フォト・ルポルタージュ 福島を生きる人びと (岩波ブックレット)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002708935

作品紹介・あらすじ

自民党政権が復活し、原発推進の動きが息を吹き返している。しかし、福島原発事故は収束の目処もなく、被害は拡大し、人びとの苦しみが続いている。被曝への不安、展望のみえない避難生活、仕事や暮らしを奪われ自ら命を絶つ人-。震災直後から取材を続け、映画『遺言-原発さえなければ』を完成させた著者が、住民たちの声とともに、福島の現実をカラー写真とルポで鋭く描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 福島を生きる…この「を」に込められた意味をよく考えてみよう。

    ドキュメンタリー映画「遺言〜原発さえなければ〜」をシネマスコーレ(名古屋)で観ました、2度。どうしてもこの映画を観たいと思っていました。「原発さえなければ」という言葉は相馬市で酪農を営んでいた菅野重清さんが震災の前の年に増築した堆肥小屋で自死を選んだその直前に小屋の壁にチョークで書き残した言葉です。

    この映画を観たあと、このフォト・ルポルタージュを手にして、珍しく積むことなく即座に読み始めました。読み始めて、ブクログに登録するよりも先に読み切るくらい…100ページに満たないごく短いルポルタージュですが、非常に重く心に残るドキュメントでした。

    これまでにたくさんの震災関連書籍を読んできて、すでに知っていることもいくつかありましたが、読んでいて強く再認識したのは、東日本大震災から3年以上が過ぎた今この瞬間にも14万人以上の避難生活をしている人達がいること。地域を、そして人々の心を粉々に砕いてしまった原発の事故に苦し芽られている人達がたくさんいるのだということを改めて胸に刻んでおかなければ、と思います。

  • 豊田直巳『福島を生きる人びと』岩波ブックレット、読了。震災から3年。福島は「忘れさせられようとしている」のではないだろうか。多くの人もその意図に抗うことなく忘却に向かい、混迷の度合いは強まる。本書は、福島を生きる人々の呻吟を伝えるフォト・ルポルタージュ。深刻さは増すばかりだ。

    福島第一原発で収束作業に携わるTさん。「個人的には、最初の頃はそれこそノルマンディー上陸作戦。硫黄島とか沖縄。あんな感じだった」、「今はベトナム戦争」。「前線に行っても、敵がいるのかどうかもわからないっていう。たまに地雷があったり」。

    地雷とは作業現場内の線量が高いところ。「1日1万円で働いているところもあるって言っています。そんなベトナム戦争のような中で、トラブルが起きています」。ベテラン作業員の浄染作業への流出と人手不足で命がけの作業ははかどらない。

    東電は変わったかと最後にTさんに聞いた。「『改めて大変だなあと、苦労してんだなあと思うけれども』と前置きをしながら、『けれども体質としては以前と同じ』と断じた。そして、東京電力について、こう言い切った。『悪の帝国』」。

    私たちの現在および未来の暮らしの安定は、毎日、放射線を浴びながら働く彼らの存在抜きには考えられない。「こうした現実を直視しなければならない」。「忘却への抗いによってしか、次の事故を防ぐことも、被災者の救済もない」。

  • 民主党の一番の失点は、あの時、原発の息の根を止めなかったコト。

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    「自民党政権が復活し、原発推進の動きが息を吹き返している。しかし、福島原発事故は未だ収束の目途もなく、その傷跡による人々の苦しみは続く。被曝への不安、過酷な避難生活、仕事や暮らしを奪われ命を絶つ人――。震災直後から取材を続ける著者が、住民たちの声とともに、福島の現実をカラー写真とルポで鋭く描き出す。」
    memo info
    http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708930/top.html

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