ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 121
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708591

作品紹介・あらすじ

紙をデジタルで置き換えることは、良いことばかりなのだろうか?デジタルに移行することで失うものはないのか?教育現場での情報技術活用に早くから取り組んできた著者が、デジタル教科書と呼ばれるのはどのようなものか解説し、紙の教科書と比較したメリット・デメリットを論じたうえで、拙速な導入の危うさを指摘する。

感想・レビュー・書評

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  • ICT技術を使った公教育がどう変化して、
    そのメリット、デメリットがわかりやすく書いてある。
    印象的なポイントは、
    教育ソフトが消費者用(バナー広告などのため)につくられる傾向があること。

    ネットワークを各地に張り巡らす光の道構想というものがあったこと。

  • デジタル化が教育的に効果があるとは言い難いことを、科学的かつコンパクトに論じている。
    最後の筆者の言葉に、教員としての使命を果たせているかと問われている気がして武者震いする思いだった。
    「人を育てることには常に膨大なコストと予測不可能性が伴う。…不完全で非効率でしかない人間を、手塩にかけて育てることによってイノベーションが起きる可能性を待つ、その寛容さこそが今、社会に問われている。」

  • 2018.3.24市立図書館
    デジタル教科書がどのようなものであるのか、急に導入・移行が進められようとしている理由は何であるのか、その流れは教育的に妥当なのかどうか、コンパクトに解説。移行を提言しているのが文科省ではなく総務省であり、教育的効果よりむしろネットワーク整備をすすめるための方便として利用されているに過ぎないこと、デジタルメディアの可能性や利点も認めつつ、一律にデジタル化することへの危惧がわかりやすく伝わってくる。

  • AIの到来に備えて小中学生は何を学ぶ必要があるのか?問題解決能力のその先は?

    2012年の本だが、AIなど技術革新があれば解決出来る部分もある。技術の進歩を注視しつつ、デジタルコンテンツのメリットを最大化出来る部分から導入を進め、適用範囲を広げていくことになるのではないか。著者の主張は、技術的な部分がボトルネックとなることもあって、否定的なものが散見されるが、逆に技術革新によるデジタルコンテンツの可能性を強く感じさせる。



    ティーチングとコーチング

    特徴量を見出せなくなる危険性

    過去に例がないようなことには対応できない

  • 賛否両論なのだろうけれど。

  • 科学的で冷静な論考。教材開発者はmust read。

  • デジタル教科書を議論する上での叩き台として、枠組みをきれいに整理してある。何より、(はっきりとは言わないが)反対派の筆者がデジタルデバイスを使い倒している側の人間であるところに説得力がある。”デジタルの弱みは「面積」”、”ハイパーリンクは理解を助けるか”など、具体的で説得力のある論旨が展開されるのは気持ちがいい。引用文献にもおもしろそうなものが多く、うすいうすい岩波ブックレットの中では、濃密でかなりお買い得の本である。

  • 総務省が、インフラ整備のために進めているデジタル教科書。筆者は、紙の教科書から全面的にデジタル教科書に代わるのなら、効率で経費削減以外にはメリットはないだろうと述べている。知識技能の定着にはある程度効果はあるものの、思考力判断力を身につけるのには工夫が必要であるだろう。

  • デジタル教科書について、教育の効果の面から今までの実証的な研究を踏まえたいい本である。さらに教育を経済成長の道具にしてはいけないと主張している。教員養成の学生にとっては必読の本である。

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プロフィール

新井 紀子:国立情報学研究所共有知研究センター長・教授。東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科単位取得退学(ABD)。東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。数学以外の主な仕事として、教育機関向けのコンテンツマネージメントシステムNetCommonsや、研究者情報システムresearchmapの研究開発がある。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。主著に「ハッピーになれる算数」「生き抜くための数学入門」(イーストプレス)、「数学は言葉」(東京図書)、「コンピュータが仕事を奪う」(日本経済新聞出版社)、「ほんとうにいいの?デジタル教科書」(岩波書店)、「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(東洋経済新報社)など。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。

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