信用金庫の力――人をつなぐ、地域を守る (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
3.69
  • (4)
  • (4)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 60
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708508

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 1.吉原毅『信用金庫の力』岩波ブックレット、読了。脱原発宣言で注目を集める城南信用金庫・理事長によるお金の話。人を生かし殺すお金。その弊害にどう対抗するか。信金は「小さな銀行」ではない。崇高な社会協同という崇高な理念が存在する。副題「人をつなぐ、地域を守る」歩みの回顧と展望の書。


    2.吉原毅『信用金庫の力』岩波ブックレット。始めに太古から現代に至る「お金」の歴史を概観し、「人類の歴史は、お金との戦いの歴史」と指摘する。それは人間を分断する「麻薬」との戦いである。麻薬の分断にどう立ち向かうか。「健全なコミュニティがあってこそ、健全なお金が流れる」。

    3.吉原毅『信用金庫の力』岩波ブックレット。上場株式会社のあり方を疑問視したA・スミス。銀行に対抗するために公益事業を目的とした「金融機関」としての信用金庫の歴史等々(「貸すも親切、貸さぬも親切」)……。本書は優れた社会思想史であり、協同組合事業の歴史を活写する一書でもある。

    4.吉原毅『信用金庫の力』岩波ブックレット。終章は「原発に頼らない社会に向けて」。「お金の弊害を防ぎ、人、地域を守るのが信用金庫の使命」。城南信金の取り組む「脱原発」の実践が、信金の意義や役割に誠実であることの現れであることが理解できる。短著ながら、幅広く手にとって欲しい。了。

  • 東日本大震災後にあっぱれな宣言をした城南信用金庫の当時の理事長である著者が、信用金庫とは何たるかを述べている。信用金庫って地域のミニ銀行って思ってたけど、本当は株式会社的な経営体の向うを張って生まれた協同組織運動に基づく機関なのだそう。その理念に沿って、地域の中小企業とかの味方になっているんだね。
    東日本大震災後の活動にだいぶ紙幅が割かれていたけど、その分も信用金庫の仕組みとか働きとか書いてあったほうが自分の求めるところに沿っていたかな。

  • 著者は城南信用金庫の理事長。「信用金庫とは、株式会社に対抗してできた理想を高く掲げた協同組織運動の金融部門である。」銀行と同じようなものだと思っていたら「儲け主義の銀行に成り下がるな」を合い言葉に、お金の弊害について立ち向かい、健全な社会を作るのが金融の仕事、という著者の言葉は、すべての業種についても当てはまるのではないかと共感した。

  • 城南信用金庫のリジチョウさん。
    確かに脱原発とか推進してる社会の
    公器を実現している会社。

    他の金融機関も見習ってほしい。おかねに
    強いのが金融マンでは必ずしも
    ないはず。

  • 「信用金庫」の由来、など関係者には役立つことが多い。

  • 信用金庫を社会的な視点から語る、というものかなあと想像して読んだ。
    城南信用金庫の偉い人が書いた、地域密着型互助組織である金融機関・信金のことと、脱原発にむけて企業ができること。
    大部分は信金とは、金融機関の倫理とは、という内容で、最後のほうに原発の話がある。

    城南信金は3.11後に脱原発を表明してツイッターで話題になったらしい。全然知らなかった。
    代替エネルギー事業への積極的な融資や、東電からPPS(特定規模電気事業者)への切り替えなど実際の行動もしてる。
    電力が足りないなら他から買えばいいじゃない。東電の負担軽減になるし非原発の電力を買うという意思表示にもなる。とか、金融機関の視点で原発の不経済について語るとか、発想が現実的なのが面白い。


    ただ語り口が(特に最初のほうは)うさんくさい。
    冷たくてエリート意識バリバリの銀行マンと違って信金マンは幅広い人格を持った心の温かい人たちだよ!という前書きでまずひいた。
    内容自体がおかしいわけではない。箇条書きで書かれていたら納得できると思う。

    この語り口はどこかで見たことがあると思ったら、日本しかしらない人が語る「日本の美しさ」に似ている。
    真実が含まれていないわけではないにしろ、あまりにも一面的すぎる。
    比較対象を貶めることによって自分の主張に価値を与えようとするやりかたが繰り返されるのも気に入らない。
    「銀行と違って信金は」「理系ならできるのに文系は」「過去の自分と違って会長は」……終始こんな調子。
    批判も賛辞も主張も、もっとストレートに語ればいいのに。

    でも最後まで目を通してみたら、この人は単にプレゼンテーションが下手なだけかもしれないと思い始めた。
    口だけの信念じゃない。知識の部分と経験の部分、さらに行動が伴っている。
    あげられる文献を全部読みたくなった。ついでに信金や原発についてももっと知りたくなった。
    もっと知りたいと思わせるのは足りない本か良い本だ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1955年生まれ。城南信用金庫相談役。同信用金庫理事長時代の2011年4月、「原発に頼らない安心できる社会へ」を発表。2012年11月に城南総合研究所を創立。同研究所の2代目名誉所長に小泉純一郎氏を迎え、ともに全国で講演活動を行っている。

「2016年 『黙って寝てはいられない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉原毅の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
池井戸 潤
トマ・ピケティ
いとう せいこう
ミヒャエル・エン...
ジェームス W....
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする