- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002709376
作品紹介・あらすじ
強者のためだけの経済政策、自衛隊員の命を顧慮しない安保法制、民意が反映されない政治-いずれも憲法の基盤をなす人権の問題である。すなわち、聞く耳持たず、弱者切り捨てを断行するアベ政治そのものが"憲法違反"なのだ。しかし、私たちは決して、切り捨てられる"弱者"たり得ない。この憲法のもと、民主主義のある限り!
感想・レビュー・書評
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最初手に取った時に「期待した本とは違ったのかな」と思ってしまった。安保法制成立のあと10月にこの題名の本が出たということは緊急に書かれたのかな、現在の情勢に応えたのかな、と思ったのである。ところが、読むと2015年5月の講演記録だという。成立を受けての彼らの想いを知りたかった私の期待は外れた、と思った。ところが内容は、成立を覚悟してそれでも「民主主義をあきらめない」彼らののしたたかな決意や理論が詰まった、小さいけれどもとてもいいパンフになっていた。
よくネットウヨは左翼の人間をお花畑にいると揶揄するが、09年まで小泉・安倍・麻生政権で内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)をした柳澤協ニ氏の具体的な危機管理シュミレーションを読んでも、「安保法制は戦争をしないための法律だ」と言えるのか?そう思っている者は「お花畑にいる」と私は言いたい。
「じゃあ、どうすればいいんだ、お前たちこそ理想ばかり言って、全然具体的じゃあないじゃないか」と反論するだろう。当たり前だ、と言いたい。それを具体化するのが政権の役割だからである。今の政権では具体化出来ないから批判しているのだ。でもこの本の著者たちは方向性は示している。お上任せで、思考能力のないネットウヨはそれだと「不安でたまらない」から威勢のいいことをいう輩について行くのだろう。
危機管理シュミレーションとは何か。例えば、南シナ海のオペレーション。「現場判断」で、米中が大人の対応で終わるような場面でも、日本の子供の対応で抜き差しならない戦争状態に、日本が巻き込まれる可能性はあることを知った。
アメリカ追随の日本は、アフガンでも南スーダンでも要請されたら断れない。その時に今度は「戦闘状態」になる可能性が十二分にある。その覚悟が、今の日本にホントにあるのか?国会では、ずっとお茶を濁す発言をした。一切具体性はなかった。
「抑止力とは何か」。柳澤さんは一つの提案をしている。全面的にではないが、私は傾聴に値すると思う。
軍事面では柳澤さん、経済哲学では浜さん、それらを包括して内橋さんが話している。それらを虚心坦懐に聞くと、「日本が進むべき未来」が見えてくる。
2015年12月25日読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
配置場所:2Fブックレット
岩波ブックレット ; no.937
資料ID:C0037061 -
元防衛省完了の柳澤協二氏の主張がわかりやすくて中身も興味深い。
安保法制は通ってしまったけど、自衛隊が派遣されて発砲してしまうまでにはまだ時間がある。諦めてはいけない。