏姫、船虫ら、ひときわ異彩を放つ特殊な立場の女性達について古今東西さまざまな文学、伝説、神話から論じ、八犬伝解釈に新しい光を投じる。

    高田衛先生の「八犬伝の世界」で紹介されてた時から気になってた。確かこれ大学の図書館にもあったので、その時も気になってたし実に六年ごしくらいの読書の夢がかなった感じ。川村氏は鏡花研究でも有名なのですが私の好きなものが結びついた感じが嬉しい。
    研究書という川村氏の少年時代の読書記憶からスタートするので川村氏の八犬伝観という感じに近い。古今東西を問わない文学や神話、伝説を解釈に用いて自由な感じに書いていて面白い。馬琴さまの執拗な書き方や頑固なこだわりにちょこちょこ苦言を呈しながらもその筆が作り出す物語の世界に川村氏も魅了されていたよう。玉梓や伏姫、浜路や船虫に注目して書いてくれてたのが嬉しい。特に玉梓伏姫ひいきの私にはかなり嬉しかった。玉梓たちが土着の神に模された存在であり侵略者である義実がきたことで立場が逆転し初めて玉梓は妖婦となった、だから強力な呪いをかけることが出来た、という考えは私の考えにもかなり近かったのでやっぱそういう読み可能だよねと深く頷いてました。
    信乃と浜路について孤児同士の恋愛と書いていたのですが浜路口説きにそっけない信乃には結構辛辣に書いていてちょっと胸がすく思いがしたような。そうだよね信乃がわるい。八犬伝綺想がこの書の影響下にあるなら読んでも大丈夫かなあ。

    あとあんまり関係ないけど角川八犬伝を結構面白かったと書いてたのでやっぱ見たくなりました。DVD買おうと思って買ってない。

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著者プロフィール

1928年生まれ、ドイツ文学者。東京大学文学部独文科を卒業、名古屋大学などを経て、東京都立大学教授に。大阪芸術大学などで教鞭を執る。ムージルやブロッホなどドイツ文学の翻訳を数多く発表する一方で、1984年に『内田百閒論』(1983年)で読売文学賞を受賞するなど、文芸評論家としても活動。1996年紫綬褒章受章。日本芸術院元会員。2008年に死去。

「2024年 『ウェルギリウスの死 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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