福島 原発震災のまち フォト・ルポルタージュ (岩波ブックレット 816)
- 岩波書店 (2011年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002708164
感想・レビュー・書評
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このブックレットはフォトジャーナリストの豊田直己さんが震災発生翌日から福島に向かい、事故直後の福島県の放射能汚染地域の中の様子を綴ったものです。
警戒区域として立ち入りが法的に制限される直前の東電福島第一原発から20km圏内で起こっていたこと、地震,津波で行方不明になっている人を見つけて遺体の回収を地元自治体に連絡・依頼した時のやり取りと瓦礫に挟まれ放置されるご遺体のことを思うと息が詰まりそうになりました。
幸いにも地震、津波の影響がほとんどなく無事で良かったと安心し、避難してくる人々を迎え入れていた飯舘村の人々が住まいを追われ,仕事を奪われ,地域のつながりを壊され、自死を選ぶところまで追い込まれて行った人々の様子にはなんと言っていいのか、表現する言葉を見つけるのは僕にはとてもむつかしいのですが、著者自身の撮影された写真とともに伝えられています。
3年を過ぎた今もなお続く放射性物質による汚染とそれに苦しめられている人々、これからも続く被曝への恐れ、不安に思いを寄せ、ずっと忘れないでいなければいけないと強く思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心が痛みます。3年が経つと 人々の意識に上りにくくなってきています。でも、一瞬で築いて来たものを失い、これから先 全く目処が立たない生活を強いられている人々が沢山居ることを決して忘れてはならないと 改めて強くおもいました。 他人事では済まされません。『福島を生きる人びと』や映画『遺言 〜原発さえなければ』と共に 学校の副教材として使い、若い人達に教えていければいいなと思います。
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原発反対。。。
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薄い冊子ですが、原発事故で被害を受けた福島の人びとの苦しみ、憤り、色々な思いが伝わってきます。
掲載されている写真にも、心が痛みます。
この本で紹介されている声は本の一部ですが、でもその声を聞いただけでも、原発というものがいかに恐ろしいものか伝わってきます。
でも、そんな声も全くの他人事のようにふるまう政府・官僚・東電・御用学者・マスコミ、そんな心のない人間たち、自分たちが撒いた、取り返しのつかないこの被害をどう責任を取るつもりなのか、そんな思いがふつふつと沸いてきました。 -
辛い内容だ。
それでも、時々見開こう。
足るを知る、にはなかなかたどり着けない自分を戒めるために。 -
原発は事故が起こった後に、「ここからまた頑張ろう」と言うことができない。周辺に住む人達はそれまでのなにもかもを捨てることを強いられる。
間違いが起きた時に取り返しの付かないことをするのは間違っている。
やっぱり今の時代、大手のマスコミの報道だけでは何も分からないんだな、ということを再確認した。
濃縮ヨウ素を被災地に配ったのかずっと気になっていたけど、まさか配ってないとは思ってなかった。