- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002708188
作品紹介・あらすじ
冷戦期、東西対立の最前線で核戦争の脅威を肌で感じたドイツの人びとは、スリーマイル島とチャルノブイリの原発事故を経て、緑の党を成長させ、脱原発を選択した。フクシマの危機をきっかけに、脱原発の期日を前倒しにしたドイツの決断と、再生可能エネルギーへの転換のビジョンをコンパクトに解説する。
感想・レビュー・書評
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フクシマの衝撃はもちろんだが、ドイツは以前から冷戦による核戦争の危機や、スリーマイル、チェルノブイリ事故を受けて、原発を停止する方向に向かっていた。その中で注目すべきは「緑の党」という政党であり、それが成長しているという。
ドイツは大陸であるから、エネルギーを輸入できる、という発想があるのには日本人からしてみればびっくりである。
ドイツは倫理的問題や持続可能なエネルギー、あるいは次世代のためにという理由から、脱原発を選び、再生可能なエネルギーづくりの世界最先端を走っていることになるという。
ドイツが、経済だけでなく、環境倫理にも真摯に取り組んでいることに感銘をうけた。
アメリカ人でドイツ在住の著者は、被爆国である日本がなぜ多くの原発を持つことを不可解に感じているそうであるが、
日本とドイツの違いも踏まえて、日本がどれくらい企業やマスコミに踊らされてきたかということが分かる。
政治にも倫理を導入すべきであるという筆者の主張にも私は賛成する。 -
ドイツ国内には元々再生可能エネルギーの利用と脱原発志向が強かったものの政権交代によって風向きは変わっていた。
そこに3.11と福島原発の惨事があり、ドイツ政府は専門家集団からなる委員会と原発専門家ではない集団からなる倫理委員会を諮問機関として設け、その答申を受け脱原発に舵を切った。
一見順調に見えるが、日本に先んじて始まった固定価格買取制度において太陽光の発電の割合に比して買い取り予算に占める割合が大きく制度への批判が高まっている等の問題も指摘されている。
確かに日本での即時の脱原発は難しいが98%まで来ている六ヶ所村の最終処分施設の容量、現在原発内にある燃料棒等の処理の問題、発電時のCO2排出は少なくても発電後冷却に使われた水を海に流した際海の温度が上がり生態系に影響を及ぼす点等を解決することなしに原発を動かすこと、福島の放射性物質垂れ流しのような惨状を見ると本書の最後にあるように日本は原子力の「被害国」から「加害国」になったという指摘は正しい。
またスマートグリッド(蓄電)技術の向上も一つの鍵になりそうな印象 -
本書は、2011年6月に日本で行われたドイツ政府原発問題倫理委員会委員ミランダ・A.シュラーズの講演会の内容をもとに編集されたものである。
一度は脱原発を決めながら、政権交代により原子力推進路線に転換したドイツが、なぜ再び脱原発に、それも全原発停止を前倒しにするという積極的な取り組みに変わったのか。そのいきさつが簡潔にまとめられている。チェルノブイリの事故により、実際に放射能の影響を体験したドイツにとって、福島第一原発の事故は、日本よりもはるかに大きなインパクトを持って受け止められている。また、地球温暖化問題においても同様で、日本と取り組み姿勢に大きな差があることがわかる。ドイツにも環境省はあるが、その立ち位置、権限の違いは非常に大きい。機能の仕方が根本的に違うのだ。
巻末に解説として付けられている「なぜ日本でこれだけ多くの原発がつくられてきたのか」は、原爆の被害を世界で唯一受けている国でありながら、また世界有数の地震国でありながら、なぜ原発に対する危機感を持たないのかと不思議に思うドイツ人やアメリカ人に対し、うってつけの説明だ。
海外の目から見れば、日本は被爆国ではなく、今や世界に対して日々放射性物質を垂れ流し続けている汚染源になっていることを改めて認識しなくてはならない。 -
講演を訳したものなので同時通訳的な無味乾燥な文章。
ドイツがどのように脱原発の道を辿っていったのかがとてもコンパクトにまとまっている。
ドイツは自然を大事にする、環境を守るという基本的な精神的土壌がある。日本は経済がまず先に来ると。
ドイツ人にとって、原爆を投下された日本が原発を推進し52基も作ってしまったことは到底理解しがたいことなのだという。
「アメリカ人である私は、かつて日本に留学し、現在はドイツに住んでいるが、ドイツも日本も外から相対化して見ている。ドイツ人が日本についてまず疑問に思うのは、広島と長崎に原爆を落とされたにもかかわらず、どうしてこれほどたくさんの原発を持っているのか、ということである。これはドイツ人にはとうてい理解できない。二つめは、日本は地震の多い国であるにもかかわらず、なぜ原発をつくったのか、ということだ。
一方、アメリカ人の立場からドイツを見ると、やはり持続可能な発展を追求していると思う。理想というものが、ドイツの文化にはある。自然を守ることが倫理となっている。
日本には理想がないとは思わないが、企業が利益を追求する力が非常に強く、理想の力を弱めているのではないだろうか。まるで、政治を動かしているのは企業であるかのようだ。東日本大震災後のいまこそ、政治に倫理を導入することが求められているのではないだろうか。」(p50-51)
最後の数ページで日本がなぜ原発を推進したかがコンパクトにまとめられていて、これだけでも読む価値があると思う。 -
請求記号・539.091/Sc 資料ID・310006009
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約50頁の短い本だが、日本とドイツの原発政策の違いが分かりやすく書かれていて勉強になった。特に、日本でエネルギー政策を行うのは経済産業省(=企業の利益を優先する)であるのに対し、ドイツでは環境省がエネルギー政策を行う(=放射線の問題や地球温暖化等に敏感)という点が、それぞれの原発政策に大きく影響していると感じた。この本をきっかけに、ドイツのエネルギー政策についてもう少し勉強してみたいと思った。
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読みたい。