- 本 ・本 (72ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002708591
感想・レビュー・書評
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ほんとうにいいとは言えない、デジタル教科書という結論。
初等教育現場から配置されるより、高校からの方が断然効果があるのに、なぜ?と思っていたが、やっぱり経済が絡んでいた。
持ち運びが楽ぐらいのプラスしかないじゃん。
教育が商売になっていくのはよろしくない。 -
ICT技術を使った公教育がどう変化して、
そのメリット、デメリットがわかりやすく書いてある。
印象的なポイントは、
教育ソフトが消費者用(バナー広告などのため)につくられる傾向があること。
ネットワークを各地に張り巡らす光の道構想というものがあったこと。 -
企業視点が如何に多いか、ネットワークの会社として考えなければならない点も多いと感じました。巷でもてはやされているよりも、道具としては効果が限定的なものだと理解しないと危ないですね。
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私にしてみれば珍しい岩波である。
会社の同僚に「読んでみますか?」と薦められた本。
ブログで仕事の事は書かないようにしているが、実は教育関係の仕事をしており、とあるデジタル教科書も手伝ったりしているのだ。
もう3年前、当時の総務大臣であった原口氏が、原口ビジョンの中で、2015年までにデジタル教科書を全ての小中学校全生徒に配備するなどとブチあげたものだから、一気に「デジタル教科書」に注目が集まった。
この本は、というか新井紀子氏はどちらかというと懐疑的なスタンスで、この本をまとめている。
デジタル教科書って一口に言っても、子供たちが使う「児童生徒用」と、教師が使う「指導者用」が有ります。
「指導者用」は、すでに全ての教室に配備されたデジタルテレビや、プロジェクター、電子黒板などを利用し、教科書を大写しにして使うもの。
現在の一斉授業形態の中でも比較的すんなり利用できるものですが、「児童生徒用」となると個人持ちハードウェアやネットワークの事もあり、そう簡単にはいきませんし、そもそも現在の教科書がデジタルになる必要があるのかと、私自身も懐疑的ではあります。
原口ビジョンのような総務省が掲げる経済活性化のための材料として「教育」をそんな場に出して欲しくないですもんね。
でも、「デジタル教科書」と言えば一般的には、「児童生徒用」を指すようですが、この本も「児童生徒用」の事を中心に書かれています。
ま、興味がございましたらお勧めです。
60ページ程度の本なので二時間もあれば、読み終わっちゃいますし、すごく読みやすく書かれています。
さて、岩波書店。
私は、岩波系の本をほとんど読みませんが、実は先日、仕事の関係で岩波の論壇誌『世界』から取材がありました。
小中の情報教育についてページを設けるんだそうで。
どんな取材だろうと期待してたんですが、単に会社の沿革や雑談で終わってしまいました。
もっと本質に突っ込んでくるかと構えてたんだけど、ちょっと肩すかしを食らってしまったな。。。
個人的な意見ならいくらでも言えるけど、公の立場を思うと何にも言えなくなっちゃうんだけどね。 -
デジタル教科書の導入に対して、否定的な考えをしっかり書いてある本です。
(否定的な本であるという意味ではありません)
今後は慎重に、そして積極的に導入を進めたいと思います。 -
約50年前に通っていた学習塾には、定年後の小学校の先生がいらっしゃった。丁寧に教えて下さった。国語の先生は、主語と述語、修飾語の見分けられるように、また算数の先生は文章題の文が誤解なく読み解けるように、時間をかけて教えて下さった。先生がたの教える技術と時間と根気、それらを支える熱意と愛情を今思い出します。
新井紀子さんは、そういうことの重要性を、説得力のある文章で語っています。共感するところが多いです。 -
教育
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デジタル化が教育的に効果があるとは言い難いことを、科学的かつコンパクトに論じている。
最後の筆者の言葉に、教員としての使命を果たせているかと問われている気がして武者震いする思いだった。
「人を育てることには常に膨大なコストと予測不可能性が伴う。…不完全で非効率でしかない人間を、手塩にかけて育てることによってイノベーションが起きる可能性を待つ、その寛容さこそが今、社会に問われている。」
著者プロフィール
新井紀子の作品





