3・11後の自衛隊――迷走する安全保障政策のゆくえ (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708430

作品紹介・あらすじ

東日本大震災では、10万人以上の隊員が被災地支援に従事し、自衛隊の活躍が注目された。改めて国内外での災害救援活動が期待される一方、現実には、海外派遣の任務がなし崩し的に拡大されるなど、より軍事的組織への変貌が進む。知られざる活動の実態や、普天間問題をめぐる米軍の思惑などを緻密な取材で浮き彫りにし、安全保障政策のゆくえを問う。

感想・レビュー・書評

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  • 自衛隊・国防問題を継続的に追いかけてきたジャーナリスト(東京新聞論説委員)である著者による、〈3・11〉をはさんだ自衛隊と日本の国家安全保障にかかわるリポート。とりあえず、なぜ日本が尖閣諸島の問題で前のめりに深入りしようとするのかは、著者が指摘する海自=米軍の一体化路線(海自の米軍の代理人化)を見ると、石原の「購入」騒ぎも含め、すべては合州国の極東戦略の問題であることは瞭然である。結果的にひどくタイムリーな読書となってしまった。

    驚くべきことは、東日本震災の復旧・復興にかんして、自衛隊と日本企業はほぼ自力・独力で活動出来たにもかかわらず、わざわざ米軍が「活躍した」かのようなイメージをばらまき、実際にも米軍が仙台空港の管制権を握るといった事態が展開されていたこと。次期戦闘機(FX入札)問題にしろ、ふくれあがる「思いやり予算」(5年で約1兆円!)にしろ、海自主導の「南西防衛」=先島諸島の軍事基地化にしろ、民主党政権下(自民党が野党の体制)での合州国への無自覚で自堕落な追従振りは、あまりにも情けない。
    そもそも不必要で、存在意義のよくわからない海兵隊部隊の基地をめぐる「迷走」と呼ばれることがらが、米日関係の「トゲ」となったissueであるかのごとく語られてしまうあたりに、マスメディアを含めた、合州国への「恐怖」、または「信仰」が見て取れる。ひどい比喩だが、これはほとんどDVの構造ではないか。恐怖によって支配されたカルトのような。

  • 半ば流し読み。


    3.11後の立ち位置を主にアメリカ、PKOとの関わりから考察している。


    民主党政権批判がちと多めかなぁ。

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著者プロフィール

1955(昭和30)年、栃木県宇都宮市生まれ。下野新聞社を経て、1991年に中日新聞社に入社。1992年に防衛庁(現在の防衛省)担当記者となり、現在に至るまで国防、軍事について取材している。記者として勤務するかたわら、1993年には防衛庁防衛研究所特別課程修了。現在、東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。主な著書に、『自衛隊vs.北朝鮮』(新潮新書)、『日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊』(岩波新書)、『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』(講談社+α新書)、『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(講談社)など多数。

「2016年 『零戦パイロットからの遺言 原田要が空から見た戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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