アベノミクスと暮らしのゆくえ (岩波ブックレット)

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  • Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002709116

作品紹介・あらすじ

大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「三本の矢」を掲げて始動したアベノミクス。株価の上昇や円安の進行など、その効果が叫ばれるが、はたして実態はどうか。そして、私たちの暮らしにどのような影響を与えるのか。様々な経済統計を丹念に分析し、アベノミクスの矛盾と危険性を指摘。日本経済や人々の生活を立て直すための政策を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年の10月に発行されたアベノミクス批判の書である。アベノミクスの「景気をよくしよう」とする「問題の立て方」そのものが既におかしいといい、「第一の矢(大胆な金融政策)」「第二の矢(機動的な財政政策)」の効果を検証して、決して成功しているわけではないことを明らかにする。

    そして、やがて明らかになるはずの「第三の矢(民間投資を喚起する成長戦略)」がもたらす危険な内容を予言する。

    問題の立て方。何よりもアベノミクスは、「経済の長期停滞」という認識があるだけで、(それさえも20年来という認識は間違っていて97年からなのだが)、その分析は全く行われていない。その処方箋もあらゆる経済学が混在している。

    そうなると、三本の矢がとんでもないところに行くことは目に見えていて、そのことを具体的に記述していて説得力があった。

    去年の今頃書いていて、それは今でも続いているのだが、この間に起こったことは、(1)企業は儲かるようになったが(2)働く人の賃金は下がり(3)正規雇用者は減少した。のである。よって需要はさらに落ち込み、日本経済は停滞から脱出出来ないどころか、さらに長引く。よって、「世界で1番企業が活動しやすい国」化のツケは、人々の暮らしに、そして日本経済全般にかかってくるだろう。この本の「予言」は今のところ、当たっている(と、書いたその日にGDPのマイナス1.6%という発表があった。目標のプラス2.0%は何処へ行ったんでしょうね)。

    著者の処方箋は、だからアベノミクスと反対のことをするべきだということになる。しかし、そのためには「政治」が変わる必要があるので、ここでは詳しく書かない。
    2015年8月18日読了

  • 読み易く、わかり易い平易な記述でありながら、いわゆる「アベノミクス」が我々の生活・暮らしに与える弊害が書かれた一冊です。

    残念ながら、テレビや新聞等で取り上げられる事はないでしょうが…

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著者プロフィール

山家悠紀夫(やんべ・ゆきお)
現在、暮らしと経済研究室主宰。一九四〇年、愛媛県生まれ。
一九六四年、神戸大学経済学部卒業、第一銀行入行。第一勧業銀行調査部長、第一勧銀総合研究所常務理事調査本部長、同専務理事、神戸大学大学院経済学研究科教授を歴任。
著書『偽りの危機 本物の危機』『日本経済 気掛かりな未来』(以上、東洋経済新報社)『「構造改革」という幻想』(岩波書店)『景気とは何だろうか』(岩波新書)『「痛み」はもうたくさんだ!』(かもがわ出版)

「2008年 『日本経済 見捨てられる私たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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