原発は火力より高い (岩波ブックレット)

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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708805

作品紹介・あらすじ

原発を再稼働させるための理由として、燃料費高騰による火力発電の高コストがしばしば挙げられる。しかし、原発は本当に火力よりも安いのか。電力会社の決算書や値上げ申請書など、「表向き」の数字を使って計算をしても、「原発は安い」という論理が成り立たないことを明らかにする。原発=不良債権の処理方法を具体的に提言。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年に出版された『原発は不良債権である』の続編。発電単価が安い安と言われてきた原子力発電ではあるが、それは原発によるエネルギー政策を進めるために、都合上つくられてきた数字であり、公表されてきた数字を使って計算してみても、安いという論理は成り立たないことを明らかにしていく。その中で、この巨大な不良債権をどうすべきなのか、賠償問題をどう組み立てなおしていくのか、そして分散ネットワーク型社会へ向けての提言、などが述べられていく。
    実際には、東京電力がもはや経営破たんをきたしていることをあらわす様々な数字が生々しい。

  •  ……イヤもうそれ最初から気づいていたことでしょ? という気がする。
     要は「未来にツケを払わせて今は何とかしのぐ政策」のひとつ。

     なんというか、発展途上国(という言い回しもおかしいけれど)が発展するためにそれ以外を考えられないというならわかるけど、日本はいまだにその根性なんだろうなぁと思う。
     だからこそオリンピック怖い。日本の発展のためと言って、未来に借金を負わないか? ほんとうに?

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著者プロフィール

金子 勝(かねこ・まさる):1952年、東京都生まれ。経済学者。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学社会科学研究所助手、法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現在、立教大学経済学研究科特任教授、慶應義塾大学名誉教授。財政学、地方財政論、制度経済学を専攻。著書に『市場と制度の政治経済学』(東京大学出版会)、『新・反グローバリズム』(岩波現代文庫)、『「脱原発」成長論: 新しい産業革命へ』(筑摩書房)、『平成経済 衰退の本質』(岩波新書)、『資本主義の克服』(集英社新書)ほか多数。

「2023年 『イギリス近代と自由主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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