グローバル時代のアジア地域統合 日米中関係とTPPのゆくえ (岩波ブックレット 828)

  • 岩波書店 (2012年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784002708287

みんなの感想まとめ

アジア地域統合の重要性とその背景を深く考察した本書は、政治経済の視点からアジアの統合を分析し、日本の役割についても展望を示しています。著者は、欧州の統合から得られた教訓を基に、アジアにおける地域統合の...

感想・レビュー・書評

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  • ブックレット(パンフレット)形式の小著ながら、主に政治経済面から表題の課題を整理した良書。
    欧州(EU)統合の研究成果をベースにしつつ、アジアでの地域統合を分析、そしてわが国の対応について展望を示している。本書で使われている図表には古いものもあって、現状については出典を確認して最新資料で検証する必要もあろうが、「おわりに」もあるようにわが国はアジアの統合に対して、「EUに例えれば、スイスになるのではなく、せめてイギリスに、中に入った上で、少し客観的に地域統合に関与する国になればよい。」という意識をもって、10年から20年かけて関係深化を図っていく必要がある、という著者の主張には共感。

  • アジアの地域統合とそれにかかる日本の課題。
    副題の「日米中関係とTPPのゆくえ」については、
    あまり触れられていなかったし、
    入門書としては読みづらかったかな。

  • 羽場久美子著「グローバル時代のアジア地域統合」岩波ブックレット(2011)
    *地域統合の進展には、大きく分けて4つの要因があります。(1)グローバリゼーションによる国境を超えた人、モノ、サービス、情報の移動。(2)その結果国家単位を超える経済領域が形成され多国籍企業の進展に伴って、世界的な競争が始まる。(3)その競争に勝てないと考えたヨーロッパが統合の深化と拡大によって国家規模を超えた経済領域を形成し、その競争力確保を狙い大きな成功と成果をおさめたこと。(4)これらすべての背景にアジアの経済力の成長とそれへの対応があること。
    *日本上場企業(890社)の営業利益を地域別に比較してみると、欧州、アメリカからの利益が縮小し、アジアからの利益が39.4%、ほぼ4割をアジアが占めている。アジアとともに成長することがいかに日本の企業戦略にとって重要かということがこのデータに示されている。
    *筆者は地域統合を是とする立場から、広域地域経済圏には原則賛成である。その意味ではTPPも行うべきと考えている。しかしその際の原則は、(1)地域にとってもまた参加国にとってもウィンウィンの関係であること。(2)一国がヘゲモニーを取るのではなく、参加国の関係が対等であること。(3)例外なき関税撤廃と一挙の市場開放するのではなく、その国の国益や社会構造にかかわる問題については、例外品目を設定し、交渉だけでなく制度や法をもうけてそれを守り保証することの3点が保証されていなければならない。
    *アメリアとの貿易が15%を減少し、中国とが20%、アジア全体の貿易が60%と圧倒的にアジアとの自由貿易のメリットが大きい。アメリカ以外にもアジアにも広げなければならない。
    *TPPが是か非かではなく、世界をみるべきである。米/欧/アジアの三極構造の中で、現実に最も経済的に依存しているアジアの地域強力関係を軸として強化しつつ、アメリカとの協同、さらに欧州との協同を行う事が現実的である。

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著者プロフィール

青山学院大学名誉教授、京都大学客員教授、早稲田大学招聘研究員。博士(国際関係学)世界国際関係学会(ISA)執行委員、副会長、世界国際関係学会(ISA)アジア太平洋副会長、会長を歴任。グローバル国際関係研究所所長。北東アジア未来構想研究所(INAF)副理事長。沖縄を平和のハブに!共同代表。世界国際関係史学会(CHIR)日本代表理事。日本政府観光局(JNTO)MICEアンバサダー。神奈川大学特任教授、日本国際政治学会理事、日本政治学会理事、日本EU学会理事、ロシア・東欧学会理事・事務局長、日本国際フォーラム参与、東アジア共同体評議会副議長などを歴任。
ハーバード大学客員研究員、パリ大学、EUI(欧州大学研究所)、ロンドン大学SEEES、ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所・少数民族研究所、各客員研究員を歴任。中国北京大学・精華大学・中国外交学院、中国外交部、中国南京大学・中国政法大学・中国社会科学院、ロシア・サンクトペテルブルク大学、中国浙江大学・国際連合大学にて招聘講義。
専門は、国際政治史、国際関係論、地域統合論。
紛争の平和的解決、欧州とアジアとの比較研究で文部科学省科学研究費研究代表(2022~2027)。世界に羽ばたく若者を育成し、地域間協力を実現し、平和を構築する研究を生涯のミッションとする。
著書:100 years of World Wars and Regional Collaboration: How to create New World Order?(世界戦争 100年と地域協力),Springer, 2022, Brexit and After, Springer, 2021.『中欧・東欧文化事典』丸善出版、2021。『移民・難民・マイノリティー欧州ポピュリズムの根源』彩流社、2021。『アジアの地域統合を考える――戦争を避けるために』『アジアの地域協力――危機をどう乗り切るか』『アジアの地域共同――未来のために』以上3部作明石書店、2017~18。『ヨーロッパの分断と統合――包摂か排除か』中央公論新社、2016。『拡大ヨーロッパの挑戦』中公新書、2014。『グローバル時代のアジア地域統合』岩波書店、2012。『拡大するヨーロッパ、中欧の模索』岩波書店、1996。『統合ヨーロッパの民族問題』講談社現代新書、1994~2003(7版)など多数。

「2024年 『世界の中の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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