「領土問題」の論じ方 (岩波ブックレット)

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本棚登録 : 23
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708614

作品紹介・あらすじ

2012年は日本にとって「領土問題」の年となった。とりわけ尖閣諸島をめぐって、中国との関係は国交正常化以来最悪の状態に陥ってしまった。領土とは、国民国家にとって主権の問題であり、武力を使ってでも守るべきものとされている。しかし、衝突でも譲歩でもない平和的な解決の方法はあるはずだ。5人の論者がそれぞれの視点から考える。

感想・レビュー・書評

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  • この本、領土問題を考える上でなかなかいい本です。どこから手をつけていいかわかんない人におすすめ。東郷さんの本を further reading したくなった。

  •  ナショナリズムに直結して,すぐに紛争にまで発展しそうになる「領土問題」。「歴史的にどちらものか…」と判断する前に,まずは冷静になることが大切です。
     主権国家のやりとりではなく,そこに住む,あるいは,そこで生活をする人間同士のつながりが大切なのだと思いました。
     わたしの考えていたような方向性にあう論じ方でした。
     こういうふうに考えてくれると,安心なんですがね。

  • 筆者らの主張は理解できる。
    領土問題でお互い手出しできない状態が続くよりも共同で開発したほうが双方に利益が出るとは思う。

    しかし,日本が対する相手は、共同に開発という約束をしても信用できるような所ではない・・・と思った.

  • 領土問題とりわけ中国との関係では、孫崎享さんの著書とりわけ『検証 尖閣問題』(岩波書店)や豊下楢彦さんの『尖閣問題とはなにか』(岩波書店)が出色だと思っていたが、本書はこれに新たな視点を提供してくれる。それは、国家主権を相対化する道で、たとえば琉球大学の新崎盛暉さんからすれば、沖縄や台湾の地域住民の生活圏という視点を離れて領土問題を論じることは、はなはだ迷惑な話だということになる。共同通信社の支局長として香港、モスクワ、台湾を経てきた岡田さんは日中台の共同利用、開発を提唱する馬英九の提案を評価し、武力衝突の危機がささやかれていた昨年の9月に日中両国の知識人が理性的なアピールを出したことは、この40年の両国の人々の交流の成果だと評価する。台湾漁民の「生活圏を守れ」という主張を「親日」か「反日」かで評価しようとする主張もきわめて単純な思考であるし、「領土」と聞いたとたん人々の思考が停止するのも恐ろしいことである。(ついでに言えば、韓国の人々がいかに親日であるとみられようと、竹島の問題になればそこにはわずかな妥協の余地もないことも知っておかなくてはならない)東大教授の高原さんは、反日キャンペーンの裏に国粋主義に左派の影響力を見ている。野田首相の国有化宣言のタイミングの悪さが問題にされるが、それがなくても、石原前東京都知事の煽動がなくても、日中間に尖閣を巡る紛争の危機はあったというのにも賛成である。(石原さんはあんなちっぽけな土地を巡って中国と戦火を交えたいのだろうが、そんなことで命を落とす自衛隊いや日中の若者は本当に哀れである。こんなちっぽけな島を巡っていきり立つ人々はあの戦争の悲惨さを忘れたのだろうか)ぼくも昨年12月、おそるおそる北京を訪れたが、中国の一般大衆は、日本では天皇がまだ力を握っているとか、軍国主義が復活したと思っているとか思っていて、本当に日本についてあんまりわかってないのだと思った。「国有化」以前にも所収者がいて固定資産税も払っていたことも知らないだろう。日本にも中国にもいろんな考えの人がいることを知らなくてはならない。

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著者プロフィール

沖縄大学名誉教授

「2013年 『終わらない〈占領〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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