いま、憲法の魂を選びとる (岩波ブックレット)

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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708676

感想・レビュー・書評

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  • 先日行った勉強会より、よほど為になる。

    主権が国民にあるために…
    あぁ~、こ~ゆ~こと、もっと皆の耳に届かなきゃダメだ!

  • 恐ろしい時代になった。生きている間にこんな時代が来るとは・・・・ 楽観的に過ぎたが、まだ遅くはない。国のために国民があるのではない、民がいるからそれを守るために国ができるのだ。平和憲法に守られてきたことを知らなければいけない。伝えなければいけない。

  • 「九条の会」オフィシャルサイト
    http://www.9-jo.jp/

    いま,憲法の魂を選びとる - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b254404.html

  • 我が国の法を樹に例えるならば、憲法はその幹だ。
    この憲法が施工せれてから半世紀以上すぎた。確かにその内容は現代と齟齬が出ているのは事実だ。

    だが、憲法改正を言うべきならば、まず憲法を知らなくてはならない。
    憲法を知らないものにそれを語る資格はないと私は思う。

    憲法を批判し改正を叫ぶことができるのは私たち国民だけである。(特別国家公務員の安部総理にその資格はない!)

    そのことは憲法にも書かれている事実である。

    実質の内容はたった99条。前文を入れても大した量ではない。それだけのものだ。
    勉学の為に幾度も読んでいるが、憲法は他の法律に比べて読む時間ですら1時間もかからない。

    この不安定な世情の中、一度憲法を手にして読むことは日本国民としての義務だと私は思っている。

    これは憲法の趣旨を理解することをお勧めしたいと思う。私たちがこれからそう生きていくのか、どう生かされるのか、理解するためにも。

  • 大江健三郎ほか『いま、憲法の魂を選びとる』岩波ブックレット、読了。12年9月の「九条の会」講演会をもとに奥平康弘・小森陽一両氏の対談を加えた一冊。96条改正提案が意味すること・目指すものを、生活の視座から浮き彫りにする。権力を制限し国民主権(財産)を守る意義考えるきっかけに。

    本書の冒頭は三木元首相夫人睦子が安倍晋三さんに贈る「あなたのおじいちゃまはねぇ」(07年9条の会勉強会)。祖父の岸信介のみ脚光浴びる中で、埋もれたもう一人の祖父安倍寛の軌跡(自由と平和の闘士)から軽挙妄動を窘める。

    続く大江さ「この国は民主主義の国か」では「私らの記憶のうちに生きる三木睦子さんにも聞いていただくつもりで」、「国民が少なくと本当に平和で手をつなぎ合って暮らせるならば、大国じゃなくたっていいじゃないか」と言葉を紹介。

    三木元首相は防衛費1%決定で有名だが、睦子女史は「あなたはなぜ自民党議員なんだ」と誰何、「自分が辞めてしまったら、この国は憲法を変えて、戦争をする国になるよ」と元首相は答えた(澤地久枝「意志と勇気が試されるとき」)。

    看板としての「保守」=絶対悪の如き脊髄反射は論外だが、保守に脈打つ多様な自由と平和への希求(それは戦争経験者だから)の存在には、兎に角外交対立に便乗する現在の痩せ細った自称「保守」の怯懦と怠慢を感じられずにはいられない。

    奥平康弘・小森陽一対談「国民主権を守る思想としての憲法」も秀逸。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は権利保障されても人は生きていけない。だから二項で責任主体を「国」と規定する。平和主義の内実も示唆する。昨今の生活保護抑制議論や新自由主義的「自己責任論」の高踏が反平和主義と親和的であることは意義深い。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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