闇の中に光を見いだす―貧困・自殺の現場から (岩波ブックレット NO. 780)

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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002707808

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  • 『We』173号でインタビューを掲載した藤藪さんは、和歌山県の白浜で自殺志願者の救助と保護、自立に向けた支援の活動を続けている。この本の清水康之さんは、ライフリンクというNPOで自殺対策支援の活動をしている。"自殺"という事象をこの人はどんな風に語るんやろうと借りてきて読んでみた。

    清水さん、湯浅さんは、ちょうど同じころに「内閣府参与」として政権に入った、という経験をもっている人だった。清水さんは自殺問題で、湯浅さんは貧困問題で、それぞれワンストップサービス実施などに動き、そのなかで「当事者視点の欠如」を感じたというところ、どこがどう足りないかのたとえ話が、わかりやすかった。

    ▼清水 …当事者の立場に立ってかかわる人が必要です。自殺対策のことで言えば、自殺に追い込まれようとしている人たち、あるいは困窮状態に陥っている人たちは、闇夜の海で溺れているような人です。何とか岸にたどり着きたいと思って泳ぐけれども、暗いので岸がどこにあるのかわからない。泳いでも泳いでも岸にたどりつかないので、ものすごく疲れてしまっている。そこへ支援しましょうと浮き輪を浮かべたり、ボートを漕いで救出に行ったりしても、暗い夜なのですから、浮き輪がどこにあるかを照らさないと、溺れている人は浮き輪の存在もわからない。ボートを漕いでせっかく行っても、ボートの上でじっと黙ったままで、「いや、ボートを出しているけど、人が来ないんです」と言ったところで、来るわけがない。(p.44)

    「死にたいやつは放っておけばいい」のか?
    貧困問題は「本人の努力が足りないから」なのか?


    清水さんが、「いい高校に行って、いい大学に入って、いい会社に入って、いいお嫁さんをもらって幸せな家庭を、と、男の子であればコンコンと諭されてきたけれど」(p.20)と語っているところが、そんなに男の子たちはコンコンと諭されてるんかな?と私にはわからないのだった。"いいお嫁さん"て、どんな人なんやろ。

    (9/1了)

  • 110927onBS211清水康之氏
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  • 湯浅氏とライフリンク代表の清水氏との対談。偶然同じ時期に政府に関わるようになった二人の接点などがわかる。昔から仲良いイメージがあったが、活動を共にするようになったのはここ最近らしい。
    対談の内容自体は目新しくないのだが、清水氏の「自殺関連のドキュメンタリーを作っても、癒しコンテンツのように消費されてしまう」という話は印象的だった。

  • 日本の自殺者が急増したのは98年3月から。97年の決算期の直後。自殺の原因は、生活苦、多重債務、心の健康に集約される。
    自殺はきわめて個人的な問題であるとともに、社会的構造の問題でもある。
    12年連続で3万人が自殺する日本は異常である。

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プロフィール

ライフリンク代表。元NHK報道ディレクター。

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