- Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002708379
作品紹介・あらすじ
東日本大震災を受け、教育の「復興」も緊急課題だ。難題が山積する社会を子どもたちはどう生き、そして新しい時代をどう切り拓いていくか。「テスト学力」偏重の教育から脱し、主体的に学び続ける力を養うこと。著者は、そこに教育の目指すべき希望を見出す。被災地の子どもたちの様子、学校現場の声なども交え、震災後の教育のあり方を根本から問う。
感想・レビュー・書評
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「震災後の教育」というテーマよりも、第3章の「学ぶという喜び」で提起されている問題に考えさせられた。特に、”大人の「学力」低下=「学力の剥落」”には、身近に感じられることが多いだけに(国際成人力調査(PIACC)の結果発表は2013年10月。)。フィンランドの学力の高さについてはマスコミでもよく言及されるが、紹介されている、オランダの「教育の自由」には、基本的人権そのものについても再考させられる。
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東日本大震災後の子どもを取り巻く状況について論考。そこから教育の姿を考える。
後半になると論点が多岐にわたってしまい強調点がみえなくなった気がする。
釜石の子らが自らの力で生き残ったエピソード
基本的な自尊感情があれば自分で歩める
それをいかに保障するか -
3・11を経ても、カリキュラムをこなすことが大切で何も変わらない日本の教育。
「どれだけ計算が早くできるか、どれだけ早く正解を出せるか。それが、子どもにとって、日本社会にとって本当に幸せにつながることなのか、どうか」
特に3・11を直接にしろ間接にしろ体験して、それがどう将来役に立つのかと疑問に思う子どもたちも多いのではないだろうか。
だからこそ、今、教育というものに対して取り組んでいかないといけないのに、何も変わっていないように思える日本の教育であることが分かった。
どうして、変われないのかな。
「あいさつ運動」について、「朝は元気よく挨拶をしよう」というスローガンのものと、挨拶の声をチェックしたり、挨拶をしない子や声の小さい子には「もう一度、元気よく」と注意をしたり。
これを尾木氏はおかしいと思うと言う。
挨拶したくない、あるいは挨拶できない子がいる。そうしたとき叱ったり、注意をしたりするのではなく、「どうしたの?」と声をかけてあげればいい。そうしたことで、子どもの心や生活の状況を理解するきっかけにもなる、という。 -
うーん、引っかからない。尾木さんは教育論の平均をいっている気がする。普通のことを言いすぎてて、印象に残りませんでした。
「生きる力」とか「グローバル化」ってふわふわしすぎてると思う。そんな力いらんやろうと思ってしまう。
尾木さんが昨今の教育改革を批判するように、著者自身も人間観としてあまり深く突き詰めれていないように思う。
まあこのひと自身いいひとやと思っているので、良心的な本ではありますが。 -
「受け身」であることが前提の日本の教育。
学校教育法で定める学力とは「思考力」「判断力」「表現力」の3つ。
受動性の高いこれらの力は、主体的に学習に取り組む能動性と反する部分が多い。
これからの社会を作る視点を子どもたちに養ってほしいと思います。
教育が変わるとき、それが今だと思うのですが。
新自由主義や自己責任などという言葉は、横にどけておいたほうがいいですよ。きっと。
諸外国における「学校選択制」とは、宗教の異なる人たちが学校を選ぶという意味が強いようです。
けっして「良い学校選び」ではないのですね。
教育を商品にしてはいけません。